【越後へぎそば処 粋や】1日8食限定!秋の天へぎと【新津美術館】特別展ミイラ
この日は私の誕生日だったので、忘れないうちにと免許更新に行ってきました。
手続きは流れ作業、ゴールド免許なので講習も30分で終了。小一時間で全てが終わって新しい免許を手にすると、そろそろ時刻はお昼時。ずっと気になっていた蕎麦店があったので、新潟市内まで戻ってお昼にしました。

ショッピングモール内にあるこだわりの蕎麦店「越後へぎそば処 粋や」

お邪魔したのは、新潟県庁近くにある大型ショッピングモール
ここに粋やがオープンしたのは平成25年(2013年)のこと。比較的最近のことで、まだお店自体は新店の部類にはいりそうですが、それ以前の20数年間、ご店主は布海苔蕎麦の有名店でみっちりと腕を磨いてこられ、すでに蕎麦に携わって30余年という大ベテランです。
独立されてからはさらに蕎麦道を追及し、2017年からは佐渡で蕎麦の自家栽培を行うなど、こだわり抜いた独自のへぎそば文化を展開しているお店でもあります。
すでに何度もメディアに登場する人気店
DeKKY401は年に数回お邪魔しますが、ショッピングモールにある蕎麦屋だからというだけで、毎回気にも留めずに素通りしていました。私が粋やさんに興味を持ったのは数年前、地元メディアに取り上げられた際、かえしの寝かせ方がとてもユニークで印象深かったからです。型破りが通用するのは、すでにきちんとした型ができているからこそでしょう。

入店せずとも選べるほど、店前の壁にはたくさんのメニューが写真入りで貼り出されており、それに混ざって粋やさんの受賞歴なども紹介されていました。今年3月には、日本蕎麦保存会が選ぶ全国の美味しい蕎麦屋でベスト10入り。2018年に行われた全国オリジナル麺選手権においては、全国準優勝に輝いたという実力店です。
オリジナル麺というのだから、どんなメニューで全国2位になったのだろう?と思って調べてみると、1位の肩ロース肉の塩麴ステーキつけ蕎麦、3位のさぼてんのすまし煮込みの間に、ド直球の「へぎそば」の文字。普通だけど普通じゃない粋やのへぎそばは、全国に認められた蕎麦であるともいえるのではないでしょうか。
そんな情報を得つつ、入店前からジワジワとテンションが上がっていました、私。
平日の昼はサラリーマンや主婦たちで賑わう
お店到着は平日の午後12時半。平日だから空いているかと思いきや、サラリーマンや買い物に来られた主婦層で賑わい満席でした。ウェイティングボードに記名すると5~6組待ち。席に案内されるまでに40分ほど待ちました。

明るい雰囲気の店内には、2人掛けと4人掛けのテーブル席。さらに店の奥に白い暖簾が下がり、半個室になったテーブル席の一間が設けてありました。
案内されたテーブル席。卓上にはお冷、ゆず七味、ごま。
席に着けば、可愛らしいイラストが描かれたメッセージ付きの箸袋にふっと心が和みます。お冷と一緒に運ばれてきたのは佐渡産の切り干し大根。こういう心配りも嬉しい。
蕎麦だけでない豊富なメニューと粋やのこだわり
粋やさんのお品書きは、へぎそばをメインに天ぷらや丼もの、季節メニュー、そばだけでなくうどんの提供もあります。お店のメニューランキングもありましたが、堂々と裏メニューが公表されているのもユニークでした。
使っている食材の産地まで公表されている粋やさん。できるだけ県内産のものを使っている姿勢が伺えて好感が持てます。
10月期間限定、1日8食のみ提供の「秋の天へぎ」いただきました

秋の天へぎ(1,450円)
11月最初の週の利用でしたが、まだ10月限定メニューが提供されていました。
粋やさんでは9月半ば頃から新そばがたのしめます。自家栽培の新そばは毎年12月末頃になって登場するようなので、今の時期は北海道産のそば粉が使われているものと思われます。
粋やのへぎそば

粋やさんの布海苔そばは、他店では見られない布海苔の粒が見えるそばです。布海苔を煮る段階で加減し、布海苔の形が点々と残るようにそば打ちされ、大きな粒は手作業で取り除くという見えない手間の中で出来上がっています。
細めのそばは布海苔そば特有の喉ごしの良さと歯触りを持ちつつ、そばの香りがちゃんとあるのも他店の布海苔そばとは違うところかも知れません。
モーツァルトを聴かせたかえし

枕崎産の本鰹と早田節から取った出汁に、村上と佐渡の伝統的な醤油から作ったかえしを合わせたそばツユ。かえしを寝かせる時、厨房にモーツアルトを流してマイルドな味に仕上げているのが大きな特徴で、この行程が非常に興味深かったのです。
味醂の甘味が強く、追いかけてくる鰹の風味も心地良い私好みのツユでした。私は食べ初めに、そばに少しだけ塩を振ってそのまま味わうのが好きなのですが、粋やさんのそばツユは絶妙なバランスで布海苔そばとの相性も抜群。どっぷりとそばツユにつけて食べるのが最善だと思いました。
米粉で揚げる絶品天ぷら
- 広島産カキ
- 直江津産メギス
- 聖籠町産ギンナン
- 津南産マイタケ
- 県内産サツマイモ
- 県内産エリンギ
秋の味覚盛りだくさんな天ぷらは、米粉を使って揚げてあります。天ぷらのその殆どが県内産の食材ですが、何といってもメインは広島産のカキでしょう!笹川流れの塩をつけていただきます。
そばを盛る、天ぷらを引き上げるの連携作業もバッチリのようで、冷たい水で締められたキリッとしたそばに対し、天ぷらは揚げたて熱々の状態。天ぷらの揚げ具合がまた絶妙で、テーブルに届くまでの余熱で食材に火が入り切る、そのタイミングでいただけるので、ほっくりと揚がったサツマイモが驚くほど甘くて美味しかったのです。
〆のそば湯とそば茶

布海苔そばとしては濃いめのそば湯でした。他店の場合、そば湯だけでそばの風味を楽しむ私ですが、粋やさんはそばツユがとても美味しかったので、わざわざそば湯に入れて楽しみました。
徹底したCOVID-19対策で気持ちよく利用できるお店でした

最近になってまた少し食べ歩きを再開するようになり、各店舗のCOVID-19対策も気になるところ。料理人がマスクをしていない、客が帰ったあとのテーブルの上は撫でるだけで消毒もしない…。そんな雑な店に出会うこともあります。
しかし、粋やさんは私が見た中でも、一番配慮がのあるお店でした。店内の喚起、マスク着用は当たり前。客が使った席はテーブルだけでなく、椅子やメニュー、飛沫防止用の衝立に至るまで、全て丁寧に拭き上げてから次のお客さんを案内されていました。
店舗があるのは大型ショッピングモールの中でも、ご店主のそばに対する熱意も客に対する優しさも一流であると感じられ、居心地の良いお店発見になりました。ご馳走様でした。

越後へぎそば処 粋や
- 住所:新潟県新潟市中央区上近江4-12-20 DeKKY401 1F ※Google Map
- 備考:2013年7月16日OPEN
食事のあとは新潟市新津美術館で開催中のミイラ展へ
食事が済むとそこから新津へと出て、ずっと行ってみたいと思っていた、特別展 ミイラ「永遠の命」を求めてを見てきました。
展示物の撮影はできませんが、エントランス部のみ撮影が許可されていました。クイズの超人・伊沢拓司さんからミイラに関する挑戦状のコーナーもありました。
実は私、ミイラに関する催しは今回が初めてではないですし、西生寺におられる即身仏にもお会いしたこともあります。しかし今回はその展示が43体という数。説明板の一つ一つを逃さず読み進んだのも初めてだったのではないかというくらい、今回ばかりはゆっくりと時間を掛けて全て拝見してきました。
ミイラといって、まず最初に思い浮かべるのが古代エジプトではないでしょうか。その時代にすでにあったミイラを作るという技術もさることながら、木棺に施された緻密で豊かな彩色の図柄は美しく、物語を読み解きたくなるようなシーンが描かれていました。
ペルー北東部にあるチャチャポヤス地方では、その昔から先祖の遺骨を布で包み崖の岩棚に安置する風習があり、インカ帝国支配後に遺体がミイラとして安置されるようになります。まだ文字を持たなかった時代、情報の記録や伝達手段としてキープ(Quipu|結び目を作ったヒモ)を使った手先の器用な(と私は思う)チャチャポヤスの人たちが作り上げるミイラ包の布は現代の機械織にも劣らないような出来栄えで、時を越えてその手仕事を目の当たりにできる貴重な機会であったと思います。
そして何といっても衝撃的だったのは日本のミイラ。作ろうとしてできたのではないそのミイラは、江戸の時代に座棺の土葬が一般的であったことを伝え、ちょん髷の名残りを感じる髪が残り、目が合った時に一瞬、生前の面影を感じた気がしました。
みんな、生まれて生きて死んでゆく。亡くなった後にも、私たちに何か語り掛けてくる存在ミイラ。少し怖いながらも、ミイラと過ごした有意義な時間でした。
特別展 ミイラ 「永遠の命」を求めて|新潟開催
- 場所:新潟市新津美術館
- 期間:2020年10月10日(土)~同年12月23日(水)
おしまいに
平日だというのに、粋やさんもミイラ展も混んでいました。免許の更新が主たる目的だった日、普段と違った平日が過ごせた贅沢な誕生日になりました。
一生懸命にお仕事されている方々、ごめんなさい!
※父の四十九日前ということもあり、もうすでに2週間以上前のことでもあり、私の誕生日に関してはノーコメントでお願いします。
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