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【味乃家 魚野川】冬季限定の天然カモそばと春の味覚ふきのとう天ぷら|魚沼市

2023年04月26日

イケ麺パラダイス
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料理 老舗 そば 地産地消

春休みもあって帰省していた鴨好きな末っ娘に食べさせたいと、新潟市内にあって鴨をウリにしたラーメン店にお邪魔してみたものの、これが「鴨どこ?」の状態で不発だったという…(汗)

なのでこの日は、魚沼市内で遅い春を感じる雪上桜を愛でたこともあり、その帰路途中にある「味乃家 魚野川」で、鴨好きも満足する鴨肉たっぷりな蕎麦をいただいてきました。

昭和から続く老舗ドライブイン「味乃家 魚野川」

この度お邪魔したのは、新潟県魚沼市(旧堀之内町)の国道17号沿いにあり、1967年(昭和42年)にドライブインとして開業した「味乃家 魚野川」です。

味乃家魚野川の店舗外観

実はこちらのお店、幾度もの苦難を乗り越えて現在の姿があります。

その初めは2004年(平成16年)の7.13水害でした。浸水被害に遭った店舗の片付けが終わろうとしていた同年秋には中越地震が発生し、震源地からほど近い激震ゾーンであったため店舗は全壊してしまいました。翌年1月に規模を縮小して営業再開したのの、深夜に発生した火災によって店舗を焼失。2005年(平成17年)夏に新装オープンした現店舗も、2011年(平成23年)夏に発生した新潟・福島豪雨の際にはまた浸水被害に遭っているのです。

幾度もの困難に直面しながらその度に立ち上がってきた不屈の精神を持ち、まるで飲食業界の「おきあがりこぼし」のような味乃家 魚野川は、その料理からも元気がもらえる店です。

味乃家魚野川の店舗入り口 味乃家魚野川テイクアウト用窓口

ドライブインからの流れを汲み、和食堂としての利用の多かった味乃家 魚野川も、近年はパン職人である息子さんも店に入り、2014年からは店内一角に石窯ピザの店「アブラッチャ・トット」と、「うさぎ畑のパン屋さん(パン工房 魚野川)」が併設され、テイクアウト用のメニューも揃うようになりました。

店内の様子

味乃家魚野川店内全景

店内は食堂を思わせる大きめなテーブルが並んだ広めな空間。50名程度の宴会も可能な広さがあります。

間もなく午後3時になろうかという時間だったので他に客の姿はなく、ご店主が片隅のテーブルでまかないランチを召し上がっている最中でした。

ご店主の「いらっしゃいませ」の声に迎えられて入室すると、選び放題の中から今回も、お気に入りの位置にあるテーブル席を利用させていただきました。

味乃家魚野川店内のストーブ

これから魚沼の地は雨が雪に変わる予報だったので、店内は時計型薪ストーブが稼働中でした。

味乃家魚野川の店内窓から見える山々

店内の大きな窓からは、自然豊かな魚沼の姿が眺められます。
私のお気に入りは山々を望む最奥の席。空いていると迷わずここに陣取ります。

味乃家魚野川テーブル席 味乃家魚野川卓上セッティング

メニュー

味乃家魚野川の定食メニュー
味乃家魚野川の麺メニュー
味乃家魚野川の丼・カレーメニュー
味乃家魚野川のパンメニュー
味乃家魚野川の一品料理メニュー
味乃家魚野川のドリンクメニュー

定食、麺料理、丼もの、カレーライス、パン、一品料理、飲み物と、メニュー豊富な味乃家 魚野川。各種お惣菜(季節の天ぷらなど)や、息子さんが石窯で焼くピザや自家製酵母を使ったパンは、お持ち帰りも可能となっています。

そしてよく見て欲しいのは、メニューのあちこちに魚沼ならではの四季の食材が散りばめられていること。他では味わうことのできない珍しい食材が提供されるところも、何度も訪れてしまう大きな魅力の一つになっていると思います。

味乃家 魚野川でいただく魚沼の冬と春

冬季限定のジビエ十割そば

味乃家魚野川が提供する天然カモそば

天然カモそば(1,800円)

冬季限定メニューの天然カモそば。使われているのは真鴨(青首)です。
魚沼に住んでいた親戚も猟をした人でしたが、狩猟が解禁になる11月中旬頃から僅か3ヶ月間余の自然の恵みの逸品ですね。

4月上旬が冬季に含まれるのか?が微妙なところで、フロア係のお姉さんに提供可能か尋ねてみると、厨房まで確認に行ってくださってのOKサインでした。

味乃家魚野川が提供する天然カモそばのカモ汁

本来は温かいかけそばのスタイルで提供されるのですが、フロア係のお姉さんが気の利く人で「つけそばスタイルにもできますが…」と仰って下さったので、せっかくの十割そばが伸びてしまわぬよう、私はそばとツユを別盛りで提供していただきました。

味乃家魚野川が提供する天然カモそばの鴨肉リフト

見てください、この鴨肉!大きな切身がゴロゴロ入っています。
脂身の少ない肉なので少々噛みごたえを感じますが、じっくり噛んでいると野性味溢れる旨味が口の中にじわじわと広がって何とも濃厚。

つけ汁にもしっかりとした鴨の風味が出ていて、実に滋味深い味わいです。

味乃家魚野川が提供する竜光十割手打ちそば

自家製石臼挽きの竜光十割手打ちそば

別盛りにしていただいた十割そばは、いつ食べても安定の美味しさ。そのまま食べても美味しいそばは、力強い鴨のつけ汁にも負けません。

味乃家 魚野川が提供する竜光十割手打ちそばは看板メニューの一つなので、たとえそばが無くなった中途半端な時間帯の訪問でも、また時間をかけて打ち立てで提供してくださるので有り難いのです。

味乃家魚野川が提供する十割手打ちそばリフト

そばの名にある「竜光」はお店脇を流れる魚野川の対岸にある魚沼市竜光地区のことだと思うのですが、中越地震の時には100世帯あったうちの3割が大規模半壊したところです。また、当時の山古志村の芋川流域にできた堰止湖(何度もテレビに映し出されていた)の決壊で、上流からの土石流や洪水がくる危険にさらされた地域でもあります。

震災から時が経ち、誰の話題にもならなくなった今もその名を残す十割そばは、私にとってかけがえのない味の一つになっています。

春の息吹を丸ごといただく

味乃家魚野川が提供するふきのとう天ぷら

ふきのとう天ぷら(300円)

メニューに見える「地野菜天ぷら」にも、春のこの時期は魚沼の山菜が入るのですが(以前食べた時は根曲竹、ふきのとう、タラの芽入りでした)、今回は特にふきのとうが食べたかったので、そばのお供にこちらを選んでみました。が…。

300円の価格なので、せいぜいでふきのとう3~4個程度だろうと思っていたら、実際には8個のふきのとうが天ぷらになっててんこ盛り(笑)。苦いのが苦手な丼父さんは食べないので、末っ娘が1個だけ食べ、あとは全て私がいただきました。

味乃家魚野川が提供するふきのとう天ぷらを1つリフト

今年1年のふきのとうをここで食べた感じはありましたが、途中で飽きることもなく、もたれることもなくて、柔らかでホロ苦い春の味覚を満喫できて大満足でした。

おしまいに

魚野川が提供する天然カモそばとふきのとう天ぷら

福山峠の雪上桜で冬と春を一緒にたのしんだ日、味乃家 魚野川でのランチでも同じように、冬と春の味覚を1度に堪能することができました。

半世紀にわたって地元民や観光客に愛される味に間違いなし!次回はまた、魚沼芝桜まつりの後にでもお邪魔したいと思います。

ご馳走様でした。(Saturday, April 8, 2023)

味乃家魚野川の店舗外観

味乃家 魚野川(パン工房 魚野川)

  • 住所:新潟県魚沼市下島70-1 ※Google mapリンクアイコン
  • 備考:創業昭和42年/中越震災後の平成17年8月新装開店
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そふぃあ
Posted by そふぃあ
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コメント(12)

There are no comments yet.

マクノスケ  

2023/04/26 (Wed) 17:24

こんにちはー!

いつもながら美味しそうです。
お蕎麦も瑞々しそうだし、汁が美味しそう~~。
そして合鴨の大きさが凄い!!
これったらお腹もいっぱいになりそう。
なんだかよだれが垂れてきましたよ~。
ふきのとうも緑が春らしくて良いですねえ。

NOB  

2023/04/26 (Wed) 19:41

暖炉に薪ストーブ使われてるんですね!
こんな使い方もあったのね!

鴨って普段食べないけど美味いんだよね!
春感じる天ぷらもいいですね!

もふもふミッフィー  

2023/04/27 (Thu) 00:12

ジビエと蕎麦!?
って思ったけど、鴨だったんですね♪
これは、本当に美味しそう(≧▽≦)

それにてんぷらも季節のモノで、とてもいい組み合わせですよね。

さすがにジビエは無理だけど、蕎麦だけでも食べた~い(´▽`*)

そふぃあ  

2023/04/27 (Thu) 08:30
そふぃあ

To マクノスケさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

昔ながらのお店って、意外と最初は入りにくいんですよね(汗)
震災にも負けずに「激震ラーメン」がメニューに加わったと知って訪問して以来、すっかりお馴染みのお店になった我が家です。

十割そばも美味しいですが、鴨のつけ汁でいただくのは最高でした。
あ!合鴨じゃなくて真鴨です。
肉質なんかも合鴨とは全く違っていますが、これぞ鴨!っていう味で好きです。

ふきのとうの天ぷらも、地元で育った採れたてで提供しているのが良くわかります。
とても良心的なお店だと思います。

そふぃあ  

2023/04/27 (Thu) 08:33
そふぃあ

To NOBさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

以前は暖炉のまま使われていたのかも知れません。
コンパクトな時計型の方が、汚れないし後片付けが簡単なので、なるほどアイデアだなと思いました。

私も鴨肉はあまり食べませんが、普段口にするのは合鴨が殆どだと思います。
真鴨は珍しいです。
味も濃くて野性味がありますが、クセがなくて食べやすく、とても美味しかったです。

ふきのとうの天ぷらも、春遅い地域でいただいて、何度も春を実感できるのも有り難いです。

そふぃあ  

2023/04/27 (Thu) 08:35
そふぃあ

To もふもふミッフィーさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

天然の真鴨なので、これもジビエですね。
なかなか口にできない貴重な肉ですが、味が濃くて美味しかったです。

春の苦い山菜が好きで、この時期になると無性にお蕎麦屋さんに行きたくなるんですよ。
いろんな種類の天ぷらでいただく春の山菜は美味しいですね。

さえき奎(けい)  

2023/04/28 (Fri) 00:30

ジビエ十割そば、冬季限定なんですね。
今はこのくらいのお値段でも仕方ないですね。
以前書いたかもしれませんが、私の長年の馴染みの蕎麦屋でも鴨南蛮が合鴨になって久しいです。

>見てください、この鴨肉!大きな切身がゴロゴロ入っています。

スライスじゃないということに、強い衝撃を受けました。
そして、せめておつゆを一口でもいいから飲ませてほしいと思いました(*´﹃`*)。

うしかい座  

2023/04/28 (Fri) 06:54

おはようございます。

鴨肉ゴロゴロでおいしそうです。
ウチも私以外は苦いのが苦手なので、フキノトウは殆ど私が食べます。
困難な状況の中、良くお店を続けられたものだと思います。
激震ラーメンというメニューを作るあたりに、不屈の精神を感じます。

そふぃあ  

2023/04/28 (Fri) 08:44
そふぃあ

To さえき奎さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

真鴨が手に入る冬場だけの限定メニューです。
確かに少々お高めな値段設定に見えますが、材料を確保する人あってのメニューなので、これも致し方ないと思います。

鴨肉はスライスしてもかなりの厚切り。
噛むと旨味がじゅわっと出て、合鴨とは全く違う濃厚な味わいに酔いしれました。
この味を知っている人は、この肉の厚みだけで酒が一杯飲めますね(笑)

そふぃあ  

2023/04/28 (Fri) 08:49
そふぃあ

To うしかい座さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

少々お値段は張りますが、これだけたっぷりと真鴨が味わえるお店はなかなかなくてお得感もありました。
ふきのとうは春の味覚の代表格ですが、意外と苦い山菜が苦手な人もあるようですね。
私は大好物なので、春先になるとおそば屋さんの揚げたて山の幸が何よりもたのしみなんです。

長く続く老舗は、どこか一本筋が通っている気がします。
どんな困難でも、店を続けるという気持ちが前に押し出してくれているというか。
震災後にできた「激震ラーメン」のお陰で、我が家もお店との縁ができたのですが、当時は商魂たくましい頼もしいお店だと思いました。

徳川たぬこ  

2023/05/02 (Tue) 19:58

蕎麦とパンとピザが選べる場所だなんて素敵です
家族全員で行って各々好きなお店に入りたいです笑
美味しんぼの海原雄山氏も絶賛しそうな鴨蕎麦ですね
( ゚ཫ ゚)˖✧

そふぃあ  

2023/05/05 (Fri) 10:30
そふぃあ

To 徳川たぬこさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

もともとは和食中心の食堂でしたが、畑違いの息子さんがお店に入り、さらに料理のレパートリーが増えました。
家族で出掛けても、みんなの好みを網羅してくれるお店だと思います。

冬限定の天然かもも、今では珍しいメニューですね。
是非、おいしんぼに登場して欲しいような老舗店だと思います。