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【純喫茶ロンドン】燕市初の老舗喫茶でいただくナポリタンと特製プリンアラモード

2023年04月11日

食べ歩記
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老舗 カフェ 昭和レトロ

この日のお昼兼夕食は、かねてよりお邪魔してみたいと思っていた燕市にある純喫茶ロンドンを訪ね、創業当初から半世紀にわたって変わらぬ、純喫茶ならではのメニューをいただいてきました。

まるで昭和にタイムスリップしたかのような空間広がる「純喫茶ロンドン」

商店街から見る純喫茶ロンドン

今回お邪魔した「純喫茶ロンドン」は、新潟県央に位置する燕市燕地区の商店街の一角にあります。

付近には以前、商店街の顔としてオーバーアーケードがありましたが、老朽化のため10年ほど前に撤去され、歩道や街頭などが整備されて現在の姿になっています。

横から見た純喫茶ロンドンの外観 純喫茶ロンドン店舗入り口の様子

「燕」という地名にも大きく関わり、全国唯一の信州戸隠神社の正式分霊社である燕総鎮守「戸隠神社」と同じ並びに店舗はあります。

一方通行の道を戸隠神社まで行ってしまうと行き過ぎなので、一区画分ほど歩いて戻ってくると、そこだけ昭和に取り残されたかのような空間が目に飛び込んできます。

こちらがずっと訪ねてみたかった、昭和42年創業の「純喫茶ロンドン」です。

喫茶ロンドンの昭和レトロな電飾スタンド看板と店舗

創業当時から一度も手を入れていないという店舗

店前に置かれた電飾スタンド看板や食品サンプルの雰囲気もあり、入店前から昭和レトロな雰囲気が何とも味わい深いお店です。

年季の入り過ぎた(笑)食品サンプルケースは通路側と入り口正面のニ箇所に設置

喫茶ロンドンが開店した昭和40年代初めの頃、燕市にはまだ喫茶店が無く、マスターは新潟市内まで修行に行かれたとのこと。世界的にも有名な洋食器のまち「燕」の喫茶ならではの洋食が、マスターの手によってここから始まったのだと思うと、焼けた食品サンプルもまた、有り難い歴史の生き証人のように感じられます。

長年ご夫婦二人三脚で営んで来られた喫茶店でしたが、この日の店舗入り口には「店主1人で調理接客していますので…」との貼り紙が。

実際には息子さん世代の男性が、マスターの補助をされながら営業されていました。

店内の様子

喫茶ロンドン店内の様子

かなり薄暗い店内は(失礼)、ダマスク柄の壁紙と柱にあしらわれたピンクの照明が印象的。
店内のあちこちに飾られている絵画は、マスターのお母様が収集されたものだそうです。

喫茶ロンドンのソファー席
純喫茶ロンドンのおしぼり
各所に絵画が見られる純喫茶ロンドンの店内
純喫茶ロンドンの床

4人掛けメインのボックス席は、通路を挟んだ左右に40席ほど設けられています。
革張りの椅子、天井の間接照明やお洒落な模様の床。初めて喫茶ロンドンを訪れた55年前の燕市民はさぞ、この設えにたまげた(ビックリした)ことでしょうね。

純喫茶ロンドンにあった現役のスペースインベーダー 喫茶ロンドンにあった現役のギャラガ88

そして我が家が利用した店内一広い(多分)テーブル席の両隣には、70年代、80年代に流行した「スペースインベーダー」や「ギャラガ'88」といったシューティングゲームが、まだ現役(1ゲーム100円)で活躍しているという。

何処をどう切り取っても、昭和レトロ満載な喫茶店なのです。

半世紀以上にわたって愛され続ける喫茶メニュー

純喫茶ロンドンのメニュー

メニューは大まかに、フロート、軽食、フルーツ、季節ものデザート、コーヒー、フレッシュジュース、スカッシュ etc…。そして純喫茶ですけど、ジンフィズやコークハイなどのアルコール類も提供しています。

喫茶の王道ナポリタン

純喫茶ロンドンのナポリタン

スパゲティ ナポリタン(スープ付 750円)

パスタでもスパゲッティでもなく、メニュー表にも幟旗にもそう書かれていたスパゲティ。「ミート」と「ナポリタン」の両者から私が選んだのは、喫茶店の定番メニュー「ナポリタン」です。

喫茶ロンドンのナポリタンとスープ

ウインナーソーセージもベーコンも両方入った贅沢仕上げ。彩りに2粒入ったグリーンピースが何とも昭和を感じます。

フォークに巻いた喫茶ロンドンのナポリタン

太麺を口の中に入れると、あの柔らかな食感に思わず「ムフッ」と笑みがこぼれてしまう。
ケチャップは酸味抑えめで、あとから何とも心地よい甘みがやってくるタイプでした。

特製プリンアラモード

喫茶ロンドンといったら季節限定(12月~6月)の「イチゴパフェ」も評判との予備知識があったので、私の当初の本命は「イチゴバフェ」だったのです。

けれど、いざ注文する段階でマスターが「今日はイチゴが無くて…」と仰っしゃるので、次に気になっていた「プリンアラモード」に変更でした。

本来、イチゴのシーズンにはアイスのトッピングに1粒イチゴがのるそうですが、この日はそのイチゴが無いわけで、「サクランボが2つになりますけど、それでも良いですか?」とマスターのご説明があり、納得したうえでの注文でした。

特製ロンドンプリンアラモード

特製ロンドンプリンアラモード(800円)

この日のメインよりも高価なデザート(笑)。
実際問題、喫茶ロンドンで提供が始まった1974年(昭和49年)時のプリンアラモードも高価なメニューで、当初は注文する人も少なかったとか。

今は本格的なプリンアラモードが食べられるお店も限られますし、使い続けられてきた懐かしの器で提供されるのも貴重ポイントだと思います。

特製ロンドンプリンアラモードのバナナサイド 特製ロンドンプリンアラモードのアイスクリームサイド

フレッシュなバナナ、キウィ、メロン、リンゴ。シロップ漬けのミカン、パイン、桃、サクランボ。盛りだくさんのフルーツにチョコレートソースのかかったアイスクリームと、自家製プリンがのってボリューム満点。

フルーツのメインがバナナにあるところも、提供が始まった時代背景を感じます。

特製ロンドンプリンアラモードのプリン

そして特製ロンドンプリンアラモードは何より、提供当初から手作りにこだわる自家製プリンが決め手。
昔ながらの少しかためな食感で、カラメルもプリンも優しい甘さ加減に仕上げられています。

反面、使われているホイップクリームが甘みの少ないタイプなので、このボリュームでもペロッといただけました。

おしまいに

創業した1967年から殆ど変わらぬ店内で、半世紀以上にわたって守り続けられてきた味をいただけるのは、不思議とその間だけ時間の流れまでがゆっくりになったような、そんな錯覚もあって至福の時でした。

是非とも皆さんの脳裏に刻まれているノスタルジーともコラボさせ、昭和が生んだ懐かしのメニューを一緒に味わった気分を感じていただけたら幸いです。

なお、ネットなどでは深夜まで営業との情報が載せられていますが、2023年4月1日の時点で19時閉店となっていましたのでご注意ください。

ピンクのライトが灯る純喫茶ロンドンの店内

こういう貴重なお店が末永く続いて欲しいと願いながら、店舗外のディスプレイの灯りが全て消された、初訪問の純喫茶ロンドンを後にしました。

ご馳走様でした。(Saturday, April 1, 2023)

純喫茶ロンドンの外観全容

純喫茶ロンドン

  • 住所:新潟県燕市穀町3-1-1 ※Google mapへリンクアイコン
  • 備考:1967年(昭和42年)創業
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そふぃあ
Posted by そふぃあ
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コメント(16)

There are no comments yet.

徳川たぬこ  

2023/04/11 (Tue) 11:58

純喫茶と聞いて

飛んでまいりました
外観からして素晴らしいですね
食品サンプルも素敵です
さらにゲーム機がテーブルになっているなんてパーフェクトですね˖✧すごく懐かしいです
そしてナポリタンもプリンもすごく美味しそうです❣
名古屋に住んでいた時、よく鉄板ナポリタンをいただきました(。-人-。)
あと、バイトと言えば喫茶店がお決まりでした

もふもふミッフィー  

2023/04/11 (Tue) 17:26

いや~、これはまさにタイムスリップ感満載ですね(≧▽≦)
昔々、こんな喫茶店ありましたよね。
でも、最近ではホントに見かけないというか、まさかまだあったとは!?って感じです( *´艸`)

店内の雰囲気だけでなく、メニューもそしてその盛り付けやお皿までが懐かしくて、昭和に迷い込んだような気分になりそうですね(´▽`*)

MIZ  

2023/04/11 (Tue) 19:18

こんばんは

純喫茶ロンドン最高ですね。ナポリタン食べたくなりましたよ。インベーダーゲームも懐かしすぎますね。昭和の時代を感じる事が出来て嬉しいです^^

NOB  

2023/04/11 (Tue) 20:26

昭和館ある街並みに昭和感ある喫茶店っていいわ!
で、ナポリタン、プリンアラモード
高校時代を思い出す日常が残ってるっていいわ!

この先も残ってほしい空間ですね!

さえき奎(けい)  

2023/04/11 (Tue) 23:31

いやー、あの頃にタイムスリップしたんじゃないかと思いました。
電飾スタンドもサンプルも店内の雰囲気も、まんま昭和ですね。
店名の「ロンドン」がまたいいじゃないですか(笑)。
メニューの「スパゲティ(スープ付き)」が、手書きでナポリタンとミートに分岐しているところで私は泣きました(笑)。
若い頃、行きつけの喫茶店で昼飯にナポリタンとイタリアンを毎日交互に食べていました。
もちろん美味いとかいうことではなく、もっと不純な理由によってです(笑)。
いつまでも、営業を続けて行ってほしいですね。
新潟へ行く機会があったら、是非寄ってみたいです。

そふぃあ  

2023/04/12 (Wed) 08:26
そふぃあ

To 徳川たぬこさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

一度も手を入れていないという店構えが、今となっては何より貴重なお店だと思います。
自分が子どもの頃、確かにこういう喫茶店が町にありました。
店内は窓が一つも無くて、おまけにピンクの照明があってビックリでしたけど、この薄暗さも何だか不思議と落ち着くんですよ。
みんなノスタルジーの世界だからでしょうか。

鉄板ナポリタン、早速ググってしまいました。
鉄板に乗せての提供だと熱々のまま食べられますし、その間さらに水分が飛んで、自分で作った時のベチャッと感もなくなる気がします。
レトロモダン万歳!ですね。

そふぃあ  

2023/04/12 (Wed) 08:38
そふぃあ

To もふもふミッフィーさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

お店を建ててから一度も改装していないので、そだが返って歴史を感じられる場所になって貴重なお店です。
メニューに関しても、創業当初から殆ど変わっていないようで、そんなところにもブレずにやってこられた信念んのようなものを感じましたよ。

今までは奥様と一緒に営んでいた喫茶も、マスターお一人になってしまったらいつまで続くのか?
末永くあって欲しいお店でした。

そふぃあ  

2023/04/12 (Wed) 08:40
そふぃあ

To MIZさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

プロの作るナポリタンはやはり、自分で作るのとはひと味もふた味も違って美味しいですね。
しかもこの空間。
懐かしのアイテムが満載で、昭和に戻ったような良いお店でした。

そふぃあ  

2023/04/12 (Wed) 09:15
そふぃあ

To NOBさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

この付近にアーケードがあった時は、さらに昭和感ありましたよ。
取り払われて綺麗になってしまうと、取り残された昭和がさらに目立つ存在になります。

店構えもメニューも、本当に自分たちが育ってきた昭和そのままなんです。
初めてなのに、不思議と居心地の良さがありました。

奥様と二人三脚だったお店がマスター1人になって…。
この先も長く続いて欲しいと願わずにいられませんでした。

そふぃあ  

2023/04/12 (Wed) 09:25
そふぃあ

To さえき奎さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

作り込んだ昭和でなく、当時そのままがここにあるって凄いことですよね。
店名はマスターのお父様がつけたようですが、モダンな時代の最先端之イメージが英国の首都だったのかも知れません。
開店した数年後に喫茶ブームがやってきますので、マスターのお父様は先見の明の持ち主だったと思います。

昭和レトロなお店の画像で、若い頃を思い出してもらえて幸いでした。
みんなそんな時代があって今がある!
JR弥彦線の燕駅からも歩いていける距離ですので、新潟にお越しの際は是非。

P.S.
新潟で「イタリアン」というと、イタリアンスパゲッティとは全く別物の料理になりますのでご注意くださいね。

駐在おやじ  

2023/04/12 (Wed) 10:29

外観見ると フラッと入ろうとは なかなか思えないですね ><
でも 開店以来手を入れない これを知っていれば 行ってみたくなるお店ですね

ナポリタン ^^ 良いですね~~~~
プリンアラモード www 食べたことないかも wwww

息子さん世代の方が サポートされているという事は 後継者?が居られるのかも
こういう 昔ながらのお店 長く続けてほしいですね

 駐在おやじ

そふぃあ  

2023/04/13 (Thu) 08:32
そふぃあ

To 駐在おやじさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

入り口ドアから店内の様子も分からないので、知らなかったら入るのに勇気のいるお店だと思います。
でも今は地元情報誌やネットの存在もありますし、自分たち世代が子どもを連れて行くことで、昭和レトロを新しく思う若い世代の利用もあるようです。

ナポリタンやプリンアラモードは、私たち世代はお子様ランチの時代からお世話になってますよね。
昔のままの味で提供されているそうで、ブレない姿にも感動を受けます。

こういうお店は無くなって欲しくないですよね。
マスターは現在70代半ばですので、後継者がいらっしゃると良いのですが。

うしかい座  

2023/04/13 (Thu) 18:22

こんばんは。

とても懐かしい感じ、昭和といっても私の世代より前かもしれません。
店名もサンプルケースもメニューもレトロですね。
店内でくつろいでいると、ムフっと一人笑いが漏れそうです。
ワタシが喫茶店に行き始めた頃には、インベーダーゲームとかパックマンとか100円でした。

そふぃあ  

2023/04/14 (Fri) 08:40
そふぃあ

To うしかい座さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

お店自体が自分と同世代ですので、開店した当初のお客さんは、私たちより上の世代でしょうね。
自分が生まれた頃のハイカラがこんな風だったのだと、店内でくつろぎながら感じていました。

インベーダーゲームやパックマン、私も懐かしいです。
高校の部活帰りに、同じ部の男女でゲームセンターに行ったのを思い出しました。

しんべい  

2023/04/15 (Sat) 10:15

こんにちは

お店の雰囲気もプリンアラモードも、全部懐かしくて素敵です。
ナポリタンも美味しそうですね~
こういうお店でまったりと過ごしてみたいです。
1枚目のお写真、我が町か?と思うくらい似ています^^

そふぃあ  

2023/04/17 (Mon) 08:35
そふぃあ

To しんべいさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

お店もメニューも、自分が生まれた時代そのままにあるお店で、とても懐かしく感じました。
いつまでもこういうお店が続いて欲しいと思います。

町並み、お住まいの地域とも似ているんですね。
シャッター街になってしまっている商店街もありますが、専門店が軒を連ねる光景も懐かしさがありますね。
活気ある商店街のある地域は、町全体も活気あるのだと思います。