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蕎麦割烹まるいち【四季の彩り山本山そば】おぢや麺フェス2022

2022年12月19日

イケ麺パラダイス
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小千谷市 イベント ご当地グルメ そば 老舗

たまたま長岡方面まで買い物に出た日のこと。今年も小千谷市で恒例となっている「おぢや麺フェス」が開催されていたこともあり、さらに足を延ばして小千谷市真人まっと地区にある参加店の老舗そば処を訪ねてみました。

実に5年ぶりの再訪。お邪魔しない間に少々店名が変わっていた「蕎麦割烹まるいち」での、おぢや麺フェス2022体験記です。

今年で第4回目の開催となる「おぢや麺フェス」

錦鯉発祥の地として有名な小千谷市は山河に恵まれた文化の香り豊かな町で、江戸時代から続く伝統工芸「小千谷縮」や「小千谷紬」の町としても知られています。

今や小千谷縮は国の重要無形文化財でありますが、その織物の染色に欠かせないのが海藻由来の「布海苔」です。織物が盛んな土地に身近にある布海苔を繋ぎとしたそばが「布海苔そば」であり、これを「へぎ」と呼ばれる器に盛り付けたものが越後で有名な「へぎそば」になります。

小千谷地域のへぎそばは「小千谷名物へぎそば」として商標登録もされておりますが、実はラーメンにおいても激戦区であり、私も度々通うお気に入りのお店が集中しているのも小千谷市です。

そんな麺のまち小千谷市で、2019年(令和元年)より毎年開催されている一大麺イベント「『おぢや麺フェス」。第4回を数える2022年度は小千谷市内10店舗のへぎそば店とラーメン店が参加し、期間限定でご当地食材を使った小千谷ならではのオリジナルメニューを提供しました。

おぢや麺フェス2022ポスター
おぢや麺フェス2022

開催期間:2022年11月11日(金)~同年12月11日(日)

参加店

  • へぎそば店:わたや本店、わたや平沢店、元祖小千谷そば角屋、小千谷そば和田、蕎麦割烹まるいち
  • ラーメン店:手打ち麺処暁天、手打らーめん勝龍、麺やようか、麺やつるり、ラーメンつり吉小千谷店

※2022年度はフードデザインなどを学んでいる小千谷高等学校の生徒とコラボレーションした期間限定メニューを各店で提供。スタンプラリーや「○×クイズ」といった催しも同時開催。

参加へぎそば店の一つ「蕎麦割烹まるいち」

蕎麦割烹まるいち外観

おぢや麺フェス2022のそば店代表として私が選んだのは、以前は「真人そばまるいち」というのが正式名だったと記憶している、創業50年の老舗店「蕎麦割烹まるいち」さんです。

場所は小千谷市街地から十日町市に向かう県道49号沿いの中山間地「真人地区」にあり、地産地消に拘ったそばを雰囲気の良い古民造りの店舗で味わえるお店です。

まるいち店舗入り口に貼られた麺フェスのポスターと参加メニューの案内

夜営業は午後5時から。暖簾が出たところで車から降りて店舗へと向かうと、入口には新そばの案内とともに麺フェスの案内もあって期待大。ワクワクしながら一番乗りの入店でした。

店内の様子

まるいち店内の様子

開放的な高い天井に雪深い地ならではの太い梁。客席は二間続きのお座敷です。

以前は向かって左半分が低いテーブル席で右半分には座卓が並んでいたものでしたが、現在は入口の一箇所を除いて殆どが低めなテーブル席になっていました。前回は床の間前の一等席に座らせていただきましたが、今回の我が家は、あえて遠くから床の間が眺められる席に陣取りました。

我が家が座ったテーブル席
テーブル横の壁に貼られた新そばのポスター
おぢや麺フェス用まるいちメニュー
座った席から見た上座の様子
壁に貼られたまるいちおぢや麺フェス参加メニューのポスター
まるいち店内に貼られたおぢや麺フェス関連のポスターやノベルティ

店内も麺フェスと新そばの案内に溢れていていつも以上に賑やかな感じ。座卓席にはスタンプラリー参加ノベルティの手ぬぐいも飾られていました。

四季折々の山本山をテーマに作り上げた、まるいち「おぢや麺フェス」参加メニュー

小千谷高校生徒からの提案

  • メニューテーマ:山本山
  • お題:小千谷の彩り野菜を使用

青いガラスの器は信濃川を、ホウレン草に裏ごし卵黄を散りばめて春の菜の花を、クチナシで黄色く色付けしたサツマイモは夏のひまわりを、高校生の意見から紅葉おろしと麩で秋を、それぞれイメージし、そばには冬の山本山に見立て豆乳のメレンゲをトッピングしました。そのほか、高校生から『小千谷の彩り野菜を』とのことでブロッコリーを使用。季節柄、温かいつゆ、冷たいつゆをお選びいただけるメニューにしました。

蕎麦割烹まるいち

四季の彩り山本山そば

四季の彩り山本山そば

四季の彩り山本山そば(1,300円)

信濃川をイメージした青いガラスの器に盛られた山本山の四季

小千谷市内を流れる信濃川をイメージした器に山本山を表現

信濃川をイメージした青いガラスの器には、ほうれん草菜の花仕立てで春を、サツマイモのレモン煮で夏を、紅葉おろしで秋をと、移り変わる山本山の季節がそれぞれに表現されていました。ピリ辛ソースは味変にお好みで!

クチナシで黄色く色付けしたサツマイモに咲く山本山のひまわり 2021年夏訪問時の山本山ひまわり畑とドーン太

ひまわりの黄色を再現したサツマイモのレモン煮にも、ドーン太と行った思い出の山本山高原のひまわり咲いた。

山本山の四季を盛り込んだまるいちの山本山そば

メインプレートにも盛り込まれた山本山の四季

メインプレートには高校生からのリクエストである「小千谷の彩り野菜」として茹でたブロッコリーと、秋をイメージした紅葉麩を使用。さらに、冬の山本山に見立てた豆乳のメレンゲをトッピング、その手前に見える紫色は食用菊である「かきのもと」で新潟の秋を感じさせます。そのほか温泉卵、自家製軟骨入りつくね、むきエビ天ぷらと盛りだくさん。

まるいちの小千谷蕎麦

秋のこの時期なので、そばはもちろん新そばです。
小千谷産一番粉十割に布海苔で繋いだ小麦粉の入らないまるいち独自製法のそばは、コシの強さと歯切れの良さが際立ち、喉を通ったあとに何ともいえない上品な新そばの香りが余韻となって追いかけてくるのが特徴です。

まるいちの蕎麦に紅葉おろしをトッピング 四季の彩り山本山そばの鶏つくねサイド むきエビの天ぷらにピリ辛ソース付け

そばに紅葉おろしをのせても美味。鶏つくねは食べ応えもありました。

小千谷高校の生徒さんの意見を取り入れたというピり辛ソースは、神楽南蛮に自家製のあま酒を加えて作られたもの。程よい辛さのなかに柔らかな甘さが隠し味になっていて、紅葉おろしの辛さとも違うのでそばの味変にも良かったのですが、私的はプリッと揚がったむきエビ天ぷらに付けて食べるのがより好みでした。

醤油名匠が生み出すそばツユ

まるいちさんの通常メニューの中にもぶっかけスタイルがありますが、今回の山本山の四季を表現したイベントメニューもぶっかけスタイルになっており、私は冷たいそばツユでいただきました。

実はまるいちさん、日本醤油協会が2003年(平成15年)に日本料理一般を対象に行った第1回醤油名匠において、そこに名を連ねるお一人なのです。

まるいちのそばツユ

そばツユは地元産の醤油2種類をブレンドし、昆布や削り節の風味と合わせたまろやかで角が無いもの。そのまま飲めるくらいにやさしく上品な味わいに仕上がっていました。それが力強い新そばの風味に負けることも無く、だからといって主張し過ぎることも無く、程よい感じでそばの旨味を引き立てます。

雪の山本山に見立てて使われた豆乳メレンゲがそばに合うのかが心配でしたが、醤油に豆乳が凄くマッチして美味しいというのも、今回の食イベントでの新発見になりました。そうですよね、どちらも大豆製品ですから、使い方次第で合わないわけがないのですよね。

〆の濃い濃いそば湯

まるいちのそば湯

そばも新そばらしい濃厚な風味をたのしめましたが、〆のそば湯がまた濃い!

地元産のそば粉だというのだからきっとあの辺のそばなのだろうと、秋に小千谷で見た白いそばの花など思い出しながら、甘みの強いそばの味をそば湯でも堪能できて大満足でした。

おしまいに

会計に向かうと女将さんから、まるいちさんのスタンプが押された麺フェスのスタンラリーカードをいただきました。ついでに、豆乳とそばツユの味がマッチして美味しかったと伝えつつ、話の流れから「近くの豆腐屋さんの豆乳ですか?」と尋ねてみました。しかし答えはNOだったのです。

以前のまるいちさんには「真人の味セット」という地元密着のメニューがあったのですが、今回はそれが無くなっていて不思議だったのです。奥様からのお答えを聞いて過疎化地域の時の流れを感じるとともに、同じ真人にあるお店同士の繫がりが薄れてしまったようにも感じられて非常に残念に思いました。まるいちさん自体「真人」を名乗らず、「蕎麦割烹」と改められたことも何か理由があるのでしょうしね。

細かい事情は分かりませんが、まるいちさんの味が確かなことは今も昔も変わりなく、老舗そば店に行ったら決まってへぎと天ぷらを頼んでしまいそうなところ、華やかなイベントメニューで真人そばを味わえたのも良かったのではないかと思います。

ということで、まるいちさんの安定的な腕の良さを再確認した「おぢや麺フェス2022」の1杯目でした。
ご馳走様でした。(Sunday, November 27, 2022)

会計所𦚰に用意された販売コーナー

真人商品が並ぶまるいち玄関先

蕎麦割烹まるいちの暖簾

蕎麦割烹 まるいち

  • 住所:新潟県小千谷市真人町乙794-1 ※Google Mapリンクアイコン
  • 備考:創業から50年余
真人そば まるいち♪|小千谷

真人そば まるいち♪|小千谷

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コメント(14)

There are no comments yet.

駐在おやじ  

2022/12/20 (Tue) 10:22

すっごいおしゃれですね ^^
長岡行ったときに へぎそば食べましたが こんな色とりどりではなかったです
これは 凄い 

サツマイモのレモン煮 なるほど~~~
良いかも^^ 今度作ってみようかな~~~ ^^

  駐在おやじ

そふぃあ  

2022/12/20 (Tue) 14:56
そふぃあ

To 駐在おやじさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

長岡のへぎそばのお店は某系列店だったでしょうか?
確かにへぎそばだけだと地味な感じですよね。
新潟県民はそれに天ぷらを付けて華を添えるのが一般的です。
このメニューはへぎではないので、こんな風なアレンジも思いのままだと思います。

サツマイモのレモン煮は、我が家でも定番です。
甘い中に酸味があると、ちょっとデザート的でもあって美味しいです。
サツマイモはレーズンともよく合うので、一緒にサラダにすることもあります。

マクノスケ  

2022/12/20 (Tue) 18:18

こんにちはー!

これはまたおしゃれなおそば屋さんですねえ。
これだけ食べられてこの値段は良いんじゃないでしょうか!!
レモン煮…どこかで食べた事がありますよ。美味しいんですよね。
色とりどりな上、軟骨のつくねですか!!
あぁ、もう食べたくなっちゃうー!

MIZ  

2022/12/20 (Tue) 18:38

こんばんは

「四季の彩り」斬新でインパクト抜群ですね。丼ちゃんと山本山の向日葵畑の様子が思い出されますね。地元の特産品や名所をイメージしたイベントは素晴らしいですね。若い高校生との連携も街の活性化につながりますよ。

NOB  

2022/12/20 (Tue) 20:42

雪は大丈夫ですか・・・

ヘギそばってこちらでは見かけないですね・・・
私が知らないだけかも・・・(;^_^A

もふもふミッフィー  

2022/12/21 (Wed) 00:03

うわ~、これはまためっちゃ美味しそうなお蕎麦ですね~(≧▽≦)
もう、お蕎麦食べたくてたまらなくなってきました!!

でも、こんなにお洒落で豪華なお蕎麦は、こちらではありつけませんね^^;
高校生のアイデアって、斬新で素晴らしいですね♪

紅葉おろし、合いそうですよね。
こちらは、ゆずごしょうを入れることが多いんですが、紅葉おろしもいいなって思いました。

蕎麦湯もめっちゃ濃くて美味しそう( *´艸`)
これは夢に出てきそうだわ^^;

そふぃあ  

2022/12/21 (Wed) 08:41
そふぃあ

To マクノスケさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

普段は王道のへぎそばがウリのお店ですが、イベントになると賑やかで華やかな感じになりますね。
たしかに、この盛りだくさんでこのお値段は格安だと思いました。

サツマイモはレモンやオレンジなどと一緒に料理すると美味しいですよね。
レーズンやナッツとも合うので、サラダにもなりますよ。

そふぃあ  

2022/12/21 (Wed) 08:45
そふぃあ

To MIZさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

小千谷の人たちにとっての山本山は馴染み深くて、自慢したくなる場所なのでしょう。
高校生の斬新なアイデアで、カラフルで食べ応えのあるメニューが完成したのも凄いことだと思いました。
外食産業にとっても厳しい時代ですが、恒例のイベントで盛り上がれると、参加する方もたのしくなれて食欲もアップしますね。

そふぃあ  

2022/12/21 (Wed) 08:49
そふぃあ

To NOBさん

こんにちは。
コメント&ご心配ありがとうございます。

お陰様で、雪は山を越えました。
今日、明日でどれだけ積もった雪が融けてくれるかで、次のクリスマス寒波を耐えられるか…(笑)

へぎそばは新潟の食べ物です。
他のそばとも食感が違うので、県外の犬仲間さんが来県されるとみんなで食べに行きますが、毎年同じお店で食べても喜ばれますよ。
縁がありましたら、是非一度ご賞味ください。

そふぃあ  

2022/12/21 (Wed) 08:55
そふぃあ

To もふもふミッフィーさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

こういう華やかなメニューが完成すると、イベントって特別で良いな!と感じます。
しかも今年は高校生のアイデアが盛り込まれているので、それを腕の良い職人さんが実現させたというところも楽しさがありました。

私も鍋や料理に柚子胡椒使います。
今の時期だと鍋にも良いですよね。
それがこちらになると「かんずり」という唐辛子の発酵調味料が同じような感じで活躍するんですよ。

そば湯も濃いのが見てわかるでしょ。
たまに、「そばを食べても風味を感じたことが無い」といわれる人がいらっしゃるのですが、そんな人にこのそば湯を飲んで欲しいと思うくらいにしっかりとしたそばの風味がありました。
丁寧な仕事はやはり老舗。
イベントでなくても、また食べに行こうと思いました。

さえき奎(けい)  

2022/12/22 (Thu) 00:16

この度の豪雪、心より御見舞い申し上げます。
大変お疲れ様でした。

それにしても雰囲気のあるお座敷ですね。
長居してダラダラ飲っていたいような雰囲気です(笑)。

以前の鮪解体実演の記事でも感じたんですが、ご当地新潟県は地元の高校生といろいろタイアップした企画が多いようにお見受けしました。
素晴らしいことですね。

うしかい座  

2022/12/22 (Thu) 06:24

おはようございます。

山本山をイメージしたメニューはオシャレですね。
地元産のソバというと、以前拝見した広大なソバ畑のものでしょうか。
ワタシも蕎麦食べている途中で天ぷらで一休みしたいので、こういうメニューは良いと思いました。
ヘギソバができた背景も理解できました。
ウチの方にも、オヤマボクチーをつなぎにするソバがあって、美味しいです。
ヘギソバほど有名ではないと思います。

そふぃあ  

2022/12/22 (Thu) 08:47
そふぃあ

To さえき奎さん

こんにちは。
コメント&お見舞いありがとうございます。

雪の降り始めだったというのに、いきなり積もってビックリでした。
まぁ、近年はこんなことも良くあるので覚悟の上でしたが。
立ち往生も毎年のことで、解決策が無いまま、また翌年に渋滞するのが悲しいところです。

まるいちさん、店構えも風情ありますが、窓の外にも田園風景が広がって良い雰囲気なんです。
夜は、おいしい料理をいただきながら一杯っていうのも良さそうです。

地元のイベントに参加できるような、独自性のある学科を持つ高校が県内にも存在しているからでしょうかね。
若い子の発想はベテラン料理人さんたちにも刺激になるでしょうし、生徒たちも地元と関わることで将来の夢が繫がる可能性もあると思います。
地域ぐるみという活動、これからも大切にして欲しい気がします。

そふぃあ  

2022/12/22 (Thu) 08:56
そふぃあ

To うしかい座さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

高校生のアイデアですので、普段のプレート以上に華やかさがありました。
私も題材になっている山本山のそば畑を思いながら食べていました。
地元に大きな畑があり、そこに住む腕の良い職人が打ったそばですので間違いないです。

オヤマボクチ繋ぎのそばは、ウチの県の方でも味わえます。
繋ぎの実物も見たことがありますが、山ごぼうの葉っぱの裏側の繊維…ですから、繋ぎをつくるだけでも手間暇かかる幻のそばだと思います。
兎にも角にも、新そばの時期は大地の恵みを感じますね。