ワンコも一緒にお参りできる日本七社【冠稲荷神社】境内散策|三兄弟の七五三②
冠稲荷神社のペット社殿で三兄弟の七五三詣りをした後は、一番大きな甲大鳥居を潜り、ペット同伴も許されている境内を散歩してみようと思います。

ワンコだって七五三|日本七社【冠稲荷神社】|三兄弟の七五三
実に8ヵ月ぶりの県外脱出。お邪魔したのは、群馬県太田市にある冠稲荷神社です...
日本七社のひとつ冠稲荷神社のご由緒
冠稲荷神社は、平安時代の天治二年(1125)、新田氏の始祖 新田義重公の父、源義国公創建と伝えられ、伏見、豊川、信田、王子、妻恋、田沼と合わせ、日本七社のひとつといわれています。
冠稲荷神社HPより
承安四年(1174)源義経公は奥州下向の折、当社が源氏ゆかりの社であることを知り、冠の中に勧請(かんじょう)してきた京都伏見稲荷大社の御分霊を鎮祭しました。
また、時を経て、新田義貞公は元弘三年(1333)鎌倉幕府討伐の兵を挙げるにあたり、当社神前にて兜の中に神霊の来臨を請い戦勝を祈願されたと伝えられています。
この故事にちなみ、いつしか冠稲荷大明神と人々から呼ばれるようになりました。
見どころ満載!撮影スポットも多々ある縁結び(えにしむすび)の冠稲荷神社にて

京都伏見稲荷大社の御分霊を祀る冠稲荷神社。太田市の重要文化財にもなっている本殿・拝殿のほか、敷地内には大小様々な境内社が点在しており、うららかな秋の日差しの中、のんびりと一社一社を眺めつつ、我が子たちの記念写真を撮りつつ散策するにもピッタリな場所でした。
縁結びの桜
甲参道を進んで行くと、一番最初に出会う撮影スポットが縁結びの桜です。
二手に分かれた幹がふたたび結びついているので、縁結びのご神木とされているとの説明看板。…なるほど!
タモリさんが塗った扁額を掲げる南鳥居
平成27年(2015年)12月に放送されたNHK番組「ブラタモリ」にて、冠稲荷神社が取り上げられたそうです。その際、タモリさんが南鳥居に掲げてある額の一部を漆塗りされたとか。扁額の裏面には「漆塗協力 森田一義」と墨書があるそうです。

このまま南参道を行くよ!
南参道にある石鳥居
この先境内社が点在し始めるという位置に、立派な石鳥居が目を引きます。冠稲荷神社には東・甲・辰巳・南・戌亥と数多くの鳥居が存在しますが、それらは全て朱塗りの鳥居です。唯一の石鳥居が拝殿正面間近にあるこの鳥居。こちらは扁額までが石造り。派手さが無いゆえに、歴史と由緒を感じます。


木漏れ日の気持ち良い場所で、三兄弟も笑顔になってきたのでしばし撮影会。
境内のご神木
境内地は鬱蒼とするくらいに緑多く感じられました。拝殿横には御神木の巨大なクスノキ。振り返って見上げる銀杏の木にも乳垂が見られ、かなりの樹齢であることが伺えます。
七福神殿
納められている極彩色が施された七福神絵馬は、明和2年(1765年)に地元の彫物師・新井清尚によって作られたものです。
七福神巡りをせずとも、ここでお参りすれば一度にご利益を得られるのは有難いですね。ただ、神様は7人いらっしゃるので、十四度の拍手、拝礼でお参りしてくださいとありました。
八坂社(神楽殿)と諏訪社

ひと際大きくて目をひくのは、
中央左に見える朱塗りの社は、併設されている

境内には人の姿も多くなってきて、モデルさんたちも目線が定まらなくなってきましたね。
プロのカメラマンを従えた七五三撮影のお子さんの姿もあるので、撮影待ちの間、邪魔にならないようにこの辺でちょっと休憩しましょうか。
手水舎と源義経公ゆかりの御神水

手水舎に導水されているのは、源義経公ゆかりの厄除の聖水。拝殿前の御神水と源を同じくすると説明されています。

こちらが▲拝殿前にある「源義経公ゆかりのご神水」です。
社伝によれば、承安4年(1174年)源義経公が奥州に藤原氏を訪ねる途中、伊勢野で見つけた稲荷神像をこの清水で洗い清めたといわれています。また、京都伏見稲荷から烏帽子の中に勧請してきた伏見大神をこの地に祀ったのち、自らもこの清水で斎戒沐浴を行い旅の道中の無事を祈願されているとのこと。
以来、厄除水、方位除水、雨乞水、寒水など、ご利益ある聖水として庶民にも親しまれているそうです。
拝殿前の厄除の聖水はおわかちされており、大判角型のタレビン(お弁当の醤油入れの親分みたいなもの)が無数に置かれているのも印象的でした。
ふと見れば、ここまでモデル役をがんばってくれた三兄弟が、テオパパさんから中間報酬を受け取っておりました。
真っ先に食べ終え、「もっとないの?」的なDawn太の目が…(笑)
食べたら水も飲む、良い習慣が身についている弟たち。
テオくんは持参したお水でしたが、レオンくんは手水舎の御神水を頂戴して飲んでいたので、厄除け効果もあったかも…ですね。

無味無臭の水を飲まなくなってしまったDawn太だけ、弟たちより先に撮影再開。

午前10時を過ぎた頃から、境内には七五三詣りのご家族の姿が多くなり、他人様を入れずに撮影が難しくなってきました。
太田市重要文化財|冠稲荷神社の本社(拝殿)

間口三間、奥行三間の高床式入母屋造平入の冠稲荷神社拝殿。延享3年(1746年)建てられ、寛政11年(1799年)に改築が行われています。
御祭神は、開運・生命守護・厄除・方位除を司る
朱塗りの社殿に、極彩色を施した向拝彫刻の数々が見事でした。

拝殿内は七五三のご家族がお祓いのために次々に入り、とても混雑している様子でした。
実はワンコもペット社殿にてご祈祷してもらえるのですが、祝詞があがって諸々オプションが付けば諭吉さんが消えていくという噂もあり、私たちは極々略式で済ませました。

ひと家族ずつお参り。写真はテオ家が撮ってくださっていました。
写真では見えてはいない周囲にお子さんの姿もあり、ペット社殿での苦い経験もあるので(笑)本殿ではDawn太が暴れないよう、抱っこでお参りしました。(大人の事情で脱帽せずにお参りしていること、どうぞご容赦ください。)
太田市重要文化財|聖天宮

冠稲荷神社境内の古墳墳頂に建てられている聖天宮。

市の重要文化財だけあって、聖天宮も極彩色の彫刻が見事だと思って拝見していましたが、すぐ目の前で見られる脇障子の彫刻がまた繊細で見事!
聖天宮の建築には宮大工の棟梁であった弥勒寺音次郎と、その息子・音八が携わったといわれています。天井と周囲の彫刻は息子の音八の作だそうですが、宮中の菊紋をも彫った天下の名彫工とか。確かに!しばらく脇障子の前から動けず、見入ってしまいました。

聖天宮の左脇に案内看板があるのでさらに奥へと進んでみると、聖天宮の真裏に災難・ストーカー除という
災いや、断ち切りたい悪縁を強く念じながら大鈴を振り鳴らすと、音霊が古墳磐座へ届いて断ち切ってくれるというもの。
私も大鈴の棒を握り、思いっ切り振り鳴らしてみたのですが…。
逃…
あっ、Dawn太ごめん!

どうかウチのかぁ~さんが
これ以上、あの丸くて大きなガラガラを鳴らしませんように!
せっかく拝殿前の本坪鈴を抱っこ作戦で回避したというのに、まさかここで元の木阿弥になるとは…(笑)
冠稲荷神社 お守りと御朱印

お守りは、義貞公金木犀の下に位置する神札御守給与処にあります。
ペット用の御守も2種類用意されていましたが、同じデザインの御守をすでに他所で求めたことがあるので、冠稲荷らしい「福をもたらす白狐守り」を購入してみました。

御朱印は社務所で頂戴できます。
御朱印帳に直書きしていただけるのは、通年頒布されている▲写真の2種類のみになります。どちらも「冠稲荷神社」と書かれており、右側は通常、左側は丸文字の御朱印です。
また、月ごとに変わる限定御朱印も用意されていますが、こちらは書置きのみの頒布になります。
参拝客が多く見込まれる祝祭日などの場合、通年頒布の御朱印も直書きをお休みする場合があるそうです。
おしまいに

三兄弟がお揃いの姿でお参りを終えると、巫女さんが一人近づいてきて、写真を撮ったりナデナデしてくださいました。その時の様子が冠稲荷の公式ブログに載っていました。※冠稲荷神社ブログ
とてもフレンドリーで可愛い巫女さんでした。人好き、お姉さん大好きな子なので、こんな時は前面に出ていくのも、小さい時から変わらぬDawn太らしい性格です(笑)

群馬県指定の天然記念物であり「日本一」と呼び声高い冠稲荷の木瓜も、義貞公金木犀すら花の終わってしまった時期でしたが、緑多く清々しい境内は、まさに「安らぎの宮の森」にふさわしい場所であると感じました。
犬の奇数年は厄年でもあるといわれていて、無事に5歳になった三兄弟揃って七五三の参拝ができたこと、本当に嬉しい一日でした。ご一緒したテオ家、レオン家、どうもありがとうございました。

実は今回、境内地の戌亥参道側を見学してきませんでした。また、東鳥居脇にあるティアラグリーンパレス併設のカフェ フォレスタに森の宮ジェラートなるメニューがあり、アイス食いとしても気になるところでした。
お狐様のいる冠稲荷神社は、犬飼いにとっても居心地の良い場所だったので、次は木瓜の花が咲いている時期、大きな行事のある時期にでも、個人的に遊びに行ってみたいと思いました。
冠稲荷神社での七五三の話はこれにて完結ですが、三兄弟の群馬旅はもう少し続きます。
Saturday, October 31, 2020|三兄弟 生後2,077日