かめだ梅の花めぐり2023にて|新潟市江南区
「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、すっかり雪の解けた雪国ではこの頃になると気温の上昇とともに一斉に花々が咲き出し、そして一気に終わってしまいます。
花の見頃は思う以上に短いので、先に長岡市の妙法寺で雪割草をたのしんだ同じ日の午後、今度は新潟市江南区まで大きく移動し、亀田特産の藤五郎梅の花をたのしんできました。
新潟の梅といったら亀田特産の「藤五郎梅」と「越の梅」
新潟県内有数の梅の産地として知られる新潟市江南区の亀田地区は、新潟特産の「藤五郎梅」と梅干しにオススメの「越の梅」の発祥の地。梅の開花時期に合わせるように毎年3月中旬頃から、梅林の散策などがたのしめる「梅まつり」が催されます。
実は我が家、亀田の梅まつりを訪れるのも14年ぶり。駐車場が江南区役所との案内があったので向かってみると、区役所入口正面には亀田地区発祥の2種類の梅の木が移植保存されていました。
江南区役所前にある「越の梅」の原木(右)と「藤五郎梅」の古木(左)

越の梅原木に咲く花
栽培している9割は藤五郎梅

藤五郎梅の古木に咲く花
【藤五郎梅の歴史】
かめだ梅の花めぐり案内パンフレットより
江戸時代の終わり頃、旧亀田町荻曽根の青果問屋、宇野藤五郎が観賞用に植えていた梅の実を市に出したところ「果汁が多く、肉厚で大玉だ」と好評を博し、藤五郎梅と呼ばれるようになったと言われています。
また、現在の「藤五郎梅」は明治の終わりころに、宇野節次郎(屋号 藤五郎)が水戸から優良苗木を持ち帰り、選抜した品種とされ、この梅を新潟市内で売り歩くうちに、品質が特に優れていたため、時の県令がこの梅を「藤五郎梅」と命名したとされています。
昭和30年に果実酒が自由化され、梅がブームとなり県内各地で栽培されるようになりました。亀田では藤五郎梅を梅干、梅酒、梅肉エキス、梅シロップ、梅ゼリー、梅酢など様々に加工して利用しています。
亀田地区では約3,000本の梅が栽培されているとのことですが、栽培品種の9割が藤五郎梅になります。
「かめだ梅まつり」から「かめだ梅の花めぐり」へ
2001年から開催されている「かめだ梅まつり」。実は1990年代の頃、中国産塩漬け梅の輸入が急拡大したことで、日本の梅農家が大打撃を受けた時代がありました。そんなこともきっかけとなり、亀田の梅を多くの人に知って欲しいと始まったのが開花の時期にあわせた「梅まつり」です。
東日本大震災の影響で1度中止になった年もあったと記憶していますが、新型コロナの時代を経た近年「かめだ梅の花めぐり」と名称を変えて続く恒例のイベントです。
2本の保存木の横に案内パンフレットが用意されていましたので1枚頂戴し、ここにあるマップに従って14年ぶりに亀田の梅の花めぐりをたのしんでみようと思います。

かめだ梅の花めぐりは江南区役所をスタートし、亀田四ツ興野の通称「梅の里通り」を抜け、荻曽根を経由して再び区役所に戻ってくるという全長約1.8kmのコースです。
イベント開催期間中は「梅の路散策コース」の要所に案内板が設けられているので、これを頼りにマップと照らし合わせながら歩けば、土地勘がなくても迷子にならずに散策できます。
案内看板設置期間:2023年3月11日(土)~3月26日(日)まで
梅の花咲く路を行く

梅の路②付近の梅畑
「桃栗三年」といいますが、梅の木も植えてから3年くらいで収穫できるようになり、樹齢100年でも現役で実をつける寿命の長い果樹だといいます。

敷き藁によるマルチング
そして梅は専業ではなく、副収入として稲作と平行して行われている農家さんが多いようです。米の副産物として大量に出る稲藁も、梅の根を保温・保護し、雑草を防ぎ、自然の堆肥やぬかるみ対策にもなるアイテムになります。

梅の路③付近の畑

農家さんは働き者

民家の目の前に梅畑

青空をバックに梅花が映える

貸地の看板がある梅畑
貸し手が見つかったら、畑はやめてしまうということなのでしょうかね?
生産者さんの高齢化問題は何処も同じ。交通と生活利便のバランスの良い亀田の地は、宅地にしてしまえばすぐに売れてしまいそうに感じます。また、梅林周辺には新しい住宅が多く見られたのも、すでに農地を手放した姿を見てしまったかのようで寂しい限りでした。

梅の里通りの由来

写真の左右で花色に若干の違いがみえる畑

春陽に透けて

農耕車以外通行を禁ずるの畑
梅まつりの期間中は、普段なら立ち入れない梅畑が花めぐりのコースとなって通り抜けも可でした。

ドーン太のバックには数台の福祉車両が停まっていて、車内から梅の花をたのしむお年寄りたちがいらっしゃいました。

藤五郎梅

梅の里通り
途中、今どき珍しくなった外犬さんに遭遇!
お昼寝中だった柴犬さん。ドーン太連れなので反応して起きるかと思いきや、常にこの環境なのであまり動ずることもなく、唯一気になった(らしい)のは私のカメラのシャッター音。それでも鼻先で様子伺いするだけで、何とも肝っ玉の据わった番犬さんでした。

梅の路⑪まで来た~

五頭連峰らしき残雪の山と

梅畑の古木

咲く花は初々しい
江戸時代後期にまで遡る藤五郎梅の歴史。すでに樹齢100年を上回る梅の木も存在しているようです。
そろそろ見納め

江南区役所に戻るよ!
おしまいに

江南区役所前に咲いていた観賞用の梅
ポカポカ陽気もあって、柔らかな梅の花の香りに包まれながらの2km弱の散策は、春ならではの良い時を過ごせました。食用である藤五郎梅の花は園芸種のような派手さこそありませんが、淡いピンクや真っ白な梅の花は可憐であり、同じように梅花の美しさを堪能しました。
そして花が終われば次は実が成る。藤五郎梅の収穫は毎年6月中旬頃から7月上旬にかけて行われます。もう少ししたら実った青梅を見に、また訪ねてみたい亀田地区でした。
Tuesday, March 21, 2023|ドーン太 生後2,948日

梅まつり♪
いつもブログでお世話になっているKAWAさんの記事のなか、今週末から亀田では『梅まつり』が開催されると聞いていました。今日は午後から北方博物館まで出掛けたので、その帰り、ちょっと寄り道で『梅まつり』にも行ってみました...
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