【純喫茶ロンドン】燕市初の老舗喫茶でいただくナポリタンと特製プリンアラモード
この日のお昼兼夕食は、かねてよりお邪魔してみたいと思っていた燕市にある純喫茶ロンドンを訪ね、創業当初から半世紀にわたって変わらぬ、純喫茶ならではのメニューをいただいてきました。
まるで昭和にタイムスリップしたかのような空間広がる「純喫茶ロンドン」

今回お邪魔した「純喫茶ロンドン」は、新潟県央に位置する燕市燕地区の商店街の一角にあります。
付近には以前、商店街の顔としてオーバーアーケードがありましたが、老朽化のため10年ほど前に撤去され、歩道や街頭などが整備されて現在の姿になっています。
「燕」という地名にも大きく関わり、全国唯一の信州戸隠神社の正式分霊社である燕総鎮守「戸隠神社」と同じ並びに店舗はあります。
一方通行の道を戸隠神社まで行ってしまうと行き過ぎなので、一区画分ほど歩いて戻ってくると、そこだけ昭和に取り残されたかのような空間が目に飛び込んできます。
こちらがずっと訪ねてみたかった、昭和42年創業の「純喫茶ロンドン」です。

創業当時から一度も手を入れていないという店舗
店前に置かれた電飾スタンド看板や食品サンプルの雰囲気もあり、入店前から昭和レトロな雰囲気が何とも味わい深いお店です。
年季の入り過ぎた(笑)食品サンプルケースは通路側と入り口正面のニ箇所に設置
喫茶ロンドンが開店した昭和40年代初めの頃、燕市にはまだ喫茶店が無く、マスターは新潟市内まで修行に行かれたとのこと。世界的にも有名な洋食器のまち「燕」の喫茶ならではの洋食が、マスターの手によってここから始まったのだと思うと、焼けた食品サンプルもまた、有り難い歴史の生き証人のように感じられます。
長年ご夫婦二人三脚で営んで来られた喫茶店でしたが、この日の店舗入り口には「店主1人で調理接客していますので…」との貼り紙が。
実際には息子さん世代の男性が、マスターの補助をされながら営業されていました。
店内の様子

かなり薄暗い店内は(失礼)、ダマスク柄の壁紙と柱にあしらわれたピンクの照明が印象的。
店内のあちこちに飾られている絵画は、マスターのお母様が収集されたものだそうです。
4人掛けメインのボックス席は、通路を挟んだ左右に40席ほど設けられています。
革張りの椅子、天井の間接照明やお洒落な模様の床。初めて喫茶ロンドンを訪れた55年前の燕市民はさぞ、この設えにたまげた(ビックリした)ことでしょうね。
そして我が家が利用した店内一広い(多分)テーブル席の両隣には、70年代、80年代に流行した「スペースインベーダー」や「ギャラガ'88」といったシューティングゲームが、まだ現役(1ゲーム100円)で活躍しているという。
何処をどう切り取っても、昭和レトロ満載な喫茶店なのです。
半世紀以上にわたって愛され続ける喫茶メニュー

メニューは大まかに、フロート、軽食、フルーツ、季節ものデザート、コーヒー、フレッシュジュース、スカッシュ etc…。そして純喫茶ですけど、ジンフィズやコークハイなどのアルコール類も提供しています。
喫茶の王道ナポリタン

スパゲティ ナポリタン(スープ付 750円)
パスタでもスパゲッティでもなく、メニュー表にも幟旗にもそう書かれていたスパゲティ。「ミート」と「ナポリタン」の両者から私が選んだのは、喫茶店の定番メニュー「ナポリタン」です。

ウインナーソーセージもベーコンも両方入った贅沢仕上げ。彩りに2粒入ったグリーンピースが何とも昭和を感じます。

太麺を口の中に入れると、あの柔らかな食感に思わず「ムフッ」と笑みがこぼれてしまう。
ケチャップは酸味抑えめで、あとから何とも心地よい甘みがやってくるタイプでした。
特製プリンアラモード
喫茶ロンドンといったら季節限定(12月~6月)の「イチゴパフェ」も評判との予備知識があったので、私の当初の本命は「イチゴバフェ」だったのです。
けれど、いざ注文する段階でマスターが「今日はイチゴが無くて…」と仰っしゃるので、次に気になっていた「プリンアラモード」に変更でした。
本来、イチゴのシーズンにはアイスのトッピングに1粒イチゴがのるそうですが、この日はそのイチゴが無いわけで、「サクランボが2つになりますけど、それでも良いですか?」とマスターのご説明があり、納得したうえでの注文でした。

特製ロンドンプリンアラモード(800円)
この日のメインよりも高価なデザート(笑)。
実際問題、喫茶ロンドンで提供が始まった1974年(昭和49年)時のプリンアラモードも高価なメニューで、当初は注文する人も少なかったとか。
今は本格的なプリンアラモードが食べられるお店も限られますし、使い続けられてきた懐かしの器で提供されるのも貴重ポイントだと思います。
フレッシュなバナナ、キウィ、メロン、リンゴ。シロップ漬けのミカン、パイン、桃、サクランボ。盛りだくさんのフルーツにチョコレートソースのかかったアイスクリームと、自家製プリンがのってボリューム満点。
フルーツのメインがバナナにあるところも、提供が始まった時代背景を感じます。

そして特製ロンドンプリンアラモードは何より、提供当初から手作りにこだわる自家製プリンが決め手。
昔ながらの少しかためな食感で、カラメルもプリンも優しい甘さ加減に仕上げられています。
反面、使われているホイップクリームが甘みの少ないタイプなので、このボリュームでもペロッといただけました。
おしまいに
創業した1967年から殆ど変わらぬ店内で、半世紀以上にわたって守り続けられてきた味をいただけるのは、不思議とその間だけ時間の流れまでがゆっくりになったような、そんな錯覚もあって至福の時でした。
是非とも皆さんの脳裏に刻まれているノスタルジーともコラボさせ、昭和が生んだ懐かしのメニューを一緒に味わった気分を感じていただけたら幸いです。
なお、ネットなどでは深夜まで営業との情報が載せられていますが、2023年4月1日の時点で19時閉店となっていましたのでご注意ください。

こういう貴重なお店が末永く続いて欲しいと願いながら、店舗外のディスプレイの灯りが全て消された、初訪問の純喫茶ロンドンを後にしました。
ご馳走様でした。(Saturday, April 1, 2023)

純喫茶ロンドン
- 住所:新潟県燕市穀町3-1-1 ※Google mapへ
- 備考:1967年(昭和42年)創業
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