天狗(てぐり)の谷に咲く春の使い「水芭蕉」を見に行く|新潟市西蒲区
好天に恵まれ、ドーン太をいつものように砂浜ダッシュでストレス発散させた休日午後のこと。付近まで来ていたこともあり、その後は水芭蕉が見頃を迎えていると知った新潟市西蒲区仁箇の湿地へと向かってみました。
今はカーナビがあるので、大まかな情報だけで目的地に辿り着けて有り難いですね(笑)。
天然記念物である仁箇の水芭蕉自生地
個人が所有・管理している西蒲区仁箇の水芭蕉自生地は1960年(昭和35年)2月12日、新潟市の天然記念物に指定されています。

ミズバショウ(水芭蕉)はサトイモ科のミズバショウ属の植物で、わが国では本州中部以北日本海側の多雪地帯に多く、北海道、千島にも分布し、更に北のカラフト、カムチャツカ、ウスリーにも自生している。
現地案内板より
県内では主に落葉広葉樹林域(ブナクラス域)の湿地や山地の沢沿い、高山の湿地に自生しているが、ここ天狗(テグリ)の谷のように常緑広葉樹林域(ヤブツバキクラス域)の湿地(海抜8メートル)に自生しているのは珍しい。
このミズバショウ群落は、寒冷期に新潟平野一帯に分布を広げた群落が温暖化に伴い後退する過程でこの谷間に隔離的に残存したものと推察される。
この群落がこれまで残存できた要因は、夏でも涸れない湧水の流れと谷間周辺に生える樹木の木陰が陽性植物の繁茂を抑えてきたからと考えられる。
このミズバショウ群落の花の季節は3月末から4月の早春であるが、初夏の明るい水辺に咲き乱れる高原のミズバショウとは異なり、薄暗い谷間の水面に映える純白な仏炎苞の姿は静寂の中で幽玄な美を演出している。

天狗の谷に咲くサトイモ科の水芭蕉
ドーン太と行く水芭蕉自生地
水芭蕉自生地は、角田山麓にある仁箇堤から入った柿団地一角の「
せっかくここまで山道を登ってきたのに、ここから少しばかり谷底へと向かって下りて行くと(笑)、案内板の向こうに水芭蕉の群生を見ることができます。

谷底へと向かう道は地元の人たちの手によって整備されており、手すり付きの階段が設けてあるので快適です。

下りた先は狭い谷間の自生地。湧き水が流れる3,500㎡に水芭蕉が群生しています。
21,000㎡に約3万株が咲く五泉市の水芭蕉公園の規模にはかないませんが、山に抱かれたような静かな水辺にひっそりと咲く純白の花は、眺めているだけで最高の癒やしです。

花はここ!
水芭蕉というと、白い部分を花だと思っている人もあるかも知れませんが、実はこれは
本当の花は、白い苞に包まれてある棒状の部分。この上の方に小さなうす緑の花が密集しているのです。

中間地点付近

湧水に咲く
ショウジョウバカマ

水芭蕉とショウジョウバカマ

秋の名残りに訪れた春

群生
ドーン太も見惚れる!?

最奥部

花言葉は「変わらぬ美しさ」「美しい思い出」
おしまいに

水芭蕉を見に行く場所といったらこれまで県内の有名所ばかりでしたが、自分が知らないだけで、こんな風に穴場的なスポットがまだあるのだと知った天狗の谷の自生地でした。
目的地に至る柿畑の道は車のすれ違い不能な細道です。運転に自信のない方は麓の仁箇堤に車を止め、ハイキング気分で柿畑を眺めつつ山道を行かれるのが良いかと思います。

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