燕背脂中華のご当地に新風を吹き込む【中華蕎麦おか部】鶏清湯中華が看板メニューの美麺店|燕市
新潟県内には「五大ラーメン」と呼ばれるものが存在しますが、近年はその地域にも都会の伊吹を感じるような、見た目から綺麗なラーメンをウリにする店が増えている気がします。
昨年夏、県央地域に誕生した「中華蕎麦おか部」もそんな店の一つ。背脂中華をご当地麺にもつ燕市に、淡麗鶏スープの美麺というスタイルをもたらした中華蕎麦おか部は、開店当初から地元メディアにも度々取り上げられる注目のラーメン店です。
燕市に誕生した鶏清湯ラーメンの店「中華蕎麦おか部」
燕市に2022年8月30日にオープンした鶏清湯が看板の「中華蕎麦おか部」。
場所は、燕三条駅の燕口から車で約5分ほどの距離にある「県央ヒルズ」内。店の両サイドには「YUZURIHA燕三条店」「備長串焼きとりこう県央店」といった飲食店があり、以前、創作和食の店舗であったところに入っています。
駐車場は共有になりますが、20台程度は止められる広さがあると思います。

店舗は和のテイストを取り入れた上品な佇まい。
実は100数十m先の同じ井土巻地内に、こちらも燕市内には珍しい二郎インスパイア系の人気店「麺豪 織蔵」があるのですが、そこの岡部さんが開いたお店なのでこの店名だとか。
あちらはガッツリ系の濃厚豚骨スープ、こちらは清楚な淡麗系の鶏スープ。まさにラーメン界の二刀流といったところでしょうか。

午後6時開店の夜の部開始に少し出遅れてしまい、午後6時半の初入店。
すでに行列必至の店なので少し待つのを覚悟していましたが、ちょうど寒波がやって来ていた頃だったので、夜営業はさほど混んでいなくてスムーズに入店できました。
メニュー

中華蕎麦おか部は、醤油味の「中華そば」と「塩そば」の二枚看板。
味玉付きや、味玉プラス4種類のチャーシューが別皿で提供される特製もあり、たっぷりチャーシューを堪能したい肉好きさんにも応えられる内容となっています。
いつもの麺大盛!がない変わりに、おかわり麺として替え玉や和え玉が用意されているのも、県央地域のラーメン店には珍しいスタイルだと思います。
メニュー表は店舗入口に用意されているもののみ。
入店前に大まかなメニューを決めておき、店内入ってすぐにある券売機で発券するかたちになります。
メニューが絞られているので券売機のボタンの数も少ない。
先にメニューを決めてありますし見たまま押せるので、ここでモタモタと迷う心配がないですね。
店内の様子

店内は厨房前にL字型のカウンターで9席とシンプルな造り。
配膳用に敷紙が使われているなど、入店した最初の印象が「あっ、〇ノ〇そっくり!」だったのですが、今時流行りのオープンキッチンながら、調理中のパフォーマンスを見せるような対面式では無かったところが、私的にはちょっと残念でした。

それにしても、デザインから施工まで同じ会社に発注すると、こんなにもそっくりなテイストになってしまうものなんですね。
いや、ご店主の意向かぁ…。

そして席に座って居心地悪かったのが▲この配膳。
皆さんはこれ、気になりませんか?私だけ?
郷に入りては…で、最初は何とか我慢しようと思ったのですが、お金を払って食事に来ている場で気持ちの良くない配膳というのはどうなのでしょう。某店との配膳の違いを出す方法がこれだったのか?
スッカラ・チョッカラの国ではないわけで、日本の箸のマナーに反した配膳に驚き、食事の意欲が若干萎えてしまった私です。
中華蕎麦おか部が提供する美麺
さて、気を取り直して…。
店内混雑している時ではなかったので、我が家の料理は5分ほどで提供されました。
貝だしベースの「塩そば」

塩そば(900円)
丼父さんが選んだのは、貝だしをベースにシンプルに仕上げたと紹介されていた「塩そば」。
3種類のレアチャーシューに加え、穂先メンマ、小口ネギ、フルーティーで爽やかなオリジナルのペーストがトッピングされています。
鶏油が多めに回しかけられているので一口目から鶏の旨味をガツン!と感じるものの、鶏が苦手な人だと思う以上の脂っこさを感じるかもしれないです。
鮭と貝の旨味をまとった淡麗鶏醤油の「中華そば」

中華そば(900円)
私が選んだのは、鮭だしと貝だしをベースに、拘りの詰まったかえしを鶏感たっぷりな鶏だしで割ったという「中華そば」。写真で比較してみると、醤油と塩のスープの色合いの違いが一目瞭然ですね。
麺やトッピングなどは、塩そばと同じものが使われていました。

黄金色の綺麗なスープは鶏のうまみを存分に感じられるよう、鶏ガラやモミジをふんだんに使用。村上産の鮭節や貝だしの旨味に、県産本造譲醤油と群馬県産の生揚げ醤油をブレンドしたかえしが味のキメてとなっています。

麺はストレートの中細麺。
麺線も美しく盛られているので、いつも箸上げ下手くそな私でも綺麗に麺リフトできました(笑)。
めんつうさんの名の入った麺箱がみられたので、麺はそちら発注のものかも知れません。
ミシュランプレートの某店にも卸しているようで度々お見掛けしますし、何処のお店でも良い仕事しています、めんつうさん!
チャーシューは白ワインで煮込んだ豚肩ロース、秘伝ダレに漬けた込んだ豚腕肉、塩麹でしっとりと仕上げた鶏胸肉の3種類。
鶏チャーシューの上に乗っているのは柚子とリンゴを混ぜて作ったオリジナルのペーストで、途中からスープに混ぜると爽やかさが広がって味変にもなります。
初体験だった和え玉

和え玉(250円)
和え玉も美しい盛り付け。
某店で知って以来、関東方面から入ってきたという味付きの替え玉である「和え玉」をいつか食してみたいと思っていました。なかなか某店の再訪かなわず、今回おか部さんで初体験です。
和え玉はラーメンを食べ終える頃合いを見計らって調理してくださいますが、先に食べ終えた丼父さんのタイミングでの提供だったので、私が食べる頃にはすっかり表面が乾いてしまっていましたが…(笑)。

いざ食べようと思って気が付いたのは、使われている麺から違うということ。
全粒粉でしょうか。麺の中にはっきりと粒が見えていますし、食べた時のモチモチ感がさらに強いように感じました。
そしてトッピングされているのが豚バラのコロ肉っぽい食感。
もしそうだとすると、ラーメンにトッピングされていた3種類のほかに、特製には牛ももチャーシューが付くので、最低でも5種類程度のチャーシューを用意していることになります。こういうところにも凄い拘りを感じます。

提供時に説明があり、「麺の下にタレがあるので、全部をよく混ぜてから食べてください」とのこと。
動物系の脂とかえしのタレだと思いますが、ラーメンスープで味わう以上にかえしの味がダイレクトに入ってくるので、モチモチの麺と合わさって非常に旨い。
ちょっと時間が経って麺が乾いた状態で食べ始めたこともあり、残っていたラーメンスープを少々プラスすると食べやすくなり、そしてスープの温度が下がったことで貝だしの旨味が強くなるという驚きの発見。
これはもう、大満足な和え麺初体験となりました。
私、これだけメインでもOKかも…、と思いましたが
券売機には「ご飯もの、和え玉のみのご注文はご遠慮ください」と書き添えられておりました。
【余談】男性客さんご注意ください

実は、私が案内された店内最奥に2席だけあるカウンター横にはトイレがありました。
写真左に見切れている茶色のドアがそれで、こちらが男女兼用トイレ。そしてこのドアに向かって左手側(店内側)に少し奥まるようにさらにもう一つ、女性専用のトイレが設けられているのです。
トイレが2つあるラーメン店って珍しいですよね。入口並びの7席ある広いカウンター側から近いのが女性専用トイレで、しかもその角の壁が一段出っ張った側にもトイレがあることに気づかないケースもあり、1人の男性客が何の疑いもなく女性専用トイレに入って行ったのを目撃してしまったのです。
おか部さんをご利用の際は是非、トイレドアの表示を良く確かめてから使ってくださいね。
おしまいに

どうしても某店と似ている部分が多くて、いつの間にか似たもの同士を比べている自分がいました。
だけど提供されるラーメンは似ているけれど違うもの。おか部さんの拘りが詰まった、丁寧な仕事がされたものだと感じました。
いろいろなことに融通の利かない私には箸先が左向きでない配膳が気になったり、僅か20分ばかりの入店の間に起こった女子トイレ事件など、料理の味とは関係ないところでの動揺ポイントはありました。しかし、県央地域に背脂ラーメンではない新店が誕生したことで、地域の食がさらに活性してくれたらと思います。
ご馳走様でした。(Saturday, January 21, 2023)

中華蕎麦おか部
- 住所:新潟県燕市井土巻2-352(県央ヒルズ) ※Google map
- 備考:2022年8月30日OPEN

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