兎好きなら詣でたい!月神と兎を祀った兎がシンボルの【光兎神社】初詣と御朱印|岩船郡関川村
先に初詣に行った越後一宮・彌彦神社には兎伝説が残り、門前や弥彦温泉街には兎をモチーフとしたお土産ものが多くみられます。
しかし県内には伝説だけにとどまらず、実際に兎が祀られている神社があると知り、初詣客が少しだけ落ち着いたであろう頃合いを見計らって、関川村にある「光兎神社」へと初参拝に行ってみました。
結局のところ、短期間のうちに二度の参拝でようやく頂けた御朱印でしたが、受け取った後も何だかモヤモヤした気分のままですが(汗)、それでも兎好きにはたまらなくワクワクする場所でもあった、干支の兎を祀る光兎神社参拝記です。
1,150年以上の歴史を持つ「光兎神社」
光る兎と書いて「こうさぎ」と読み、卯年である2023年にもぴったりな兎を祀っているのが、関川村を流れる藤沢川のほとりに鎮座する光兎神社です。
開峰や里宮創建の時期については定かではありませんが、神社の由緒書に「貞観三辛巳、天台宗祖慈覚大師ノ古刹ニテ、郷土ノ鎮守光兎大権現ト尊称シ云々」とあることから、天台宗の慈覚大師が貞観3年(861年)に光兎山を開峰し、山頂に「光兎大権現」を祀ったのが始まりとの説が一般的なようです。しかし社伝ではそれより少し前の貞観元巳卯歳(859年)に開峰、貞観3年にお社を創建したのではという説もあります。
兎にも角にも、奈良時代後期から平安時代初期の頃にはすでに存在しており、1,150年以上もの歴史あるお社であることに違いありません。

御祭神は月の神である
同じように月の神様をお祀りするお社として代表的なのが、お隣山形県の月山神社ではないかと思います。光兎山の向こう側はもう山形県であり、戦前までは羽黒山伏の修験の山であったとも伝えられて女人禁制だった光兎山。女人禁制が解かれたのは戦後間もない昭和24年のことでした。

難しい話は終わった?
それじゃぁボクは、ここで失礼しますね!
神社は神聖な場所なので、ここから先は飼い主だけ。四つ足毛皮族のドーン太は車内待機です。
鳥居の向こうは兎だらけの世界
一礼して石の鳥居を潜ると、その左右にはまだ新しそうな獅子狛犬と、祭神の一つである七福神がいらっしゃいました。
そこから先はウサギ、🐇、うさぎの、兎好きさんが飛び跳ねて喜びそうな兎ワールドのはじまりです。

卯年の絵馬はもちろん兎が主役。
光兎神社の蔵は今から3~4年前に改修されていて、その際、白壁に親兎と飛び跳ねて遊ぶ子兎のこて絵が添えられています。

蔵の足元、雪に埋もれそうにあったのは、こちらも祭神の一つであるお稲荷さんです。

兎の姿はもちろん社殿にも。
屋根や向拝、下げられていた提灯など、至る所に光兎神社の紋章である兎を見つけることができるので、隠れミ〇キー探しのようでたのしいのです。
撮影OKだった社殿内
光兎神社の拝殿は誰でも自由に入って参拝することができます。
おまけに社殿内撮影もOKとのことで、皆さん手に手に機材を持って様々な兎さんを撮影されていました。
扁額

掲げられた扁額は、男爵であり、81代出雲国造、出雲大社宮司であった
ツキを呼び込み飛躍の年に
神前全景
先に登場した蔵の白壁の子兎がそうであったように、神前扉前の彫刻も兎と一緒に波が描かれていました。
波は火除けの守り、そして子沢山な兎は子孫繁栄や豊穣をもたらすめでたい生き物とされます。しかも波間を勢いよく跳ねまわる姿は飛躍を象徴とするものです。
そして光兎大神と共に、光兎神社の御祭神である月読尊は月の神でしたね。
ツキを呼び込む神にお参りすることで、落ち込む景気や運気を跳ね上げられたら良いですね。
兎尽くしの拝殿内
欄間や照明カバー、賽銭箱など至る所に兎があしらわれていた拝殿内。あれこれ撮影したくなる兎尽くしになっていました。
無い無い尽くしだった目玉授与品
これまでは至る所に兎あるあるの話でしたが、ここからは卯年初詣が人気過ぎて、光兎神社に用意されているはずの目玉授与品ナイナイの話になります。

金箔兎神像
光兎神社参拝の目玉の一つが、賽銭箱の後ろに見える黄金の兎像「
私たちが出掛けた日が今年最初の三連休の最終日(1月9日)のこと。分散参拝やお正月休みからの流れでいらっしゃった観光客と様々あり、小さな社殿の中は多くの人でごった返している状態でした。皆さん一様に賽銭を入れて拝み、金色の兎を撫でて行かれるので、予備知識の無かった私はこの時、何の疑いもなく撫で兎なのだとばかり思っていました(汗)。
※金箔兎神像については後の再訪記に詳細を書きますので、ここは軽く流しておくだけにします。
授与品の数々も兎にちなんだ可愛いものが揃っていました。
…が、しかし!
私の大本命だったおみくじと御朱印が午前11時の参拝では間に合わず、すでにこの日の分は終了になっているという…(泣)。
お正月うち(元日から連休だった9日まで)、御朱印にいたっては光兎神社の御朱印帳でなければ頂戴できず、その御朱印帳もすでに完売になっていました。
明日(10日)からは通常の御朱印配布に戻りますので…
と仰った可愛い巫女さんの言葉を信じ、また後日、御朱印のために出直すことにしました。
Monday, January 9, 2023
リベンジ再参拝
せっかく御朱印を頂くなら、初詣からあまり日を開けても良くないのでは…と思い、次に出掛けたのは1月14日(土)のことでした。
5日前に比べて社殿内はごった返すほどではなくなったものの、まだまだ普段以上の数であろう参拝者の姿がありました。
みんなの願いでシンボルの黄金兎を仕上げよう
さて、1月9日に参拝した際、勝手に撫で兎だとばかり思っていた金箔兎神像ですが(汗)、この二羽の兎像は前回の卯年であった平成23年(2011年)に、慈覚大師による光兎山開峰1,150年を記念して新調されたもので、今や光兎神社のシンボルともいえるものです。

この金箔兎神像には話の続きがありまして
兎像の足元を見ていただくとお分かりになると思いますが、実はこの像、石造りの兎なんです。
干支が一回りして現在のような黄金色の姿になったわけですが、これ、参拝者の皆さんの願いによるものなんです。

前回の参拝時にすでに無くなっていたのが▲こちらの祈願用の金箔でして
添えられた説明書きには「願かけをし兎に金箔を貼り輝かせる事により、願いを成就しましょう」とあり、参拝者が祈願しながら自らの手で石像兎に金箔を貼ることで、光り輝く「光兎」の姿に仕上げてもらおうというものなのです。

金箔兎神像の前には水入りのスプレーボトルがあるので、この水を兎像にシュシュッと吹きかけたのち、願いを込めて金箔を貼り付けます。
兎像に貼り付けた金箔は、2~3分おいて馴染んだあとに上紙を剥ぐのがコツ。
自分の体の具合の悪いところに金箔を貼って祈願するのが良いといわれますが、見ていると皆さん同じように、兎像の金が剥げている部分を修復するように金箔を貼られているようでした。

私も初穂料500円を払って挑戦!

兎像は大きなものがオス、小さい方がメスらしいです。
しかしそんな事も関係なく、ただ単に金が剥がれて目立ったところに貼ってみました。

剥いだ上紙に金箔が残る場合もありますが、そんな時はお裾分けとして持ち帰り、お守りとして大切に扱うと良いそうです。
卯年を占う兎みくじ

光兎神社はおみくじも可愛い兎型。
この日はたくさん用意されていましたので、丼父さんと1つずつ引いてみました。
結果は丼父さん大吉。私は吉とまずまず。
稲荷様の前にみくじ掛けがあるので、スマホで1枚記念撮影したあとに結んできました。
御朱印 悲喜こもごも

前回はその姿すら拝めなかった御朱印帳。この日はたくさん揃っていました。
光兎神社の御朱印帳はオリジナルの兎の図柄も可愛いい人気の品。これが欲しくてわざわざ訪れる人もあるそうです。
私は自前の御朱印帳があるので、受付のために授与所へと向かうと…
なぬっ!
先日言っていたこととは違うじゃありませんかっ

10日からは通常の御朱印配布になるというので、また数時間掛けてここまで来たというのに(新潟は横長県なので、県内移動であっても他県に遠征するくらいの移動距離が必要な場所も多いです)持ち込みの御朱印帳の対応がレターパックになると知り、一瞬「御朱印帳、預けるの嫌だな…」という思いが脳裏をかすめました。
御朱印は決してスタンプラリーではなく、これまで訪ねた神仏とのご縁の記録なわけです。ご本尊の名前がそのまま書かれているお寺さんのものもあり、神様仏様の分身だと思っています。なので例えそれが神職であっても、他人様に預けるのはどうも抵抗がありました。
これがあの日、巫女さんの仰った「通常のやり方」なのかは分かりかねますが、じゃぁこの前の話は何だったんだ!と思って、この日授与品の対応に当たっていた目の前の女性につい口説いてしまいました。
実は9日にもお参りに来ていて、10日から普通に御朱印がもらえると聞いていたからまたお参りに来たんです。
こんな風に対応しきれないのであれば、書き置きの御朱印があっても良いのではないですか。
私が話し終えないうちにその女性は
「宮司が1人で1つ1つ手書きしているんです」と答えはじめ、書き上がった見開きの御朱印の実物まで見せて説明してくださいました。
その受け答えの仕方が穏やかで丁寧で、それを聞いていたら私もそれ以上何か言おうという気も失せてしまい、逆に変なことを言い出して申し訳なかったとさえ思いました。
結局のところ今の時点では、御朱印を頂戴するには他の方法が無いこともあり、御朱印帳を預けて二度目の光兎神社を後にしました。
Saturday, January 14, 2023
光兎神社御朱印

初穂料(送料込)2,000円
見開きに金銀の文字と、光兎山をバックに飛び跳ねる二羽の金色兎が描かれた光兎神社の御朱印。
金箔兎神像、オリジナルの御朱印帳とともに、光兎神社の目玉となっているのがこちらの御朱印です。
平成30年(2018年)には初穂料500円だった御朱印ですが、令和の世になって随分と上乗せされた感がありました。
紙切れ一枚でも依頼主のもの!やっぱり預けるべきでないと思う御朱印帳
土曜日(14日)の参拝で預けた私の御朱印帳は、週明け月曜日(16日)の午前中の配達で手元に戻ってきました。
思うよりも早く届いたレターパックを開けて中身を確認し、やはり大切な御朱印は手渡しでなければいけないんじゃないか…と、また再び思ってしまいました。
あっ、ここからは私の個人的な意見が多くなります。おまけに愚痴ですので、聞きたくない人はスルーしてください。
実は私が先に他所で頂戴していた御朱印は、金箔押しの見開きのものでした。手書きされていた図柄も水彩で繊細であったため、金箔同士がくっ付いたり色移りしないように和紙を1枚挟んで保護していたのです。ところが、戻った御朱印帳にはそれが無くなっていました。ご自分が御朱印を書くのに邪魔なので挟み紙を外して、再び挟むことなく返却されたのです。
もう一つは、レターパックを開けたら御朱印帳がそのままの状態で入っていたこと。
我が家のポストは投函するとダイレクトに家の中に届くタイプなので問題ないと言えば問題ないのですが、これが外付けのポストだった場合、持ち主が気づいて受け取るまでの間に雪や雨によって濡れてしまう危険性は無いのか…と。まして新潟の冬は荒天の日も多いわけで、一度濡れたら取り返しがつかない御朱印帳が、ビニールで保護されるわけでもなく配送されたことも気になりました。
- 手書きに拘るのであれば、それが時間のある時に1枚1枚心を込めて書いた書き置きでは何故ダメなのでしょう。
- たとえ受け取りに時間が掛かったとしても、それが欲しくて何度も足を運んでいるわけですから、書きあがり待ちの札を発行するような手段は無いのでしょうか。
- 御朱印帳に挟んであった紙切れ1枚であっても、持ち主にとっては〇〇神社で頂いた大切なものである場合もあります。どうして再び挟んで返してくれなかったのでしょう。(私の場合、挟み紙は別の箇所にあったものと合わせて2枚とも戻ってきませんでした)
私が今回感じたことは、手渡しで御朱印を頂戴できたなら防げたことなので、あえてここで呟いてみました。
おしまいに
御朱印に関してだけは私が希望するかたちとは違って残念でしたが、参拝していて楽しいと思えた神社は数少ないです。長い歴史を持つ光兎神社。兎好きさんもそうでない人も、卯年のツキを呼び込むためにも参拝して欲しい素敵なお社だと思いました。
同村内には光兎神社と連動するように、まだまだ兎好きスポットが点在しています。今年はキテいる関川村!また時期をみてお邪魔してみようと思います。
お世話になりました。

光兎神社
- 御祭神:月読尊/光兎大神
- 所在地:新潟県岩船郡関川村宮前39-4 ※Google map