ローストビーフの贅沢まぜそば【麺屋あごすけ】上越市|酒蔵×愛麺会「雪むろ酒かすラーメン第五章」Part4
上越市の新名物となり、冬から春にかけてのこの時期限定で提供される「雪むろ酒かすラーメン」。
本年度はここまでで3店舗の食べ歩きをしてきましたが、こちらのお店を外すわけにはいかないでしょう!と、上越屈指の行列店「麺屋あごすけ」を1年ぶりに訪ねてきました。
【酒蔵×愛麺会】雪むろ酒かすラーメン第五章
今シーズンで5回目の開催となる、上越市内20店舗の飲食店と上越・妙高地域13の酒蔵がコラボした「雪むろ酒かすラーメン」については、初回訪問記に詳細がありますのでそちらをご覧ください。

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上越愛麺会会長が営むミシュランプレート掲載店「麺屋あごすけ」

「雪むろ酒かすラーメン」を主催しているのは、上越をラーメンで盛り上げようと立ち上がった市内飲食店による地域活性化団体「上越愛麺会」です。その会長を務められているのが、この度お邪魔した「麺屋あごすけ」のご店主・月岡氏なのです。
月岡氏のご実家というのが、糸魚川市にある老舗中華店である「月徳飯店」で、こちらのお店もご当地グルメ「糸魚川ブラック焼きそば」の開発に携わった飲食店の一つです。活躍する地域は違えど、地元のために尽力されているという意味では同じ名店同士であるといえます。
料理人の家庭に育った月岡氏もまた、東京に出て10年ほど中華の修行をされていました。ところが、佐渡の焼きあご(あご=トビウオ)に出会って以来すっかり魅了され、そこから独学でラーメンを研究するようになり、現地に「麺屋あごすけ」を開いて早20年余になります。
我が家の「麺屋あごすけ」初訪問は2010年春のことで、当時からすでに1時間待ちは当たり前の行列必至の人気店でした。ミシュランガイド新潟2020では星獲得までには至らなかったものの、ミシュランの基準を満たしている料理を提供する店として「ミシュランプレート」にも掲載されている上越屈指の名店です。
目的がはっきりしていたこの日は、夜営業開始の25分ほど前に到着することができました。この時間であってもすでに10数名が開店待ち。
店舗外側に巡らされている風除室で順番待ちしていると、「仕込み中」だった看板が「よってかんかね(=よって行きませんか)」に返って夜営業の開始となりました。
メニュー
「医食同源」をモットーに、焼きあごと金華ハムで贅沢にとったスープが自慢のあごすけラーメン。主軸になっているメニューは通い始めた当初から同じ名が連なっていて、いつ来てもブレない印象があります。反面、個性を感じる期間限定メニューもあるので、定番にするか今だけ提供の味にするか、迷うたのしみもあるメニュー構成です。
「雪むろ酒かすラーメン」に関しては案内係が事前に口頭で説明する程度で、あえてメニュー表に記されているようなこともありませんでした。
店内の様子

厨房前にL字型のカウンター席と、風除室のある通路側にテーブル席が並ぶ店内。初訪問の頃から変わらぬ落ち着いた雰囲気があります。
厨房前の棚には、焼きあごや薬膳食材がディスプレイされ、そこに「つきとく」と書かれたご実家の丼がお守りのように並んでいるのが印象的です。
いまだコロナ禍にあってスッキリとした卓上。お冷の代わりにウーロン茶が提供されるスタイルもあごすけさんが初めてのことだったので、当初の私は、行き届いた丁寧なサービスの数々に感心しきりだったものです。
夜営業が開始になると最初の回で席に案内されましたが、先客が10数名ほどあったので、我が家の料理は20分くらい待ったところで提供されました。
代々菊醸造×麺屋あごすけ「ローストビーフの贅沢まぜそば」

ローストビーフの贅沢まぜそば(1,200円)
麺屋あごすけが提供する「雪むろ酒かすラーメン」は、上越市柿崎区にあって天明3年(1783年)創業とつたわる老舗酒蔵「代々菊醸造」とコラボした、夜限定、数量限定、大盛り無しの一杯。100円増しの「贅沢つけそば」も用意されていました。
代々菊醸造の代表銘柄である「

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▲この牛ひき肉入りの酒かす肉みそに、代々菊醸造の酒かすが使われています。
ちなみに12月中は、同じ柿崎区にある「頸城酒造」の酒かすを使用されていたようです。

酒かす入り牛肉みそのほかは、ローストビーフ、フライドガーリック、フライドオニオン、カイワレ、レモン、かんずり、青ネギ、赤キャベツの甘酢漬けといったトッピング。
4日間かけて作ったという、しっとりと柔らかなローストビーフが4枚ものったイベントならではの贅沢感。

麺は新潟県産小麦の全粒粉を使った食べ応えある特製の太麺。牛オイルと醤油の濃厚甘ダレが絶妙な味加減で、まずはそのまま太麺にタレをまとわせて小麦の味をたのしみます。
そこに、圧倒的な酒かす感ある酒かす肉みその甘味だったり、かんずりの辛さだったり、フライドニンニクとオニオンのパンチある風味や食感など、食べる場所によって複雑に味変していくのがまたたのしい。あまりにも味が複雑過ぎて、未熟な私には表現できないのですけど、とにかく食べたことのない味なので夢中になって食べていました。
牛オイルがクドいようなことも無いのですが、レモンや赤キャベツにある酸味が加わると、後半もサッパリとした印象で食べ進められます。

別皿の毛沢東スパイス
トッピングに見える赤い「かんずり」は、妙高市が誇る唐辛子発酵調味料です。それだけでも適度な辛味をつけてくれますが、さらに辛さをプラスできるよう別皿で、唐辛子などのスパイスを混ぜて作った「毛沢東スパイス」が提供されました。
四川料理と並んで辛味が強い湖南料理は、たっぷりと唐辛子を使った料理が多いのが特徴です。湖南省出身の毛沢東がスパイスを多く使った湖南料理こよなく愛したことから、スパイスにもその名が残されているのです。
提供された毛沢東スパイスは思うよりも激辛でなく、さらにスパイシーな辛さとザクザク食感をプラスするアイテムに仕上がっていました。
そういえば食べるラー油が大ブームになった頃、あごすけさんでも自家製ラー油が提供されるメニューがありましたっけ。今回の毛沢東スパイスは私にとって初めて口にする、汁気の無い湖南の辛味アイテムでした。
おしまいに

どんなにたくさんの食材を盛り合わせても、ちゃんと味がまとまるところにミシュランプレート掲載店の素晴らしさを感じた、麺屋あごすけが提供する「ローストビーフの贅沢まぜそば」でした。
行けば必ず行列待ちのあごすけさんですが、たまに並んででも食べたくなる店でもあり、行けば必ず新しい発見もある名店だと思います。
なお「雪むろ酒かすラーメン」の提供は4月中旬まで行われていますが、麺屋あごすけでの「ローストビーフの贅沢まぜそば」と「贅沢つけそば」の提供は、2023年2月末日を持って終了していますのでご注意ください。
ご馳走様でした。(Saturday, February 25, 2023)

麺屋あごすけ
- 住所:新潟県上越市大字下門前1650 ※Google Map
- 備考:2002年3月12日OPEN

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