attention admin about comments trackbacks you may also like

えちご雪割草街道「本山村田妙法寺」で出会った春の妖精たち2023|長岡市

2023年03月28日

お出掛け
16
自然 山歩き 8歳

雪がとけたら何になる?
きっと一般的な回答は「水になる」でしょうが、雪国に暮らす人の多くは「春になる」…と答えが返ってくるのかも知れません。

週末はまた雨予報だったので、この日を逃しては今年は春の妖精(スプリングエフェメラル)たちに出会えないかも!?と、彼岸の中日の墓参りを済ませたあと、ここ15年ほどお邪魔している城山に雪割草を求めて出掛けてきました。

えちご雪割草街道

厳しく長い雪国の冬を耐え抜き、春の訪れを告げる花として愛好家も多い雪割草。新潟県は雪割草の品種の一つ「オオミスミソウ」の国内最大の自生地であり、雪割草は2008年(平成20年)に「新潟県の草花」に指定されています。

えちご雪割草街道は、雪割草の自生地を保護・公開している長岡市内4つの花場(大崎雪割草の里・雪国植物園・国営越後丘陵公園・本山村田妙法寺)を結んだもので、国内最大クラスと称される群生地での開花リレーをたのしむことができます。

我が家は今年もこの中から、鑑賞ルートが整備されて犬連れでもOK、軽いトレッキング感覚で散策できる長岡市村田に位置する妙法寺裏手の城山にお邪魔してきました。

村岡城址に自生する雪割草

村田にある法王山妙法寺は、徳治元年(1306年)に大成弁阿闍梨日昭上人を開祖とし、越後南朝方の武将として活躍した風間信濃守信昭公によって開創された日蓮宗のお寺です。

妙法寺の裏手には南北朝時代の初め頃に築かれた「村岡城」があり、城主は風間信濃守信昭公の弟・村岡三郎氏でした。和島地域周辺を領した村岡三郎氏は妙法寺の檀那でもありましたが、次第に南朝軍(新田氏)が劣勢となって村岡城も廃城となります。廃城後の安永5年(1776年)になると、麓にあった妙法寺を城址の中腹に移して現在に至ります。

妙法寺裏山の村岡城本丸周辺や、日蓮上人が佐渡に流罪になった際に寺泊まで通られたという道には、およそ30万株という雪割草をはじめとした春の妖精(スプリングエフェメラル)が自生しており、寒さで縮んだ私たちの心身をパッと解きほぐしてくれます。

村岡城址実城大手道に立つドーン太

ドーン太が立っているのは、実城直下にある往時の大手道です。
写真左側の斜面上が現在「山王台」とも呼ばれる実城部になりますが、今シーズンは見頃の良い時期に訪れたため、花のある場所にロープが張られて保護されていました。

村岡城址大手道に咲く紫色の雪割草
村岡城址大手道の雪割草の群生
村岡城址大手道に咲く薄ピンクの雪割草
村岡城址大手道の雪割草群生
村岡城址大手道に自生するピンクの雪割草
村岡城址大手道に自生する薄ピンクの雪割草
村岡城址大手道に咲くピンクの雪割草の塊

山王台に向かう前にもう、こんなにも様々な雪割草が群生しているのを見ることができるのです。

白いキクザキイチゲとドーン太

違う花も咲いてるよ

白いキクザキイチゲと並ぶドーン太
キクザキイチゲ
キクザキイチゲの群生
村岡城址大手道にいたトカゲ

大手道に残る土塁跡付近では、こちらも春の妖精といわれる花の一つ「キクザキイチゲ」が群生していました。
開花の時期が読めずに悔しい思いをする年も少なくないのですが、今年ばかりは色々とドンピシャだったようです。

山王台(村岡城本丸)にて

村岡城址碑とドーン太

本丸跡には城址碑と、日本海を望む場所に東屋が設けられています。

村岡城址実城に咲いていた雪割草

山王台に自生する雪割草

実城部に咲いていたオウレン

山王台に咲いていたキクバオウレン

お天気も抜群に良かったので、山頂部からは日本海と佐渡、残雪の金北山までがクッキリと望めました。

村岡城址の東屋 東屋とドーン太

山頂でドーン太の記念撮影をしていると、何だか東屋の中が賑やかで…

妙法寺cafeと素敵な出会い

実は私たち、ここに至る山道の途中で一人の男性を追い抜いて来ていたのですが、その男性が山頂部に到着して間もなく東屋にオープンしたのが「妙法寺cafe」でした。

「これから用意しますから、どうぞお茶を飲んで行ってください。」と声をかけていただいたので話を聞くと、Yさんと仰っしゃるその男性は地元和島の方で、妙法寺の雪割草を守っておられるボランティアのお一人とか。お天気も良くて花見客も多いので、ご自分がおもてなしをするからと山を登って来られたのだそうです。

まさかここでお茶をご馳走になるなら、息を切らしながら登っていたYさんの手にあった、重たい水の入った容器を持ってあげたのに…。

東屋で開いていた妙法寺cafeの看板
Yさんが運んできたおもてなしグッズたち
和島の水を小鍋に入れるYさん
日本海をバックに東屋で湯沸かし中
急須に湯を注ぐYさん
いただいたお茶の香りをかぐドーン太

「和島の水は日本一美味しいですよ。」と言いながら、Yさんが淹れてくださったお茶で一服。
眺めの良い場所で、温かい人情に触れながらいただくお茶は格別でした。

そしてお茶飲み話の中で、これまで行ったことの無かった方面にも雪割草が群生しているという、地元住民ならではの有り難い情報を教えていただきました。

山王台で休憩中のドーン太

お茶を飲み終わったら
新しいポイント目指してもう少し歩くよ!

Yさんオススメの群生地へ

妙法寺に自生する雪割草

「ここから10分くらい歩くと…」とYさんが仰っていた群生地に向かう道のあちこちにもう、山王台周辺よりも多くの雪割草の姿があってビックリでした。

似ているように見えて花色や花びらや葉の形、雄しべの色合いや形など、みんな個々に違っているのも雪割草ならでは。

村岡自生雪割草
薄紫色の雪割草
真っ白な一輪の雪割草
ひっそりと咲く雪割草
咲き始めの白花雪割草
淡いピンクの雪割草
淡いピンクの雪割草群生
白い雪割草の群生
淡いブルーの雪割草
自生なのに八重らしき雪割草

園芸種ではないのに、八重っぽく見えるのは目の錯覚?…と思いながら歩いていたら

八重っぽい雪割草の花

明らかに八重の雪割草を発見。これは嬉しい変異株…ですね(笑)。

淡いブルーのキクザキイチゲ

そして、再び出会ったキクザキイチゲは淡いブルーの色合いでした。

パッと開いて咲くカタクリ
逆光に咲くカタクリ
花びらがまん丸になったカタクリの花
カタクリと蜘蛛の糸

カタクリ

カタクリと白いキクザキイチゲのコラボ

カタクリとキクザキイチゲ

カタクリと雪割草のコラボ

雪割草とカタクリ

村田に咲いていたショウジョウバカマ 逆光に咲くショウジョウバカマ

ショウジョウバカマ

キクザキイチゲ、カタクリ、ショウジョウバカマ。これらも雪割草同様に代表的なスプリングエフェメラルです。

雪割草群生地に立つドーン太

Yさんに教えていただいたポイント周辺からは、また保護用のロープがありました。

群生して咲く白い雪割草

花は遠くなってしまうのですが、人が足を踏み入れない場所にひっそりと咲く雪割草は、まさに妖精のようでした。

白い雪割草
淡い紫の雪割草
淡いピンクの雪割草
淡いピンクの雪割草横から
淡いブルーの雪割草

今まであまり見たことの無かった花色に出会いました。

杉の葉の間から顔を出す白い雪割草
ブルー系の雪割草
見事に群生した雪割草
淡いピンクで群生している雪割草
村田に自生する淡いピンクの雪割草

軽く1時間半の山歩き。
今年も春の妖精たちの自然のままの姿を、心ゆくまで堪能しました。

おしまいに

濃いブルーの雪割草

地元にお住まいのYさんのお陰で、15年来通う山で新しい発見のあった今回の妙法寺散策。以前は人に教えたくない雪割草の自生地でしたが、今は長岡市が春の観光スポットとして積極的にPRしているので、この時期の登山客も随分と増えましたね。

日蓮宗の我が家がお彼岸の日に、妙法寺から聞こえてくる馴染み深いお経を聞きながら雪割草を愛でることで、思いっきり春を実感できた日になりました。

3歳♂のボーダーさんとドーン太

私たち飼い主はYさんとの出会いで充実した山歩きになりましたが、ドーン太の新しい出会いは私たちよりも先で、山に入る直前に出会った、他犬の空似でまるで合わせ鏡のような3歳♂のボーダーさんでした(笑)。

また何処かで再会できるといいね、そっくりさん!

村岡城址雪割草の幟旗とドーン太

Tuesday, March 21, 2023|ドーン太 生後2,948日

関連する記事
そふぃあ
Posted by そふぃあ
ご訪問ありがとうございます。管理人の体験談を心のままに綴ったブログです。
話題に時差あり、脱線もあり、時に辛口意見もございます。
私感強めな内容ですが、長年積み上げてきた情報満載!何かのお役に立てたなら幸いです。
※撮影した写真の著作権は放棄しておりません。画像のお持ち帰りは固くお断りいたします。

更新通知で新しい記事をいち早くお届けします

コメント(16)

There are no comments yet.

マクノスケ  

2023/03/28 (Tue) 16:37

素敵な出会い!

ドーン太くんのそっくりさんの登場にビックリ!
似てますねえ~~!!
そしてYさんと出会えて本当にラッキーでしたね。
思った以上の雪割草を堪能出来て良かったですね。
本当に妖精のように可憐で美しいです。
色もこんなに種類があるなんて知りませんでした。

NOB  

2023/03/28 (Tue) 19:08

>雪がとけたら何になる?
♪雪が解けて川になって流れて行きます。(笑)

花の名前を知ってると写真撮ってても楽しいだろうな!
カタクリって実物見た事ないんですよね!
羨ましい!

春ですね!

さえき奎(けい)  

2023/03/28 (Tue) 22:47

No title

雪割草のカラーバリエーション、楽しませてもらいました。

>山王台に自生する雪割草

私は、この高貴で控えめな色合いに一票です(笑)。

Dawn太君の他犬の空似さん、よく似ていますね。
こういうことってありますよね。
ワンコではないんですが、滝屋専門にやっていた頃、他沢の空似の滝のそっくりさんによく出会いました(笑)。

torikera  

2023/03/28 (Tue) 23:43

こんばんは!

「雪割草街道」初めて聞きました!
しかも、素晴らしいですね。
自生地ですか。(*^^*)

写真がまた素敵。本当にいつもキレイな写真に心が癒されます。
お見事です。

こんな場所が近くにあったらいいなぁ(^▽^;)
羨ましいですね!

そふぃあ  

2023/03/29 (Wed) 09:40
そふぃあ

To マクノスケさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

山に入ろうとしていきなりそっくりボーダーさんに会ったので、一気にテンション上がりました。
一昔前に比べたら遭遇率も知名度も上がったボーダーコリーですけど、こんな風に偶然に出会うと嬉しくなります。

雪割草は山頂部に群生しているとばかり思っていたので、ちょっと足を延ばすとこんなにも咲いているとは知りませんでした。
やはり地元の人の存在はありがたい。

雪割草は意外と簡単に変異するようで、同じ株が2つと無いとも言われます。
見頃だったこともあって、いろいろな花に出会えて良い日になりました。

そふぃあ  

2023/03/29 (Wed) 09:44
そふぃあ

To NOBさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

あっ、そうだった!
雪がとけたら…は、あの有名な曲にも歌われていましたね。
川になるんだから、やっぱり雪がとけたら「水」という考えに近いですよね。

春の山野草は、山歩きをしながら覚えました。
毎年恒例の花たちですからね。
春の妖精と言われるだけあって、この花たちを見ていると、もう雪の心配がないという開放感のようなものがありますよ。

そふぃあ  

2023/03/29 (Wed) 09:48
そふぃあ

To さえき奎さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

昨年は雨が降り出しそうな日に入山したのですが、今年は晴天で満開の日だったので、いろんな花色の雪割草を見つけることができました。
淡い花色も様々ですし、日の当たり方でも印象が違ってきます。
今年はブルー系の雪割草にも出会えて、今まで知らなかった方面の群生を見られて何よりでした。

生き物でなくて、景色の中にもデジャブのようなものってありますね。
そっくり滝、2つ並べて見比べてみたくなりました。

そふぃあ  

2023/03/29 (Wed) 09:53
そふぃあ

To torikeraさん

こんにちは。
コメント&拙い写真をお褒めいただきありがとうございます。

新潟の日本海に近い山の中には、こんな風に雪割草の自生地が存在しています。
自生の雪割草は園芸種のような華やかさはないですが、春を待って一斉に開花する姿は清楚で可愛いです。

冬の間は外遊びも限られてしまいますので、雪の心配がなくなって雪割草の咲き出す頃がたのしみです。
花が見たくて山歩き。
心身ともにリフレッシュできる瞬間です。

徳川たぬこ  

2023/03/29 (Wed) 11:53

No title

お久しぶりです
「雪が溶けたら川になる」と答えてしまう、昭和全開のわたくしです(出典:キャンディーズの春一番)

雪割草、なんと可愛い花でしょう˖✧
素晴らしいお写真の数々で癒されました、ありがとうございます˖✧
ステキな風景の中で飲むお茶は格別だったでしょうね(*´艸`*🍵

れもん  

2023/03/30 (Thu) 05:07

おはようございます。

雪割草にもいろいろなバリエーションがあるんですね。
可憐なお花が多い印象、カタクリの花は初めましてで興味深く見させていただきました。

そふぃあ  

2023/03/30 (Thu) 08:24
そふぃあ

To 徳川たぬこさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

昭和は遠くなりにけり…。
私もしっかり昭和世代(笑)春を代表する懐かしの名曲ですね。

春の妖精の言葉通り、地面からヒョコッと咲いているような小さな花が雪割草です。
これだけ群生ていていると圧巻ですし、出会う花にも一期一会を感じます。

コロナが続いて、人に対する「おもてなし」も無かったここ数年ですけど、こんな風に自然と人に触れ合える時間が戻ってきて、清々しい気持ちになれた山歩きでした。

そふぃあ  

2023/03/30 (Thu) 08:27
そふぃあ

To れもんさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

雪割草は清楚な花です。
自然界にあっても時々変異的な花が出るくらいで、容易に改良できるので園芸種はもっと華やかですよ。

カタクリも春の山歩きには付き物の花です。
うつむき加減に咲く様子が可愛いのですが、たくさん咲く地域の道の駅などでは、食用として販売していたりもします。

駐在おやじ  

2023/03/30 (Thu) 10:09

雪割草って 色々あるんですね~~~~~
納得です ^^ 白くてかわいい花 ってイメージでしたか こんなに種類があるとは思ってませんでした。
とってもきれい ^^ 

雪が解けたら 春になる
いい言葉ですね

  駐在おやじ

そふぃあ  

2023/03/30 (Thu) 14:48
そふぃあ

To 駐在おやじさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

同じ花が2つと無いくらい、散策しながらいろいろな雪割草を目にできるので、時間が経つのもあっという間でした。
いつもは白や淡いピンクが主体でしたが、今回はブルー系が綺麗で印象的でした。

雪割草を見て春を実感できるのも、雪国ならではの醍醐味かも知れません。
雪が多くてうんざりな年もありますので、この花が咲くのを心待ちにしている人も多いと思います。

うしかい座  

2023/03/30 (Thu) 20:09

こんばんは。

雪割草の色と形のバリエーションは見事です。
八重に変異したのは、面白い形ですね。
カタクリもショウジョウバカマも咲いて、すっかり春の装いに見えます。
そろそろギフチョウが飛び始めそう。

Dawn太君のそっくりさんは、本当によく似ていています。
宙に浮いていますね。
どちらも運動性能がよさそうです。

そふぃあ  

2023/03/31 (Fri) 09:36
そふぃあ

To うしかい座さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

雪割草の園芸種は八重もあり、花色も濃いものもあって華やかですが、自生種の中にも八重になる花があり、今回の散策は新しい発見も多かったです。

一斉に開花しますから、雪解けをたのしみにしている植物は雪割草だけじゃないのも、春の山歩きの醍醐味です。
今回出会った生き物はトカゲだけでしたが、花に蝶の舞う姿も早く見たいものです。

麓で出会ったそっくりさん。
お里は同じでは無かったのですが、関東方面から迎えたボーダーさんだそうで、何処かで先祖がつながっていたかも…知れません。
顔つきや体型だけでなく、飛び上がって挨拶する行動までよく似ていました。(笑)