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【八木ヶ鼻湧水】三条市|ドーン太と名水Part75

2022年06月02日

ドーン太と行く名水の旅
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名水 神社 7歳1ヶ月

せっかく三条市の下田しただまで来ていることもあり、北五百川の棚田で春ならではの風景をたのしんだあとは、すぐ麓にある八木神社で参拝しつつ、近年になって「新潟県の名水」に選定された北五百川の湧水で喉を潤すことにしました。

神社なのでドーン太を連れて来たのは初めてですが、私たち飼い主にとっては十数年ぶりになる八木神社参拝です。

雪が育む新潟県の名水

新潟県では昭和60年(1985年)頃より、地域で親しまれている湧水などを新潟県の名水として選定し、水環境の保全を推進しています。

平成18年度には、県の名水の中でも特に優れていると認めた杜々の森湧水(長岡市)、龍ヶ窪の水(津南町)、宇棚の清水(妙高市)、大出口泉水(上越市)、吉祥清水(村上市)の5か所を新潟県の「輝く名水」として認定。さらに平成30年度には新たに、この度の八木ヶ鼻湧水を含んだ5か所を加え、現在68か所が新潟県の名水として選定されています。

その昔は八木ヶ鼻山頂に鎮座していた八木神社

この度の目的である名水は八木ヶ鼻山麓に鎮座する八木神社境内にありますので、まずは八木神社について少しだけ触れてみます。

社号標

八木神社社号標とドーン太

社号標の「八木神社」の文字は、下田で生まれ育った漢学者・諸橋徹次博士の揮毫によるものです。

五十嵐川に架けられた最初の橋

そして社号標の向かいには、その昔に神社参道から真っすぐに延びていたという、五十嵐川に架けられた八木橋の橋脚跡らしきものが残されていました。

現在八木神社前に残されている八木橋の橋脚 八木橋跡の説明板

上流に2つのダムを有しながら、近年もまだ大きな水害を繰り返し起こす五十嵐川。現在の八木橋はさらに上流にありますが、江戸時代にはここに珍しい刎出し橋が架けられていたようです。

ちなみに五十嵐川の名の由来は、同市飯田(下田郷)にあって全国の五十嵐姓のルーツである「五十日帯日子命」を祀る五十嵐神社に由来するものと思われます。

境内

八木ヶ鼻の山頂に八木・守門大明神と称する小さな社が祀られ、これが八木神社のはじまりと伝わります。勧請開基は大同2年(807年)の頃といわれ、現在の本殿は万治元年(1658年)、拝殿は明和5年(1768年)に再建されたものです。

御祭神は稲作の神である倉稲魂命うかのみたまのみこと(=八木大明神|「八木」は米の字に通じることから)、天戸を守る神である岩間戸尊いわまどのみこと(=守門大明神)の二神。さらに南北朝時代、南朝方武将であった新田義宗(新田義貞・四男)がこの地を拠点として戦い八木神社に帰依したことから、のちに新田義貞父子四神像などが祀られることとなります。

また、昭和45年(1970年)に江戸時代から続いた吉ヶ平が閉村、大谷ダム建設によって昭和55年(1980年)に集団離村となった大谷・大江の各鎮守社の神霊を合祀しています。

八木神社拝殿 八木神社境内にある八木ヶ鼻への登山道と下田の名木

境内地には推定樹齢500年ともいわれる下田の名木である大杉が数本見られるほか、社殿脇は八木ヶ鼻や袴腰山、高城城址への登山道入口でもあります。

拝殿に掲げられた扁額 八木神社拝殿の説明書

八木神社拝殿

八木神社狛犬
八木神社狛犬吽形
八木神社狛犬阿形
八木神社狛犬の台座に刻まれた天保の文字

台座に天保の文字が刻まれた八木神社の獅子狛犬

拝殿向拝のようす

拝殿向拝の彫刻など

八木神社拝殿向かって左側の木鼻
八木神社拝殿向かって右側の木鼻
八木神社拝殿彫刻
まだ比較的新しさのある拝殿彫刻

その他詳しい説明は下記ブログカードをご参照ください。

八木神社♪

八木神社♪

八木ヶ鼻山麓にある“八木神社”です。ひめさゆりを見に来た帰りのシャトルバスの中からも、幾度か訪れた周辺地へ移動する車の中からも、見慣れた神社ではありましたが、毎回素通りすることばかり。しかし...

八木神社の手水舎に導水された新潟県の名水「八木ヶ鼻湧水」

十数年ぶりに八木神社を拝み、振り返った杉木立の参道脇にある手水舎に注ぎ込むのが、今回目的の県の名水「八木ヶ鼻湧水」です。

参拝して振り返った八木神社参道の様子
八木神社手水舎
八木ヶ鼻湧水の標柱が立つ八木神社手水舎
新潟県の名水の文字が見える八木神社手水舎
八木神社手水舎の手水鉢に導水された八木ヶ鼻湧水

水は境内登山口から数十mほど登った辺りで湧き出し、八木ヶ鼻西斜面からの湧水と繫がって境内の手水舎に導水され、八木神社参拝前の清めの水ともなっています。

八木神社境内の「八木ヶ鼻湧水」は平成30年(2018年)9月10日に、新たな「新潟県の名水」に選定されています。

八木ヶ鼻湧水

平成30年度「新潟県の名水」選定

  • 場所:新潟県三条市北五百川37 八木神社内
  • データ:水量毎分9L|硬度5|PH7.1

いざ、車内待機していた水飲み隊長の元へ

八木神社手水舎全景 ドーン太の水飲み容器に汲む八木ヶ鼻湧水

雪解け時期だったこともあり、手水舎に導水された湧水は水量も豊富でとても冷たかったです。

八木ヶ鼻湧水を飲むドーン太

一口飲んだ八木ヶ鼻湧水は少し甘みを感じ、同じ北五百川地区に湧く大久保の清水の味とも全く違っていて、水源が違うとここまで湧水の味も違うのか!というのが正直な感想でした。

【大久保の清水】新たな新潟県の名水になった三条市下田の名水と北五百川で出会った春の山野草たち|Dawn太と名水Part71

【大久保の清水】新たな新潟県の名水になった三条市下田の名水と北五百川で出会った春の山野草たち|Dawn太と名水Part71

北五百川の棚田に咲くカタクリを楽しんだあとは、棚田の最頂部からさらに500mほど山に入った場所にある、下田地区の名水目指して散策を続けることにします...

古人も喉を潤した神恵む清き水

八木神社境内に建つ神恵泉碑 神恵泉碑

参道脇に建つ神恵泉碑

“八木やまの こかげ涼しく わき出し清水は 神の恵みとぞおもふ”

八木神社境内に建つ「神恵泉碑」は、天保9年(1838年)に新田重基が、祖先である義貞父子を祀るこの地を訪れて詠んだ歌です。石碑は文久3年(1863年)に建立されています。

その昔の下田郷は自然湧水が50か所ほどもあったそうで、八木ヶ鼻の岩壁直下には「玉清水」という名水があって通る人々の喉を潤していたと伝わります。「神恵泉碑」も当初は八木ヶ鼻の直下に建てられており、近年になって八木神社境内に移されています。

おしまいに

先の話にも触れましたように、私たちがはじめて八木神社を訪れたのはもう十数年も前のことで、この時に飲んだ八木ヶ鼻湧水が私の名水巡りのごく初期であったと思います。

旧村松街道沿いの黄金清水(名水Part4)、北五百川の棚田奥にある大久保の清水(名水Part71)、嵐渓荘の真木の清水(名水Part72)、吉ヶ平地内の城ノ腰の清水(名水Part73)と巡った下田郷の湧水。 この度の八木神社再訪によって振り出しに戻るかたちとなり、ドーン太と巡る名水の旅の「三条市下田郷編」は完結となります。

最近は隊長の水の飲み方が少なくて張り合い減ですが、また新たな新潟の名水を求めて県内を旅してみたいと思います。

八木神社前で八木ヶ鼻湧水待ちのドーン太

Sunday, April 17, 2022|ドーン太 生後2,610日

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そふぃあ
Posted by そふぃあ
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コメント(8)

There are no comments yet.

駐在おやじ  

2022/06/03 (Fri) 10:13

やっぱり日本の神社って 霊験あらたか~~~ って感じですね。
日本人だから そう感じるのかもしれませんが ^^

天然水 美味しい所のお水って ほんと美味しいですもんね
学生の頃 アルバイトで山の中に行ったときには、 有名な湧水が出るところだったので
汲んで帰ってました ^^

  駐在おやじ

そふぃあ  

2022/06/03 (Fri) 16:38
そふぃあ

To 駐在おやじさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

杉木立のせいもあるかも知れませんが、一歩境内に入ると空気感が変わるんですよね。
凛と張り詰めた神社の雰囲気、背筋を伸ばしてお参りしたくなります。

自然の湧水も、美味しいものは本当に美味しいです。
名水で育ったお米を育んだ水を汲んで炊いたことがありますが、汲み置きでも1週間くらい味が変わらないことも凄いと思いました。

山の中のバイトはきつそうですが、そんな水が毎日飲めたらお得ですね。

NOB  

2022/06/03 (Fri) 21:32

杉並木の大きさが時代を感じさせますね!

神社の中に名水あるんですね!
ドーン太 君も美味しかろう!

さえき奎(けい)  

2022/06/03 (Fri) 22:27

>社号標の「八木神社」の文字は、下田で生まれ育った漢学者・諸橋徹次博士の揮毫によるものです。

まずは、狛犬然としたDawn太君の勇姿に一票です(笑)。

新潟県は、様々な由緒あるお社が多いのでうらやましい限りです。
湧水(に限らず表流水もですが)の味は本当に違いますよね。
わずか100m隔てた小尾根のあちらとこちらで全然違うのには驚きます。
私が滝写真のホームにしている山域の湧水の多くは、春先になると少々ほこりっぽさを感じるんです。
でも、不快感あるとかではなく、決して嫌いじゃない味なんですよ(笑)。

今回も充実レポート、ありがとうございました。

そふぃあ  

2022/06/04 (Sat) 13:43
そふぃあ

To NOBさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

新潟は杉が育たないことで有名なんですが、神社のような神聖な場所で巨木を見ると凄いなと思います。

手水舎に導水されているので、参拝の際に誰でも名水に触れることができます。
山歩きのあとに飲んでも、冷たくて美味しいですよ。

そふぃあ  

2022/06/04 (Sat) 13:47
そふぃあ

To さえき奎さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

狛犬なら境内にも連れていけるのですが、ただの四つ足動物なので車内待機です(笑)

新潟県が全国一神社仏閣の多いところだと記憶しています。
たとえ小さな社であっても、境内に入ると空気感が変わりますね。

仰るとおりで、同じ地域にあっても水源が違うと、全く違った味の水になっているのも自然ならではを感じます。
こちらは雪が多いので春先は川も滝も湧水も水量が増えます。
名水育ちのお米を、育った水で炊いて食べるのは秋ならではの楽しみになっています。

うしかい座  

2022/06/05 (Sun) 18:34

湧水

こんばんは。

雪解け水が地下に浸透して、ミネラルを吸収して名水として湧いて出るのでしょうか。
雪が多い新潟ならではかもしれません。
川の水もミネラルを含んでいて、それで米が美味しいと、以前TVで見た記憶があります。

そふぃあ  

2022/06/06 (Mon) 08:21
そふぃあ

To うしかい座さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

仰るとおり、雪解け水が伏流水となって湧き出ている名水が多いと思います。
海が元気になるために、山で植林活動をされている人もあるほどですので、まず最初に雪解け水を受け止める山の存在は大きいのだと思います。

雪が多いお陰で、真夏でも水が枯れることがありません。
ミネラルも豊富な水で育った美味しいお米が、この秋もたくさん実ることを願います。