跳ねおどる鮭をつかみ捕れ!|柏崎市【さけ豊漁まつり2022】後編
コロナ禍にあって3年ぶりに開催された、柏崎市を流れる谷根川の「さけ豊漁まつり」。
その前編では鮭が遡上する谷根川と、鮭の情報発信と増殖事業を行い今回の話の舞台ともなっている柏崎さけのふるさと公園について説明させていただきました。
後編となる今回は「さけ豊漁まつり」の一番の目玉イベントである「さけのつかみ捕り」の見学記を書き進めてまいります。

鮭の遡上を間近に見られる谷根川と柏崎さけのふるさと公園にて|柏崎市【さけ豊漁まつり2022】前編
今年の秋は村上市内を流れる三面川の「居繰網漁」や大川の「コド漁」を見学したこともあり、さらに新潟県内で鮭が遡上する川を訪ねてみました。この度お邪魔したのは、柏崎市にある米山大橋のたもとを流れる谷根(たんね)川です。...
イベント内容

さけのつかみ捕り(2022さけ豊漁まつり)
- 場所:柏崎さけのふるさと公園
- 開催日:2022年11月20日(日)
- 開始時間:9時半~、11時~、13時~、14時半~(計4回)
- 定員:各回15人(計60人)
- 備考:1人1,500円(付き添いは無料)/要予約
イベントを待つ間

日に4回開催された「さけのつかみ捕り」に参加するには事前予約が必要になります。
1回につき定員15名。会場のアナウンスを聴いていると意外と狭き門で、キャンセル待ちで参加される方もありました。

ボク当日予約だから
この列に並べばいいの?
…とでも言いたげなドーン太を引きずって公園内の広場に行くと、犬好きなのだというリード付きの白猫さんに出会いました。
ブリーダーさん宅にも数匹の猫がいて、そんな環境の中で猫にちょっかいを出しながら100日くらい育ってきたドーン太なので大人になっても猫好きに変わりなく、目の前の生猫ちゃんの存在に大興奮でした。あまりのドーン太のイケイケぶりに白猫ちゃんは警戒し、結局最後まで仲良くなれなかった2匹でしたけど(笑)。
会場となる人工池にて

さて、「さけのつかみ捕り」が行われるのは柏崎さけのふるさと公園の人工池です。イベントの開始前と終了直後は大勢の人の姿がありましたが、イベントの合間には人垣もなくなり、次の出番を待つ谷根川の鮭を間近に見ることができました。
動くものに興味を示すのもボーダーの性。泳ぐ姿をジッと見ていたら鮭が池の中で勢いよく跳ね、それにビビって一瞬飛び上がった姿は、白猫ちゃんに興味を示していたドーン太とも全く違って笑えました。
そして池の中を泳ぐ鮭の姿を眺めていると、本能に忠実な生き物であるということを目の当たりにすることができます。
さけのふるさと公園に設けられた人工池は、水の流入口と排水口が相対するように設けられていて、水が一方向に流れるような造りになっています。なので、池の中に泳がされた鮭も自然と流れに逆らうように、水の流入口の方へとのぼってくるのです。
流されても流されても、また懸命にのぼってくる姿は健気であり、なんだか哀れでもありました。
さぁ、準備万端!

定刻近くなり、人工池の周りにも参加者や観客が大勢集まってきました。

ヒットマンたちも準備万端。
ドーン太を警戒しながら、白猫ちゃんもスタンバイOK!
そして会場には、いつぞやの桜イベントの時にも見たようなリュック犬がいて、あまりの可愛らしさに思わずクスッ!っとなってしまいました。(柴犬さんの写真をクリックorタップすると、2014年春に見た似たような光景がポップアップされます。随分年老いたけれど、耳の角度や顔の模様が同じに見える。果たして、同一犬だったのでしょうか!?)
谷根川の鮭を手づかみで捕まえる目玉イベント「さけのつかみ捕り」
日に4回行われた「さけのつかみ捕り」。私は午前11時からと、午後1時からの2回見学しました。
各回定員15名限定。1人につき鮭1尾がゲットできるまで、この時期冷たい人工池の中、素手で鮭と格闘します。捕まえた鮭はそのままお土産として持ち帰ることができるので、開始前に池の中に放たれた谷根川の鮭を見ながら、大きな個体に狙いを定めている兵もありました。
初回つかみ捕りにて

開始の合図とともに一斉に、狙いを付けた鮭に群がる参加者たち。
ところが、水の中の鮭は思う以上に動きが速くて捕まえにくく、人がウゴウゴしていることもあって鮭はひたすら逃げようとします。一度捕り逃がしてしまうと、次のターゲットを見つけるのも一苦労のようでした。
参加者が池の中ほどでウゴウゴしているので、鮭たちは池の隅の方へと逃げて来ました。
いち早くそれに気付いた少年が鮭を追い詰めに来ましたが、鮭の抵抗する力の方が強くてあえなく撃沈。

捕まってたまるか!

残念でした!

お見事!
私が思うに、女性の勝因は鮭を押さえた場所。子どもたちは尻尾を掴んで抵抗され、それでとり逃してしまう場面が多く見られましたが、女性は頭と胴の両方を抑え込み、それで鮭を捕獲しています。
どんなに鮭が抵抗したとしても、それが水の中でも、どこか鮭の一部を掴んでいる参加者を見つけると、ヒットマンが飛んできて秘密兵器で「コン!」としてくれるので一丁上がり!です。

自分が捕った大きな鮭を見せる参加者

大物をGETしたイケメントリオ
午後からのつかみ捕りにて
鮭を泳がせている時には十分にあった池の水も、イベント開始前になると捕まえやすいように少し水嵩を減らすようです。ところが池の水を少し減らし過ぎてしまい、鮭たちの体が半分出てしまうというハプニング。
そんな時にも何故か鮭は、水の流れの上の方へとウネウネしているのが不思議でした。
定刻になり、池の水も程よく増えたところで、午後1時からの「さけのつかみ捕り」が開始になりました。
基本的に参加者たちは前の回の様子を見ていないので、絵的には「いったん振り出しに戻る」…な感じになりますが(笑)。
根性でとったど~!
そして、鮭を持った人の傍らにヒットマンの姿あり!
美しき兄弟愛
ここからは今回のイベントで見つけた、とある仲良し三兄弟の奮闘記です。
池の隅っこに逃げた鮭を見つけ、その鮭を追い込み始めた長男くん。
すかさず妹ちゃんがやって来て加勢。お兄ちゃん以上に奮闘している妹ちゃんの姿が印象的でした。
妹ちゃんの協力もあり、このあと無事に鮭をGETした長男くん。
妹ちゃんは自力で鮭をGET!
そしてヒットマンがやって来て「コン!」
活発なお姉ちゃんに反し、全くやる気が無かったのが末っ子くん。
多分、開始からここまで、自分よりも大きな人たちに囲まれて揉みくちゃにされそうになりながら、いざ鮭に触れたとしても大きく暴れて抵抗され、体に見合わない大きなレインパンツは「殿中でござる」状態。おまけに水も冷たくて、これじゃぁ嫌気がさすのもわかります。
だけど傍で付き添っていたお父さんは一切手を貸さず、「必ず1人1匹ずつ自分で捕るんだ!」と叱咤するばかり。自分も親なので、そう仰るお父さんの気持ちもまた良く理解できました。
困っている弟くんを見てやって来たのが、あの頼もしいお姉ちゃん。
弟くんに掴ませようと池の隅っこに鮭を追い込んで、また再び格闘を始めたのです。
お姉ちゃんが捕まえた鮭を目の前に差し出しても、もう鮭に触ることすら拒否していた弟くん。
見かねたヒットマンのお一人が、これは旨いだろうと思う鮭を選んで持って来ても、やっぱり拒否して手を出すこともなかったのですが…。
しばらくしたら弟くん、足元にいた鮭に自分から手を伸ばし。
みんなの親切が心に響いたのか、やり遂げたあとの笑顔がまた可愛かったのです。
おしまいに
今年の谷根川の鮭の遡上は例年に比べて少ないとのことでしたが、時折小雨が混じる生憎の天気ながらも3年ぶりに「さけ豊漁まつり」が開催され、賑やかな声が響く1日になって何よりでした。
コロナ禍で人を避ける生活が長く続いていますが、やっぱりイベントをたのしむ人の姿は見ている方もたのしいですし、思わぬ鮭ウォッチング、人間ウォッチングの一時になりました。
今回は秋のイベントを見学できたので、いつか春の放流時期にもお邪魔してみたい谷根川と柏崎さけのふるさと公園でした。

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