第42回高田城址公園観蓮会(旧上越蓮まつり)|上越市
今日はお盆の13日なので、仏様がお座りになる蓮華座としても知られ、仏教の象徴ともなっている夏の花「蓮」を見に行ってきた日の話です。
「東洋一」と称される高田城址の和蓮、今年も見事に咲いて綺麗でした。

高田城址と外濠に咲く蓮の花

高田公園改め高田城址公園は、徳川家康公の六男・松平忠輝公の居城として築城された高田城の跡地に造られた公園で、その全域が新潟県の史跡に指定されています。
戊辰戦争(明治元年|1868年)の頃、高田は新政府軍の基地となったことや凶作の影響により、藩の財政が困窮していました。それを救おうとしたのが戸野目の大地主であった保阪貞吉という人物で、1871年(明治4年)高田城外濠に私財を投じて蓮を植え、蓮根を売って藩の窮状を救おうとしました。これが高田城址に咲く蓮の花のはじまりです。その後、お濠の蓮根掘りは1962年(昭和37年)まで続けられました。
お濠の蓮は東洋一

高田城址の外濠は周囲約4km、面積は東京ドーム4個分の19haにおよびますが、そのうちの約16haに蓮の花が咲きます。蓮の種類は和蓮で、そのほとんどが
古代蓮にその名を残す大賀一郎博士が1952年(昭和28年)に高田を訪れた際、広大な蓮池に赤い花と白い花が入り混じって咲く様子が珍しいと激賞されたそうで、それを聞いた市民たちが東洋一だと誇り伝えてきました。
朱塗りの西堀橋(蓮見橋)とその先に見える妙高山が一体となった景観。外濠をピンクの蓮と緑の葉が埋め尽くす圧倒的なスケールはまさに東洋一にふさわしく、この光景は新潟景勝百選にも選ばれています。また、蓮の開花にあわせて開催される蓮まつりは上越の夏の風物詩にもなっており、毎年多くの観光客で賑わいます。
高田城址公園観蓮会2021(旧上越蓮まつり)

第42回 高田城址公園観蓮会
- 開催期間:2021年7月17日(土)~8月22日(日)
- 住所:新潟県上越市本城町44−1
2020年(令和2年)4月に高田公園が高田城址公園と改められたのに伴い、これまでの「上越蓮まつり」も同年より「高田城址公園
コロナ禍2年目の観蓮会

今年も昨年同様、例年の露店が出るような賑やかムードの蓮まつりとは違い、園内に新型コロナ感染予防を呼びかける看板や消毒液が設置されたほか、外濠沿いには熱中症対策として日よけ小屋の「お休み処」が設置されるなどの対策が講じられていました。
西濠に咲く蓮の花

現在の高田城址の外濠は北濠の一部、西濠の全域、南濠の一部が残されており、2021年の蓮の開花が確認されたのは6月26日のことで、北濠にある蓮の花であったそうです。
我が家は会期中盤にお邪魔することが多く、西濠の花もそろそろ中盤から終盤近いこともありますが、南濠の方へ向かうにつれ、まだ綺麗に開花しているものも見られるので、城址公園外濠の蓮は、北、西、南と順に開花が進んでいくのかも知れません。

早朝に咲き始めて昼には閉じてしまうのが蓮の花。早めに着くように家を出てきましたが、さすがに9時半を回ると日差しもあって暑いです。(猛暑の頃だったので、この時間ですでに30℃はあったと思います。)
飼い主だけなら日差しも暑さも我慢しますが、Dawn太が一緒なので、今回も駐車場からも近くてスムーズに蓮鑑賞できる蓮見橋も印象的な西濠メインで散策します。

西濠の中央付近は圧倒的に紅蓮が多いです。
そして昨今の不順な気候のせいなのか、今年は例年よりも幾分花数が少ないような気もしました。

蓮の花が咲いているのは4日だけ

朝のうちに出発したのが功を奏し、ふっくらとした丸みのあるフォルムの紅蓮に出会いました。
蓮の花は咲いているのが4日だけ。1日目は3cmくらいまでしか開かないそうなので、こんな風にお椀状に咲いている花は2日目の花ではないかと思います。

3日目の花は午前10時頃までに完全に開花し、4日目は夜中に咲き始めて朝の6時頃に全開となり、午後には花が落ちて花托だけになります。 午後にも咲いている蓮の花を見たら、その日が最後の花なのだと思って鑑賞してください。
ピンクと白の蓮の花がたのしめる西濠南側

ボク、信号待ち中

信号が設置されているのは、その昔の高田城大手橋が架かっていた場所です。
そして信号を渡った先にも西濠南側の部分が続いていて、朱塗りの蓮見橋が架かる西濠中央部とはまた違った景観が広がっています。

こちら側からは妙高山と蓮の花のコラボがまた見事。これも上越高田ならではの景色です。

西濠南側に咲く紅蓮

白蓮と紅蓮のコラボ

西濠の南側は、白蓮と紅蓮が一緒に咲く様子がより顕著でした。
大賀博士が仰ったように紅白入り混じって咲く様子は珍しく、これが高田の人たちが「東洋一」と誇りに思う風景なのですね。

和蓮じゃないのも咲いているよ
珍しい種類の蓮の花
鑑蓮会の会期中は外濠の和蓮のほか、1983年(昭和58年)に東京大学農学部の北村文雄教授より寄贈された新種の蓮など14種類のうち順調に育ったものの一部など、世界各種の珍しい蓮を鑑賞することができます。
撮影できた蓮:白光蓮、粉がすみ、小三色蓮、天嬌、利根春暁、青蓮子、東壺蓮、西施微笑、西湖紅蓮、東観世、大名蓮、桜蓮、粉紅蓮(以上13種類)
高田城のシンボル三重櫓

蓮の話とは関係ありませんが、せっかく高田城址に来たからには見て行きたいのが、城のシンボルである三重櫓ではないかと思います。

どんなに暑くてもここで記念撮影しなくては帰れぬ…と思ってやって来ましたが、春の観桜会の時には絶好の撮影ポイントとなるお立ち台も、桜の葉が生い茂った夏では肝心の三重櫓が隠れてしまって残念でした。
だけど桜の木陰に入ると、通り抜ける風があって少し心地よい。

ねぇ、ねぇ
実は高田城が安普請だったって知ってる?
いやいや、丼ちゃん
それ違う!

確かに高田城は天守が築かれず三重櫓がその代用だったけど、決して安普請だったわけでなく、工期が僅か4ヶ月という急ピッチで築き上げられた天下普請だったというのが正解かな。
徳川家六男さんの居城となった高田城の築城は1614年(慶長19年)のこと。その直後に起こったのが大阪冬の陣で、高田城の築城で諸大名に経済的負担を強い、加賀前田家など豊臣方の重臣を牽制するためであったといわれています。

大阪冬の陣に間に合わせるための突貫工事だったので、手頃な石材が近くで調達できず、平城にも関わらず石垣も積まれず土塁が剥き出しのままですけど、時の戦スタイルが鉄砲戦が主流となってきていたので、それに備えてのこと…という良い見方もあるようです。

ふぅ~ん
城好きなため最後は話が大きく脱線してしまいましたが、仏様とも関わりの深い蓮の花を、高田城址公園で見つけた風景と共にお伝えしました。
おしまいに
蓮が育つ環境は泥沼です。泥水は人が生きていくうえでの苦しみや悲しみといった煩悩をあわらし、開いた蓮の花は悟りをあらわしています。蓮という植物はどんな困難や苦難があったとしても、いつか美しく花咲かせたいという人間の心を映した花であるといえます。
今、人間たちが置かれた状況が泥沼の中であるなら、いずれ開花する日が訪れるのだと信じつつ、今日はこれからご先祖様をお迎えするため、墓まで行って手を合わせて来ようと思います。

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