三年ぶり開催の節季市(チンコロ市)2023にて|十日町市
しっかり予定の詰まった休日も充実してたのしいものですが、お天気任せの雪国の冬の休日は、朝起きてその日の様子伺いをしながら、その後の予定を立てるのも悪くないものです。
この日もそんな日曜日で、朝起きてみたら我が家上空はお天気もパッとせず、近場の小正月の行事に行ったとしても雨に打たれる羽目になりそうだし、ドーン太を外遊びさせるのもためらわれるような日でした。
さて、今日はどう過ごしたものか?と思った時、たまたま日曜日と15日が重なっていることに気づき、毎年この日に節季市が行われる十日町市を目指してみました。
江戸時代から続く十日町の年始行事「節季市」
毎年1月の10日、15日、20日、25日の月に4回開催される十日町市の年始行事「節季市」。その始まりは江戸時代ともいわれ、農民が農閑期に収入を得るため、冬の副業として竹や藁で作った生活用品を販売するために市を開いたとされ、すでに300年以上の歴史を持ちます。
近年の節季市では同市内の諏訪町通りに50余の露店が立ち並び、民芸品や漬物、乾物、お菓子、植木などの販売が行われます。なかでも人気なのが「チンコロ」と呼ばれる小正月の縁起物のしんこ細工で、節季市は別名「チンコロ市」とも呼ばれています。
コロナ禍にあって三年ぶりの「節季市」例年とは違う形で開催

実は、コロナ禍にあって節季市が開催されるのも三年ぶりのこと。2021年と2022年は縁起物のチンコロ販売のみで、市が立つことは無かったのだそうです。
三年ぶりの開催となった2023年も、節季市が立ったのは例年の半分にあたる二日間のみ。場所も諏訪町通りでなく、越後妻有交流館キナーレ敷地内に変更されての開催となりました。
今年も大人気だったチンコロ販売
さて、今年はこれまでの会場と違うこともあり、犬同伴で入って良いものなのか?も分からず、着いてまず最初に飼い主たちだけで場内の偵察に行ってみました。

プラカードの先にはチンコロを求めるために長蛇の行列ができていました。
その先頭から人数を数えながら進んできた関係者の人が一言
「この辺りで完売になります。」…と。
10時開始の節季市に、11時に着いてすでに時遅し(汗)
せっかく列に並んでも買えなかった人たちは、ため息とともに散り散りになって行かれました。
列に並ぶことすら許されなかった私があとやるべきことは…
そう!残り少ないこの日販売分のチンコロを撮影することだ(笑)
大急ぎで列の先頭を追い越し、販売しているちんころ屋さんの裏側からちゃっかりと、残り僅かなチンコロの姿だけ撮らせていただきました。

ユニークな響きの「チンコロ」ですが、これは仔犬のことを意味します。
販売されているチンコロは3cmくらいの小さなもので、しん粉(米の粉)を練って仔犬や干支などの縁起物のかたちにし、赤は「健康」、黄は「財力」、緑は「人徳」の意味をもつ三色の色彩を施して蒸しあげたものです。
買い求めたチンコロは魔除けの縁起物として飾り、次第に入るヒビが多ければ多いほど縁起が良いとされます。その昔はチンコロを囲炉裏で焼いて食べてしまったそうですが、今は食べる専門に鶏のかたちをした「とっとこ」というしん粉菓子も販売されます。

私が見た時に残っていたチンコロは全て、卯年の干支をモチーフにした「うさぎの餅つき」。
ちんころ屋さんではこの日、500個のチンコロを売り切ったそうです。

いぬ、ねこ、ねずみ、うさぎなどをモチーフにしたチンコロストラップも。
ドーン太と節季市

時すでに遅し…でしたが、逆に言えば犬同伴でも節季市の雰囲気をたのしめる時間帯ということもあり、車内待機していたドーン太も一緒に、かなり規模縮小だった会場内をもう一度歩いてみました。

場内のチンコロ行列も全て無くなり、先ほどチンコロを撮影させていただいた、ちんころ屋さんにも完売の案内が。

ちんころ看板と丼ころ(笑)

地元局B〇Nスタッフさん逆撮影

犬好きなスタッフさんがドーン太を見つけて近づいて来られ、たくさん撫でていただきました。
聞けば、この日は他にも、以前に我が家がチンコロ購入させていただいた「エンゼル妻有」さんの販売ブースもあったとのこと。私たちが着くより先に580個のチンコロを完売させ、その姿を見る前に撤退されていたようでした。

中条ちんころ伝承会

ごく一般的な仔犬型のチンコロがまだ残っていたのは、同市内の中条地域で活動する「中条チンコロ伝承会」さんのブースです。
こちらはヒビも入らず壊れない進化系、樹脂粘土製のチンコロが販売されていました。
昔ながらのしん粉製のチンコロは数に限りもあって早い者勝ちになってしまいますが、時間が経ってもそのままの姿をたのしめる樹脂粘土製は販売個数も多めのようで、ゆっくり来ても買い求められるようです。
チンコロ用の座布団が200円で販売されていて、それもアイデアだな!と感じました。

ストラップも樹脂粘土製
非売品の防火チンコロ
「着物の街」らしく、繭玉を使った小物などの販売も。

クロステンに展示販売されていた民具
実は、私が節季市を訪ねた今回の目的は、なかなか出会えない▲自然素材でできた生活雑貨の販売店があることを期待していたのです。
しかし、メインはやはりチンコロ販売で、他は飲食ブースが僅かにあるのみ。以前のように節季市が諏訪町通りで開催されるようにならないと、これまでの節季市のような本当の意味での活気は戻って来ないのでしょうね。
そんな以前の節季市の記事を貼ってみましたので、厳しい冬を過ごす十日町の人々の様子も合わせてご覧になってみてください。

十日町|節季市
雪が降るところに住んでいるので、真冬のこの時期に、自分のところよりもさらに雪の降る方面に遊びに行くことはありませんでした。しかし、たまたまTVで知った“節季市”に興味を持ち、今年は初めて出掛けてみました。...
チンコロ制作体験も健在

久しぶりに越後妻有交流館キナーレまで来たので同敷地内にあるクロステンにもお邪魔してみると、コロナ禍でもチンコロ作りの体験が行われていると知り、ちょっと嬉しくなってしまいました。
実はこのポスターが貼られていたまさにこの場所で13年前、まだ小学校低学年だった末っ娘と一緒にチンコロ作りを体験しているのです。

十日町|クロス10にて♪
節季市で無事にちんころを買うと、そろそろ時刻はお昼になろうという頃でした。せっかく十日町まで来たんだし、やっぱりお昼はお蕎麦食べて帰らないとね!っていうことで、混まないうちと少し早めに由屋さんへ。駐車場は満...
クロステン内にあったポスターは温泉施設の利用者のみ参加できるチンコロ体験教室の案内ですが、この日チンコロ販売をされていたグループが節季市に前後して開催されていた体験教室もあったようです。
あのチンコロは今

あの日、末っ娘と一緒に体験教室で作ったチンコロ。まだ我が家に健在です。
この時の材料は一般的なしん粉を使ったものでしたが、「しばらくしてからニスを塗ってあげると割れずに持ちますよ」という先生の言葉に従って、私もニスを買ってきて作品に塗っておいたのです。
さすがに13年も経って随分と色褪せはしましたが、当時の写真と共に作品の実物を見ると、あの日が蘇って懐かしいものですね。
この時がたのしい思い出となったので、小学生時代の末っ娘とはこのあとも、随分と様々な体験教室に参加したんですよ、私。
おしまいに
たとえその規模は縮小であっても、また一つ普通の生活に戻れたかたちで開催された2023年の十日町「節季市」。江戸時代から続くこの時期ならではの恒例行事ですから、私以上に、地元の方々の喜びは大きかったのではないでしょうか。
やはり人同士が触れ合える行事は良いものですよね。
早く以前のように、大規模で開催される日が戻って来ますように。
たくさんの人たちに代わる代わる撫でていただき、ドーン太にとってもたのしい節季市だったと思います。
Sunday, January 15, 2023|ドーン太 生後2,883日

十日町 節季市2023
- 会場:越後妻有交流館キナーレ駐車場
- 開催日:2023年1月15日(日)/同年1月22日(日)
- 開催時間:10:00~14:00
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