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「長岡藩主牧野家ゆかりのおひなさま展」にて|長岡市立科学博物館

2023年03月16日

お出掛け
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イベント 歴史探訪 ミュージアム 博物館

「長岡藩主牧野家ゆかりのおひなさま展」が2023年2月17日(金)から3月12日(日)まで、さいわいプラザ1階にある長岡市立科学博物館の企画展示室で開催されていると知ったので出掛けてきました。

長岡藩主牧野家ゆかりのおひなさま展2023

牧野家は1618年から明治維新までの250年余、長岡藩主として長岡の地を統治した大名家です。

展示が行われた長岡市立科学博物館の名誉館長である牧野忠昌氏は長岡藩主牧野家17代当主でもあることから、長岡の文化を伝えるため同市内で行われる「越後長岡ひなものがたり」の開催にあわせ、牧野家に伝わる雛人形などが長岡市立科学博物館でも毎年少しずつ一般公開されてきました。

長岡市立科学博物館企画展示室入口の様子

牧野家に代々伝わる雛人形は嫁いで来られたお姫様やその姉妹、さらには母君、祖母君ゆかりの品々で、古いものは江戸時代後半の頃、新しいものでも100年程前に作られたという17代当主のお母さまのお品になります。

2023年度の「長岡藩主牧野家ゆかりのおひなさま展」では、およそ100点の人形が同館企画展示室に並びました。

なお、入館の際に受付の方に尋ねたところ、展示品はフラッシュ無しなら撮影OKであると仰って下さいましたので、ここに写真掲載させていただきたいと思います。

正面展示

企画室正面展示の様子

有職雛

牧野家に伝わる有職雛

牧野家に伝わる有職雛

牧野家に伝わる有職雛のアップ

有職雛ゆうそくびなとは、公家の着る装束を正しく考証して作られた雛人形のことをいいます。

ここに展示されたのは100年ほど前のもので、17代当主の母・牧野元子はつこさんが、宮中装束着付けの家元である高倉家から嫁がれた際に持参したものです。高倉雛や山科雛とも呼ばれ、江戸時代中期頃、有職の家柄であった高倉・山科の両家で調えられたものです。

牧野家に伝わる有職雛のお道具

内裏雛横のお道具:犬筥、煙管・煙草盆、御殿火鉢、高杯、ぼんぼり

雛掛け軸

牧野家に伝わる雛掛け軸

蒔絵が施された精巧な雛道具

牧野家に伝わる精巧な雛道具の数々

▲衣桁、手拭掛、鏡建、柄鏡、鬢台、手洗、耳盥・輪台・渡金、歯黒箱、湯桶

▼御花衣桁、煙管・煙草盆、書棚、机、料紙箱、文箱、硯箱、長持、箪笥、脇息など

牧野家に伝わる雛道具と屏風
牧野家に伝わる雛道具の箪笥と屏風など
牧野家に伝わる雛道具の茶釜など
牧野家に伝わる精巧な細工の施された雛道具の御花衣桁

大きさにしたら手のひらサイズ、指先サイズのお道具たちですが、蒔絵が施されて精巧な作りの品々があまりにも素晴らしく、しばし動けず、ただただ見入ってしまいました。

側面展示

企画室側面展示の様子

押絵雛

牧野家に伝わる押絵雛

作者名入りの押絵雛

貝合わせ

牧野家に伝わる貝合わせ全景
牧野家に伝わる貝合わせに描かれた絵
牧野家に伝わる7枚の貝合わせ
牧野家に伝わる貝合わせ

段飾り

牧野家に伝わる雛人形

二対の内裏雛がある段飾り

向かって左側の内裏雛

向かって左側の内裏雛

向かって右側の内裏雛

一緒に飾られていた紅白の衣装をまとって迦陵頻を舞うような姿の人形

一緒に飾られていた迦陵頻(?)を舞う人形

押絵雛ほか

牧野家に伝わるウサギの掛け軸

干支の掛け軸

牧野家に伝わる人形の数々

お人形の数々

牧野家に伝わる押絵雛の女雛

今回の展示の中には、越後長岡藩第12代藩主・牧野忠訓ただくに公の正室であったつね姫(牧野忠恭の次女・彜子)が作った布製の押絵雛も展示されているとのことでした。私は作者名の無かったこちらがそのお品でだったのでは…と思いながら拝見しておりました。

牧野家に伝わる押絵雛や掛け軸など

おしまいに

今まで雛人形というと、柔和なその表情や着ている衣装の豪華さばかりに目が奪われがちでしたが、今回ばかりはスモールライトで小さくなって実際に使ってみたいような、豪華で精密なお道具の数々に魅了された自分がいました。指先ほどの小さなお道具一つからもその時代背景や暮らしぶりまでが見えてくるような、華やかで春を感じる企画展だったと思います。

本年度の牧野家のお雛様展示はすでに終了していますが、さいわいプラザ3階には「長岡藩主牧野家史料館」も併設されています。長岡城の復元模型や牧野家ゆかりの資料展示を拝見しつつ、さらに長岡のお殿様を身近に感じるのもオススメです。

長岡市立科学博物館も長岡藩主牧野家史料館も、ともに入館料は無料となっています。
私もまた時期をみて、長岡の歴史を学びにさいわいプラザにお邪魔しようと思います。(Sunday, February 26, 2023)

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そふぃあ
Posted by そふぃあ
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コメント(8)

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さえき奎(けい)  

2023/03/16 (Thu) 23:41

大変興味深いレポートでした。

>牧野家に伝わる有職雛

名家、大名家の雛飾りであってもこういう感じだったのですね。
でも、大変美しく調和が取れていると思いました。
今の七段飾りとか、あろうことに「五歌仙」などという何の根拠もない一段を加えた八段飾りなど、単に「売らんかな」だけの商業ベース的な虚像でしかないという証ですね。

そふぃあ  

2023/03/17 (Fri) 08:50
そふぃあ

To さえき奎さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

お雛様を見ていると、時代の流行りのようなものも色濃いですね。
江戸初期の頃は内裏雛だけのスタイルが主流だったでしょうから、段飾りに2つの内裏雛を飾るような展示になったのだと思います。
ただ、小物類に関しては目を見張る豪華さを感じました。

豪華7段、8段飾りの時代も、今の住宅事情とともに減ってきたと思います。
今はすぐに飾れてすぐに仕舞えるコンパクトなものや、室町時代のような立ち雛も人気だそうです。

torikera  

2023/03/17 (Fri) 11:41

こんにちは。

素敵なお雛様の数々、きれいな写真でご紹介いただきありがとうございました。
雛祭りという、文化の広さと深さを感じさせる展示品の数々とても魅力的ですね。

最近、我が家も終活で、古い雛人形や五月人形を片付けていますが、こういう文化はこの先どうなっていくのでしょうか。考えさせられてしまいました。(^▽^;)

駐在おやじ  

2023/03/17 (Fri) 11:49

持ってこられたという事は 実は作られたのはもっと昔なのかもしれませんね
(持ってくるときに 作られたのかもしれませんんが ^^)

やはり 昔のお金持ちって 凄いんでしょうね
こんな精工な人形 今作ったら 凄い金額になるのでは? って思います

ひな人形 うちには女の子が居ないので 縁がなかったですが
良いもの見せていただきました ^^

  駐在おやじ

そふぃあ  

2023/03/17 (Fri) 15:20
そふぃあ

To torikeraさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

拙い写真で失礼しました。
県内のひな巡りイベントで様々なお人形を拝見しますが、上流階級のお雛様は内裏雛だけでなく、お道具までもが細かい細工で驚きます。
毎年展示が変わるのも、数多くのお人形を所有されているからだと思い、惜しげもなく見せていただけるのは本当にありがたいことだと思います。

私は今の家に引っ越して1年ちょっとになりますが、少し早い終活と思って、この先使わないものはかなり処分してきました。
長女のお雛様は持参しましたが、私の七段飾りは処分しました。
あるところにある。今度は時期が来たらそれを見に行く感じですかね。

そふぃあ  

2023/03/17 (Fri) 15:25
そふぃあ

To 駐在おやじさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

牧野家17代当主は現在80歳を超えてらっしゃいますから、そのお母様のものだと百数十年といった計算になりますよね。
人形の姿やお顔にも時代が現れると思いますが、全く古臭さを感じない気品あるお顔の内裏雛だったと思います。

お道具はすごく小さいものですけど、多分、引き出しもリアルに開閉するのだと思います。
細かい作業が得意な日本人らしくもあり、驚くべき技術を持った人たちがいたのだと思いました。
まさに贅沢の極みですね。

うしかい座  

2023/03/19 (Sun) 18:35

こんばんは。

精巧にできた小物類は見ごたえがありそうで、さすがという感じがします。
布製の押絵雛も凝った作りですね。
確かにこれは姫様作ではないかと感じられます。

そふぃあ  

2023/03/20 (Mon) 10:00
そふぃあ

To うしかい座さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

今回はお人形よりも、その小道具に目が行ってしまう展示でした。
実際に見てみると、手描きされた模様の繊細さに本物を感じますよ。

展示物にほとんど解説がなかったのが残念でしたが、消去法で布製の押絵雛が12代藩主の奥方作だったのだろうと思いました。
人形は作った人に似るといいますから、彜姫さまも整ったお顔立ちをされていたのでしょうね。