加茂市にある善作茶屋で名物のところてんをいただきました|これを食べねば夏が終わらぬ
加茂市内を流れる加茂川沿いに「ところてん」の幟旗がはためくと、シーズン中に一度は足を運ばないと、なんだか夏の忘れ物をしたような気持ちになってしまう老舗店。この夏もお邪魔してきました。

明治初期から続く老舗のお休み処「善作茶屋」

初代であった善作さんが明治初期の頃に開業した「善作茶屋」。
お店の前を流れる加茂川には山からの沢水が流れ込んでいて、お店裏手の山からも、天然の恵みである清水が湧き出ています。初代である善作さんは140年以上も前に、ここに良い水があるのを見つけ、ところてんを名物としたお店を構えたのかも知れません。
茶屋前のバス停の名前も「善作茶屋」なんだよ!

近年もメディアに取り上げられる有名店です。

我が家が善作茶屋さんにお邪魔するようになり、今年で彼是7度目の夏になります。
通い始めた当初は、60年近くにわたって茶屋を切り盛りしてきた、四代目の名物おばあちゃまが店に立たれていた時代でした。Dawn太を我が家に迎えたのと同じ年(2015年)に店は代替わりし、現在は娘さんである五代目さんご夫婦が営んでおられます。

実は、五代目ご夫婦もボーダー飼いさん。代替わりした年の夏にパピ丼を連れて店を訪ねて以来、いつもDawn太を連れてお邪魔するので、すっかり顔なじみのようになっています。そして訪ねる度、毎回ボーダー話に花が咲く。(笑)
90歳になられた先代のおばあちゃまも、14歳になったボーダーさんも、どちらも元気に過しているとのことで安心しました。ボーダーさん、ダイエットに成功して19キロになったのだと話されていました。
140年以上にわたって受け継がれる名物ところてんをいただく

注文すると、かるく水で流した人数分の皿を並べて作業に入られます。
店内に導水されているのが、店の裏手に湧く名水「善作茶屋の水」。湧水の水温は10~11℃程度。冷たくまろやかな味わいの清水です。

おばあちゃまの時代と同じように、天突き器でところてんを二度突き出し、目分量で醤油と酢をクルクルッと回しかけ、最後に和ガラシの付いた1本箸をさして…
はい、お待ちどうさま!

善作茶屋のところてん(300円)

しょっぱ過ぎず、酢っぱ過ぎず。毎回、目分量とは思えない同じ味加減。母から娘へと受け継がれた味は、その手が変わっても同じ味が生み出されていると感じます。
使い込まれた道具と店内の様子

善作茶屋さんにお邪魔して、まずその存在感に驚くのが、長年使い込まれた、この「水船」と呼ばれる石の水槽でしょう。
大きな石をくり抜いて造られた水船は3つに分かれていて、流水口の真下にはメインのところてん、中央部には瓶飲料、最下流部にはゆで卵や缶ジュース等と、それぞれに冷やされるものが異なった天然の冷蔵庫になっています。
店内にもテーブルや小上がり席が設けられていますが、我が家は犬無しでお邪魔している時代から、いつもこの水船が間近にある軒先の席を陣取ります。

そして座った席から見える、ノスタルジーを感じさせる店内の風景がまた好きで!
使われているものは、その一つ一つが時代を経たものたちですが、いつもきちんと整理整頓されているので清潔感があります。
善作茶屋さんが特に混み合うのがお盆時期とのこと。今年のお盆も、このロケーションと雰囲気、懐かしい味わいを求め、たくさんの帰省客で賑わったことでしょう。

地元野菜の販売などもされていて、新鮮で美味しそうだったので、ナスにゴーヤにミニトマト、ピーマンと、置かれていた半分も買い占めてきました…私。(笑)
おしまいに

このご時世にクーラーすら無くタイムスリップしたような店ですが、加茂川のせせらぎや、店内へと導水されて流れ落ちる清水が天然のクーラーとなり、他よりも少し涼しく感じられる環境にあります。
Dawn太をちょっとナデナデしている間に提供される「ところてん」は、日本古来のファストフードであり、真逆の意味を持つスローフードであると感じます。
ご馳走様でした。

善作茶屋
- 住所:新潟県加茂市黒水1185 ※Google Map
- 備考:明治初期創業
Sunday, September 1, 2019|Dawn太 生後1,651日
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