らーめん ゆず(五泉市)【麒麟山阿賀の恵み】|清酒らーめん・Part2
イベント開催されているのに気づくのが遅く、おまけにカメスピードでしが記事が書けない私(笑)。
すでに1月末で提供終了している新潟の新ブランド「清酒らーめん」ですが、これまでラーメン未開発地だった五泉市のラーメン店にて期間ギリギリでイベント感溢れる一杯をたのしんできたので、証文の出し遅れ感半端ないですが(汗)今後の参考までにご紹介しようと思います。
にいがた清酒らーめんについて
全国一酒蔵の多い新潟県が育む日本酒とラーメン王国新潟のラーメンがタッグを組み、新しい新潟のラーメンブランド化を目指す「清酒らーめん」。
2021年12月10日(金)から2022年1月31日(月)までの期間限定で、下越エリア19店舗、中越エリア4店舗、上越エリア2店舗の新潟県内25店舗のラーメン店が参加し、見た目や味、香りなど、新潟の清酒の魅力をラーメンと調和させ、清酒らしさを活かした渾身の一杯を発案し提供しました。
清酒らーめんの定義
- 新潟の酒蔵が製造する清酒を使うこと
- スープ、麺、具材のいずれかに清酒を使用していること
- 酒の良さが活かされていること
スタンプラリーとWEB投票
「清酒らーめん」の提供期間中は、「清酒らーめんスタンプラリー」と「WEB投票」が同時開催されていました。
スタンプラリーはスタンプ5個でらーめん無料券1枚がもらえるというもの。WEB投票は採点項目が5つ用意されており、各項目10点満点の合計点数50点で評価するものでした。
また、WEB投票で集めた利用者の声は清酒らーめんのブランド化にむけて活用されるとのことで、私も期間中にいただいた2杯をそれぞれに評価させていただきました。
これまでの清酒ラーメン体験記
実は私が「清酒らーめん」のイベントを知ったのは、NGT48のらーめん部による「にいがた御麺印プロジェクト」のイベントラーメンのために立ち寄った、新潟市東区にある焼あご中華 浦咲さんでした。

焼あご中華浦咲(新潟市東区)|あかひげラーメン(にいがた御麺印プロジェクト・Part4)と吉乃川淡麗鶏塩ラーメン(清酒らーめん・Part1)
思うように他県への遠征できない日常が続いているので、すっかり食べ歩きブログと化している弊ブログです(笑)。 さて、たま...
ここで時期を同じくして2つのラーメンイベントが開催されていると知り、その時に食べた浦咲さんの真骨頂でもある淡麗塩スープの清酒の風味に酔いしれ、終了期間まで残り僅かな中、次なる清酒らーめんのターゲットを探しました。やはり繊細な清酒の風味を活かすために塩メニューを考案されているラーメン店が多く、最後の一杯を絞り込む作業はかなり悩みました。
その中で私が気になった一杯が、見た目は普通のラーメンなのに具材がつけ麺のように別皿に盛られた写真でした。調べると通し営業されているお店らしく、混雑しているであろう昼時を外して、いままでラーメン目的では行ったことの無かった五泉市まで出掛けてみることにしました。
らーめん ゆず初訪問
お邪魔したのは五泉安田線(県道188号)沿いにある人気店「らーめん ゆず」。
近くには富山ブラックインスパイア系の中田製作所があり(こちらも人気店でいつか行ってみたいお店の一つです)、少し離れた場所には県立五泉高等学校があるという立地です。
お店手前でナビが終了してしまうので、うっかりすると見落としてしまいそうな平屋店舗ですが、お隣にある理容店と共有の大きな外看板が目印になってくれます。
店内の様子

お店の入口は雪国仕様の二重ドア。最初の入口を入ったところに店名にもなっている柚子と、子も孫も付いたような里芋の一株が置かれているのがユニークでした。
実は五泉市の三大ブランド野菜として有名なのものの一つが、
キメが細やかで色白、煮崩れし難くヌメリも強い帛乙女は、新潟の冠婚葬祭に欠かせない郷土料理「のっぺ」に持って来いの品種でもあります。私もお正月ののっぺ用に買うなら断然五泉の帛乙女!ブランド野菜なので少しお高めですが、選んで間違いない逸品です。

さて、柚子と里芋に出迎えられて入店すると、午後1時半を回った店内には御常連らしい家族連れなどもまだ多く、地元に愛される人気店であることが伺えました。
厨房前のカウンターは7席。窓側に見える中待合席の横には、ズラッと揃った漫画本のシリーズものや雑誌が山積みされ、読書好きさんなら多少の待ち時間も苦にせず過ごせそうなコーナーになっていました。
テーブル席は無く、あとは4人掛けと6人掛けの小上がり席が設けられていました。我が家は唯一空いていた6人掛けの小上がり席へ。
卓上の調味料はあらびきこしょう、こしょう、一味、ごま塩。黒い陶器の中身は真っ黒なニンニクチップス、白っぽい陶器の中にはコチュジャンならぬ、自家製の真っ赤なユズジャンが入っていました。
メニュー

私はイベントメニュー目掛けてお邪魔しているので他はあまりリサーチ無しでしたが、改めてメニュー表を見てみれば醤油、味噌、塩、辛い系、燕三条の背脂中華まであって、ラーメンメニューのレパートリーの広さに驚きました。そして、長年和食店で修行した経験をもつご店主が作るラーメンは、メニューの多くに柚子が使われているのも大きな特徴です。
お店のオシ麺は透き通ったスープを細麺でいただく塩。スープに入った刻み柚子の香りも際立つ優しい味わいの一杯で、味変用にと梅干しが別皿で提供されます。サイドメニューのオススメは、餡にしっかりと味が付いているタレなし餃子。ラーメンのお供にもご飯のお供にも良さそうですね。
醤油や塩といった淡麗系のとはまた違い、辛さを選べるまーぼータンタンめんも人気のようでして、伺ったこの時も別イベントの期間限定メニューが用意されていました。
新潟の新ブランド「清酒らーめん」|麒麟山阿賀の恵(らーめん ゆず × 麒麟山酒造株式会社)

らーめん ゆずさんが清酒らーめんとしてコラボしたのは、麒麟山酒造の原点にして代表銘柄である「麒麟山 伝統辛口」。
「デンカラ」の愛称でも親しまれている伝統辛口は、奥阿賀産米を100%使用したキレの良さと飲み飽きしない味わいが人気のお酒です。

麒麟山阿賀の恵(1,080円)
別皿トッピング:米油、鴨肉のロースト、きんぴら、刻みネギ(長ネギと青ネギ)
まずは麺とスープを味わう

実はこちらのメニュー、ラーメン丼とあと乗せの具材が別々に運ばれてきます。
丼を提供してくださったのはご店主で、「まずは何も入れずにこのままで食べてみてね。」…と。
麒麟山を練り込んだ平打ち麺

言われるままに、全く濁りの無い清らかなスープの中から箸で持ち上げる特注の平打ち中太麺。まず最初のポイントがこの麺で、麒麟山の清酒が練り込まれてできているというものです。
滑らかな舌触りで、食べ始めモッチリとした食感を持つ麺。後半少し湯伸びする感じもありましたが、艶やかで旨味のある麺は、嫌味なくスルスルと入ってきます。
スッキリとした超淡麗スープ

そして、平打ち麺にからむスープの味が自分が良く知るラーメンスープでなく、まるで和風ダシでいただいているような優しい味わいに仕上がっていることにも驚きました。
これには和食の世界に身を置いた経験を持つご店主ならではの一工夫が隠されており、清酒で煮出したスッポンのカエシが使われているとのこと。清酒だけが強く主張する感じがなく味に深みがあるのは、見えない職人技あってのことなのでしょう。
ベースは魚介系と鶏や豚といった動物系のWスープだと思います。ラーメンスープにしては塩味も控えめですが、麺とスープが上品にまとまった完成形で非常に美味しい。このまま一杯完食してしまいそうになるのをグッと堪えて、ここからさらにお楽しみの世界へと。
あと乗せ具材で味変を楽しむ

ラーメン丼とは別に提供されるのは、まるで「まずはお通しで一杯!」のような▲こちらのセット。これが「麒麟山阿賀の恵」のあと乗せ具材で、二度三度と変化してゆく味を楽しむという趣向を凝らしたメニューになっています。
麒麟山の徳利アイテムでコクを増す

麒麟山の徳利の中に入っているのは米油で、まずはこれを入れて、さらにスープにコクを増します。
出てきた徳利が「麒麟山阿賀の恵」に使われているのと同じ麒麟山の「デンカラ」であるというのも、ワクワクポイントが高くてイベント性を感じるところでした。

みなさん、米油ってご存じですか?
米油とは、玄米を搗精した際に出る副産物の米ぬかを原料としてできる植物油です。
稲の栄養の64%は米にあり、そのうちの6割がぬかや胚芽にあるといわれています。なので米ぬかを搾って作られる米油には白米にはない天然のビタミンやミネラルがたくさん含まれており、玄米が持つ健康パワーが凝縮されているわけです。
また、独特なクセやニオイが無く優しい風味が特徴の米油は、そのままかけても調理に使っても、素材の味を引き立ててくれるという利点もあります。
私的には「何故ここで唐突に米油?」と思ったのですが、使われている清酒も米油も、どちらも稲からできた産物だからなのかも知れませんね。
鴨が葱を背負って

米油で生まれるスープのコクを楽しんだあとは、いよいよ大きく味が変化する鴨肉のローストと刻みネギをトッピング。
一口食べた鴨肉がとても柔らかで旨い。鴨肉の脂身側が粒の黒胡椒でお化粧されているのですが、それが穏やかだったスープにピリッとしたアクセントを加え、一気に味が引き締まります。
刻みネギが麒麟山のお猪口に入っているという演出も心憎いです。
最後は五泉ブランド野菜をトッピング

別皿で提供された「まずはお通しで一杯!」セット …いや、トッピングの数々も、残すは鴨肉ローストの下敷きになって隠れていたキンピラのみになりました。
ゴボウも入っていましたが、圧倒的にレンコンの方が存在感あるキンピラ。実はこのレンコンも、肥沃な大地と綺麗な地下水に恵まれた五泉市が誇る三大ブランド野菜の一つなのです。

先に入口でご紹介済みの里芋「帛乙女」同様に、五泉ブランドのレンコンも、越後の色白女性をイメージさせる「五泉美人」という名前が付けられています。
瑞々しくて柔らかいのに、サクサクの歯触りが特徴の五泉のレンコン。唐辛子を使って少し辛味を感じるキンピラは、強めなゴマ油とスープに入れた米油がお互いを上手く調和させる役目をしていて、フィナーレに相応しい味の変化と食感を生み出していました。

へぎそば わたや♪|小千谷
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実は小千谷に行くと薬味にキンピラを提供するそば屋もあるので、麺類にキンピラはあまり違和感無く受け入れられる私ですが、実際にラーメンに入れて味わったのは今回が初めてでした。
ちなみに、五泉市の三大ブランド野菜の残り一つは長ネギの「やわ肌ねぎ」です。
一瞬、お猪口に入っていたのもそうかな?と思いましたが、やわ肌ねぎは生食でも甘みがあるのが特徴なのに対し、提供された長ネギは優しいスープの味を邪魔するくらいに辛味が強かったので、これは違うのかも…という個人的見解にいたりました。
ご馳走様でした。
おしまいに
五泉市にある「らーめん ゆず」さんが提供した清酒らーめん「麒麟山阿賀の恵(1,080円)」。
清酒は麺に練り込まれたかたちで使用されていたので穏やかな印象でしたが、隠された工夫があるからこそ和風ダシのような穏やかなスープで成り立っていた一杯。提供された瞬間から「わぁ~っ!」と心躍るような演出があってイベント性も高く、完成度の高い一杯であったと思います。
地元野菜を積極的に使って味の変化を生み出す工夫。その強い個性を持つ具材を活かしきるスープの奥深さにも和食を良く知るご店主の腕の良さを感じ、ラーメンにおける新しいフードペアリングを学んだ気がして、とても美味しくいただくことができました。
コロナ禍にあり、酒類を提供するお店に何度も自粛要請が出る時代。我が新潟で2004年から開催されている日本酒の一大イベント「にいがた酒の陣」も、今年で3年連続での中止が決定しています。例えラーメンに使われた日本酒は僅かであっても、出会えたラーメンイベントによって少しでも日本酒の消費のお役に立てたなら幸いです。
ちなみに、第1回目の清酒らーめんの企画は2022年1月末日を持って終了しています。あしからず。

らーめん ゆず
- 場所:新潟県五泉市水島町10-881-4 ※Google Map
- 備考:2003年OPEN
Saturday, January 29, 2022
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