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【胎内縄文の清水】選定ほやほやです!新たな新潟県の名水となった胎内市の湧水|ドーン太と名水Part76

2022年08月10日

ドーン太と行く名水の旅
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名水 新潟県の名水 遺跡 7歳5ヶ月

新潟県は2022年7月26日までに、新たな県の名水として胎内市熱田坂の「胎内縄文の清水」を選定したと発表しました。

新潟県庁にて「胎内縄文の清水」の選定書授与式が行われたのは同年8月1日のこと。それよりも一足早く、縄文人も飲んだのでは?といわれる胎内市の新名水を訪ねてきました。

新潟県内に68箇所ある「県の名水」

新潟県では昭和60年(1985年)頃より地域で親しまれている湧水などを新潟県の名水として選定し、水環境の保全を推進しています。

平成18年度には「県の名水」の中でも特に優れていると認めた杜々の森湧水(長岡市)、龍ヶ窪の水(津南町)、宇棚の清水(妙高市)、大出口泉水(上越市)、吉祥清水(村上市)の5か所を新潟県の「輝く名水」として認定。さらに本年度(令和4年/2022年)新たに「胎内縄文の清水」が加わって、現在68箇所が新潟県の名水として選定されています。

実は、その前に新たな県の名水が加わったのは平成30年度(2018年)のことで、この時も県の名水は全部で68箇所存在していました。以前の一覧と照らし合わせてみると、どうも近年になって糸魚川市の長者ケ原遺跡にあった茂右エ門清水(もえもんしょうず)が除外されと思われ、この度の胎内縄文の清水が加わって同数の68箇所となっているようです。

胎内市ではきのとにあるどっこん水に次いで2箇所目となる新潟県の名水が、熱田坂地内にある胎内縄文の清水になります。

分谷地A遺跡の一角に湧き出る「胎内縄文の清水」

胎内市熱田坂地区に広がる田園風景 熱田坂地区にある墓地脇に立てられていた胎内縄文の清水への案内板

胎内縄文の清水へは、国道290号の鼓岡交差点から県道53号へと入り熱田坂集落を目指します。集落に至る一歩手前に共同墓地があり、そこに清水への案内板があるので、そこから一般農道鼓岡線に入って道なりに200mほど走ると「縄文の清水公園」に到着します。

縄文の清水公園前に立つドーン太

縄文の清水公園

熱田坂地域の分谷地わけやちで圃場整備をしたところ縄文時代の遺跡が発見され、2000年から2001年にかけて発掘調査が行われました。調査地の一角には縄文の時代から湧き出ている清水があり、その付近の1,500平米余を胎内市が所有して「縄文の清水公園」として保全活動を行っています。

複式炉を模したような石積みとドーン太

ベンチが整備されている公園内には複式炉を模したようなものも置かれていて、実際に使ったような形跡もあるので隊長のチェックが半端なかったです(笑)。

分谷地A遺跡を眺めるドーン太

飯豊連峰を望むこの田んぼが
4千年前の集落が発見された分谷地A遺跡だよ

分谷地わけやちA遺跡】胎内市記念物「史跡」/新潟県有形文化財「考古資料」

平成12年から13年に当時の黒川村教育委員会が実施した発掘調査で、胎内川河岸段丘上に営まれた縄文時代早期から弥生時代中期の大規模な集落跡であることが明らかになりました。遺跡からは縄文時代の石器や土器が多量に出土し、複式炉を備えた住宅跡や墓、ハート型土器、ヒスイ製品なども発見されました。

この遺跡で特徴的なことは、清水の周辺から縄文時代後期(約4,000年前)の漆塗り木製容器(注ぎ具・鉢・皿など)や、装身具(櫛・耳飾り・糸玉など)、さらに漆の精製に関する資料など約80点が発見されたことです。なかでも赤と黒のセットで発見された水差し形の注ぎ具と赤い鉢の漆器は、全国の縄文漆器の中でもトップクラスの優品であり、酒器としての機能を備えていた可能性もあり、注目されます。

また、弥生時代前期から中期では、日本最北端にあたる再葬墓群がみつかっています。再葬墓とは弥生時代の東日本を特徴づける墓制で、一度埋葬した死者の遺骨を集め、壺を主とする土器に納めて再び埋葬するものです。当地域での出土例は珍しく、在地系の壺の中に東海地域の系統の壺もみられ、当時の交流を知る貴重な資料といえます。

このように縄文時代の木工や漆工芸の高い技術水準を示す漆製品21点と、弥生時代の葬送儀礼を知る上で重要な再葬墓壺形土器や甕・石器23点が新潟県の指定文化財となりました。

現地案内板より

およそ4,000年前の人々の生活用水だったとつたわる縄文の清水

公園から縄文清水へと向かう階段道を下りるドーン太

胎内縄文の清水は分谷地A遺跡の一角、標高およそ100mの河岸段丘の斜面から湧き出しています。

胎内縄文の清水とドーン太

胎内縄文の清水

清水付近から出土したおよそ4,000年前の縄文漆器の形状などから、当時の人たちが湧水を大切におもって生活していたことがうかがえるそうです。

胎内縄文の清水
胎内縄文の清水

令和4年度「新潟県の名水」選定

  • 場所:新潟県胎内市熱田坂
  • データ:水量 毎分24L|硬度 22|PH 5.8|水温 11℃

水飲み隊長お気に入りの名水

ドーン太の容器に汲む胎内縄文の清水

この時すでに気温は30℃を超えて蒸し暑かったのですが、流れ出る清水に手を差し入れるととても冷たくて、外気温に左右されずに年中冷たい水が湧き出ているのだと思いました。

胎内縄文の清水を飲むドーン太 お替りして胎内縄文の清水を飲むドーン太

ここ数年は何処の名水に連れて行っても水の容器に口を付けたこともない水飲み隊長なので、今回もあまり期待せずに水の容器を置いてみました。

えっ!?
ドーン太が水を飲んでいる!

まさかの行動にビックリ!
勢いよく名水を飲んで一息ついているので、もう一度容器に水を汲み直して目の前に置いてみると、再び美味しそうにお替りを飲んでいるではありませんか。

胎内縄文の清水を飲んで一息ついているドーン太

はぁ、生き返る~ぅ

ドーン太が好んで飲んだ胎内縄文の清水は、まろやかで冷たく、ほんのりと草のような味を感じました。

田畑を潤す恵みの水

こんこんと流れ出る胎内縄文の清水 下段の田んぼに流れ込む胎内縄文の清水

整備された水場から流れ出た縄文の清水は、発掘が行われた下段側にある田んぼへと流れ落ちていました。
清らかな水が育むお米はさぞ美味しいことでしょうね。

胎内縄文の清水から眺める熱田坂地区の田園風景

おしまいに

こんこんと流れる胎内縄文の清水

眺めの良い河岸段丘に湧き出す新らたな新潟県の名水「胎内縄文の清水」は、我が家の水飲み隊長もお気に入りのまろやかな名水でした。

遺跡の発掘調査後に現在の水場が整備されたものと思われますが、周辺は長閑な田園広がる場所で、ここに4,000年以上も前から人が住んでいて、今も湧き出す水と共に暮らしていたのだと思うと感慨もひとしおですね。

そして今は田んぼとなっている場所にも、まだまだ縄文時代から弥生時代早期に使われていたお宝は眠っているとのこと。これまでの発掘によって出土した品々は「道の駅たいない」に隣接する「黒川郷土文化伝習館」に展示されているそうなので、この暑さが収まってドーン太が車内待機できるようになった頃にでも見学してみたいと思いました。

分谷地A遺跡前に立つドーン太

Sunday, July 31, 2022|ドーン太 生後2,715日

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そふぃあ
Posted by そふぃあ
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コメント(12)

There are no comments yet.

駐在おやじ  

2022/08/10 (Wed) 12:38

やはり 昔の人も 水は大事だったんでしょうね (当たり前ですが ^^)
綺麗な水のあるところに 住居ができる 当然の流れだったんでしょうね

でも そんなに美味しい水なんですか ^^
この辺に住んだ人たちは 一年中 美味しいお水飲んでたんですね

美味しいお水が のどを潤し 田畑を潤し^^
良いところですね

  駐在おやじ

オグリン♪  

2022/08/10 (Wed) 15:48

昨日は私も胎内市にいました。

美味しい水はドーン太君もわかるんですね。

私の地元は被災しませんでしたが、郊外は飲み水が止まっています。
なので、この水を汲みに来ている人もいるんじゃないでしょうか?

「黒川郷土文化伝習館」是非、ご見学くださいませ。

さえき奎(けい)  

2022/08/10 (Wed) 22:51

「胎内縄文の清水」ですか。
私も滝屋専門だった頃から、訪れた沢の表流水をはじめとして湧水は必ず飲んで来ました。
今でもお気に入りの沢の水はテストされても分かるはずです、多分(笑)。
但し湧水マニアではありません(笑)。

>えっ!?
>ドーン太が水を飲んでいる!

「Dawn太も飲んだ名水」、私もいつの日か絶対に飲んでみたいと思いました(笑)。

胎内という地名の由来は一応知ってはいますが、一度聞いたら忘れられない不思議な響きです。

そふぃあ  

2022/08/12 (Fri) 08:17
そふぃあ

To 駐在おやじさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

今のように水道をひねれば水が出る時代と違って、大昔は生活水を確保するのも一苦労だったと思います。
現代でも、水汲みが一日の大半の大仕事なんていう国もあるくらいですので。

新潟は雪が多いですので、その雪解け水が伏流水となって湧き出ているところも多いです。
山の恵みが美味しい水を作り、それが海へ注いでプランクトンや魚を育てるのだと思います。
自然界、みんな繫がっていますね。

そふぃあ  

2022/08/12 (Fri) 08:23
そふぃあ

To オグリン♪さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

この度の大雨、お見舞い申し上げます。
オグリンさんのお宅は被害無かったようで何よりでした。
断水地域、まだまだ普及は難しいのでしょうね。
中越震災の時、ライフラインが止まったままだった時に地域の生命線となったのが、地元に湧き出す「治三郎清水」でした。
確かにそのまま飲んでも美味しい水で、地域に頼れる水が湧いているのは良いものだと思いました。
胎内縄文の清水も、きっと地域の役に立っていることでしょう。

良い季節になったら、是非とも黒川郷土文化伝習館を見学してみたいと思います。

そふぃあ  

2022/08/12 (Fri) 08:36
そふぃあ

To さえき奎さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

山深く入った時に飲む沢水は冷たくて格別だったことでしょう。
生水なのでたくさん飲んではいけないといわれますが、自分も自然の中に身を置いている時は、雑菌だの何だのは無いような気になってしまいますしね。

新潟の雪解け水の伏流水も、同じように美味しい自然の恵みです。
場所によって味ややわらかさも違いますし、人には同じように感じる水でも、大人になったドーン太は飲んだり飲まなかったり…。どこかに、私たち人間には気付かないような違いがあるのでしょうね。

他県の人は「胎内市」と聞くとちょっと驚かれます。
名の由来になっているのは、縄文人も流域で生活したという胎内川でして、旧中条町と旧黒川村が平成の合併を行った時に川の名が市の名として採用されました。
アイヌ語の「タイ・ナイ」に由来した名であるとか、飯豊連峰に鯛頭の雪形が現れると田植えをしたから「鯛の川」であるとか…、そんな風に伝わっているようです。

徳川たぬこ  

2022/08/12 (Fri) 10:58

こんにちは

さすがお米やお酒が名産の新潟県˖✧ 水も綺麗なのでしょうね
ドーン太くん、人間の1億倍もある嗅覚で何かを嗅ぎとったのでしょうか(*´艸`*)
縄文時代のお宝とは、ロマンを感じます
あと、ギフトをありがとうございました˖✧

クラフト親父  

2022/08/12 (Fri) 19:45

多くの酒蔵があって旨い酒を沢山産するのを納得しました。
ニューヨークのタイムズスクェアーにほど近い寿司屋(日本人経営)で「八海山」に出会った時は感激しました。さすがに安くはなかったですが・・
http://craftdad.blog.fc2.com/blog-date-20140620.html

そふぃあ  

2022/08/12 (Fri) 20:01
そふぃあ

To 徳川たぬこさん

こんばんは。
コメントありがとうございます。

いえいえ!お水の綺麗さや豊富さといったら、たぬこさん地方には敵わないと思いますよ。
新潟は雪解け水が伏流水となって湧き出しているので、そのお陰で美味しい農作物が育つのだと思います。
縄文の…とついていること、見渡す限りの田園風景からも、大昔の人の息遣いが聞こえてくるような場所でした。

ギフトお気に召したなら幸いです。
こちらこそ、いつもありがとうございます。

そふぃあ  

2022/08/12 (Fri) 20:03
そふぃあ

To クラフト親父さん

こんばんは。
コメントありがとうございます。

新潟は豊富な雪解け水もあって、美味しいお米が育つのでしょうね。
そうですか、ニューヨークのお寿司屋さんでも八海山が!
数あるお酒の中から選んでいただけて、県民としても嬉しい限りです。
記事の紹介、ありがとうございます。

うしかい座  

2022/08/15 (Mon) 18:41

No title

こんばんは。

自然の中にあって、しかも水量豊富な湧水ですね。
縄文漆器の形状は、縄文人がこの湧水を大切に使っていたことをうかがわせる、ということでしょうか。
4000年前から変わらずここにあるって、ありがたい事と思いました。

この水が美味しいのは、Dawn太クンの表情を見れば分かります。
また出遅れコメントですいません。

そふぃあ  

2022/08/16 (Tue) 08:35
そふぃあ

To うしかい座さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

とても長閑な集落で、それゆえに古の姿まで想像できるようでした。
水辺周辺からも生活に使った珍しい漆器などが多く出土しているので、加治川流域や清水の周辺に人が暮らしていたのでしょうね。
枯れることなく湧き出す水、貴重な存在だと思います。

エアコンの効いた車で移動してきただけだったので、ドーン太がこんなにも水を飲むとは思いませんでした。
冷たくて美味しい水は、味覚も嗅覚も優れた犬の方が良く知っているのかも知れません。