おウチで簡単玄米ご飯
濃霧で先の見えない今朝の散歩で、近所では一番早く春を告げてくれていた、町一番の桜の古木が伐採されてしまったことを目の当たりにし、大変ショックだった管理人のそふぃあです。
そう!時代は刻々と変化している。
今年は「令和」という新時代を迎えたわけですが、小さな町であっても、この一年で随分と変化がありました。
この夏、半世紀に渡ってお世話になった電気屋さんが閉店されるというので、閉店直前になり、オンボロでどうしようもなくなっていた我が家の炊飯器をようやく買い替えました。CMを見て知ってはいましたが、実際に使ってみると、これがかなり進化していて優れもの!

さらに最近のこと、近くでたまたま出会った有機栽培コシヒカリ新米の玄米。
以前から、できるだけ野菜は皮ごと食べましょう!な我が家。私自身にいたっては、そばも更科系よりも挽きぐるみの田舎そばが好きであったり、真っ白艶々・モチモチの水澤うどんのお店でも、あえて全粒粉の茶色いうどんを注文するくらい皮つきの穀類が好きなのです。
お米も本当は玄米が好きなのですが、こればかりは家族の同意が無いと無理。白米大好きで、学生時代に友達から「米食い虫」とまで言われていた旦那を何とか説得し、雑穀生活を初めて彼是十数年になっていました。十数種類も雑穀が入った商品は食べる総合ビタミン剤のようで栄養的にもバランスが良いのでしょうが、特にこの雑穀のこの効能を期待したい!と、最近は二種類の雑穀に絞って利用。食感のパンチに欠けていた時、末っ娘の「もち麦入れて!」のリクエストで、食感にモチモチ感が加わってそれはそれで良かったのです。
そんなご飯生活の中、ずっと感じていたのが、「わざわざ栄養を引き算した白米に雑穀をプラスしなくても、そのままで栄養豊富な玄米を食べたら安上がりであるのに」ということ。そんな折に出会った有機栽培玄米は、天からの贈り物のような存在でした。(ちょっと大袈裟ですが)
そもそも玄米とは

お米は稲から脱穀された状態が籾であり、籾の一番外側を覆う籾殻を取り除いたものが玄米です。玄米は外側から外糠層(果皮・種皮)、内糠層(糊粉層)、澱粉層という組織構造になっています。そこに胚芽を足した米一粒のうちの7~9%が糠と呼ばれる部分で、糠にはビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。
玄米をさらに精米したものが白米になりますが、糠の持つ栄養素をほぼ捨てた炭水化物の塊のような状態になりますので、やはりそれは勿体ない気がします。
なぜ玄米が良いのか
玄米・白米ともに、ご飯茶碗一杯分(150g)の熱量、たんぱく質、そして炭水化物含有量などほぼ同じです。しかし玄米には、ストレス社会に置かれた現代人に嬉しいGABA(ギャバ)をはじめとし、ビタミンB1、ミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれ、中でも食物繊維は白米の4〜6倍近くも多く含まれています。
昔の人たちが一汁一菜のような粗末な食事でも生き抜いてこれたのは、玄米を主食とし、米の栄養を余すことなく摂取してきたからであると思います。
さらに、玄米食にすると噛む回数が増えるので肥満防止になります。さらにはよく噛むことで唾液の分泌を促し、お口の中の健康や内臓疾患の予防にも繫がると思います。食後の血糖値の上昇が緩やかなので、太りにくい性質があるともいえますね。
進化した炊飯器で、おウチでも簡単に美味しく炊ける玄米ご飯
私自身、玄米ご飯を炊くのも初めてなので、炊飯器任せで一度炊いて成功したあと、本当にこれで良いのかネットで調べてみました。すると、良いこと悪いこと様々出てきて驚きました。昨日今日の食べ物でなく、大昔から日本人が食べてきた玄米であるはずなのに。
兎にも角にも、現代の炊飯器はとても優秀ですので、白米とほぼ同じ作業で間違いなく美味しく炊けます。
玄米を洗う
玄米は白米のように研ぐ必要がありません。糠がオイルコートのような役目をし、水をはじきやすい性質がありますので、3回ほど水を替え、浮いてくるゴミや玄米を除きながら洗ってあげればOKです。
逆に言うと、白米と違って浸水時間が長くかかってしまうので、洗い終わった玄米をゴシゴシと研いで表面にわざと傷をつけてやることで、玄米により一層水を吸わせる工夫をされていたお米農家さんもあって、その発想は目からウロコでした。
玄米を水に浸す
よく「玄米を炊く時は一晩水に浸けてから」なんて聞いたことはありませんか。最低でも6~7時間浸水しないと芯が残って不味いですよとか。真夏は3~4時間でも良いけれど、真冬はやっぱり一晩の時間が必要だよとか。その時間の手間があるので、玄米を炊くのをためらう人も多いはず。

けれど、今の炊飯器は同銘柄の炊き分けコースや、米の種類別炊き分けモードなども標準装備されているので、玄米コースが用意されている炊飯器であれば、研ぎ炊きの状態(浸水時間0分)でもちゃんと炊き上がる優れものです。
玄米のGABAは、水に浸けてから約4時間後に最大値を迎えるそうで、玄米GABAを効率よく摂取したいのであれば、浸水4時間後にタイマーがオンになる設定が良いそうです。私は、昼が済む頃に夕飯分の米を準備するので、4~6時間程度の浸水で炊き始めになります。
玄米を炊く

水加減も内がまにあるライン通り。あとは炊飯器任せです。
スチーム炊飯モードで白米を3合炊く場合、我が家の炊飯器では50分(電気代6.5円程度)かかって炊き上がりになります。しかし、スチーム玄米モードの場合は炊き上がりの2時間前にスイッチが入り、ゆっくりと時間をかけて炊き上げます。(使用電気代は10円程度)
いただきます

健康に良さそうだけど、不味いのを我慢して食べるのは…と思っている人もいるかも知れませんが、進化した炊飯器の実力は凄いので、玄米だってこんなに簡単に、モチモチで香ばしく炊き上げてくれるんですよ。
もしかしたら特有のクセが残って、五分づき程度にしないと食べられないかと思いましたが、玄米そのままでも白米大好きな旦那も文句を言わず、歯の弱い80半ばの義母も普通に食べています。末っ娘にいたっては「お弁当も玄米ご飯にして欲しい」というくらいで、とにかく家族にも好評です。
塩を入れて炊くというレシピもありますが、我が家は塩は入れずに白米と同じように炊いています。
玄米のデメリットについて
白米に比べて食物繊維やビタミンが多いこと、最近の炊飯器では美味しく炊けることをご紹介した玄米ですが、体に良いはずの玄米が「毒」であるという記述も多くみられることが驚きでした。玄米についてのデメリットなど、少しだけ触れてみたいと思います。
生産者を見極めなければならない(残留農薬問題)
米を栽培する時に使用された農薬は、その8割が糠層に残留しており、精米することでそぎ落とされ、農薬の含有量を8割減少できるといわれています。よって、玄米を食すのであれば、農薬の有無やどんな肥料を使っているのか?生産者の顔が見えるものを購入するのが最善だといえます。
我が家が購入したものは、化学肥料は一切使わず、有機活性肥料で土作りから行われた玄米。けれど無農薬とまではいかず、通常の半分以下の特別栽培米とのこと。大丈夫かな?と思いましたが、米が主食の日本では、玄米の状態で残留農薬が基準値以下のものしか流通しておらず、炊飯などの熱によっても分解、減少するので、有機肥料減農薬栽培であるなら、あまり神経質にならなくても良い範囲かも知れません。
玄米毒について
デトックス効果があるはずの玄米に含まれる有害物質として、フィチン酸とアブシジン酸がやり玉に上がっている記述も多くみられます。「フィチン酸がミネラルの吸収を阻害する」「アブシジン酸は体に有害である」といった内容のものです。結論から言うと、一方はとある学者の仮説から発展したもので、近年の研究によりどちらも白で、消費者に害が生じる可能性は極めて薄いということです。
フィチンは玄米以外の食品にも含まれ、玄米だけを問題視するのはおかしなことです。加熱した玄米では毒性も弱まり、むしろ、体内の有害物質をデトックスする働きをします。また、発芽成長抑制作用のある植物ホルモンであるアブシジン酸は、発芽させることによって無毒化するという話がありますが、発芽にいたるまでの長時間の浸水による食中毒なども気になるところ。長時間の浸水によってGABAは発芽の栄養素となって減少し、一旦発芽してしまうとフィチン酸も役目を終えて消えてしまうことになります。
適切な時間の浸水。その後加熱することによって、玄米に問題視されていることの大半が解決するように思いました。私は専門家ではありませんので、興味のある方はさらにご自身で検索してみてください。
おしまいに
美味しくて好きだからという理由で食べ始めた玄米。ちょっとした興味で調べはじめたことが、まさか毒の話にまで発展するとは思わずビックリな結果でした。
海外では認可されていない添加物が、我が国では認可されて添加されている食品も数々あります。それをデトックスしてくれるであろう玄米の存在。一つの情報が確証も無いまま拡散してしまう時代。どの情報をどんな風に選択するか、それすら難しいような気もしますが、私は日本人がずっと続けてきた古来からの食が、ここに来て間違っているとは思えず、好きなものは好きなものとして、自分も食べ続けていきたいと思いました。
とはいえ、どんなに健康に良いとされるものでも、そればかり続けて食べてはいけませんね。いろいろな食材を満遍なく食べることで、足りない栄養素を補い、またたとえ毒が隠された食材であったとしても、他にデトックスしてくれる食材もあるわけで、我が家の食卓も、白米あり、雑穀米あり、玄米ありと、ローテーションで楽しむことにします。
何よりも食は楽しみ。楽しんでいただくことで、きっと最高の栄養となることでしょう。