登山のあとのお楽しみ!羽黒山の名物グルメ「力餅」三昧|山形県
羽黒山の山頂に到達し、29年ぶりに三神合祭殿の参拝を終えたものの、御朱印を頂戴するのに40分以上かかるとのこと。待ち時間の間にさらに境内を散策しつつ、喉がカラッカラだという末っ娘のために自動販売機を求め、売店などが立ち並ぶ羽黒山頂大駐車場方面へと向かってみました。
実際に訪ねるまで知らなかったのですが、山頂駐車場には観光客相手のお休み処がたくさん!(29年前の記憶が全く無い)しかも、山形に来たら食べたかったものが、ここに勢揃いしているという。
…そんなわけで、ちょっと予定を変更し、山頂でお昼を済ませてから下山することとなりました。
ごへい茶屋にて 山形の郷土料理と名物「やまぶし団子」の昼食

レストハウス側は大型観光バスのお客さんが多そうなので、反対側にあり、長屋形式のお休み処が立ち並ぶ方へ。
その中でも右側に位置するのが、土産販売&飲食店を営んでおられる「ごへい茶屋」。お土産物の中には、オリジナル(手作り品?)の五重塔ブレスレットなども販売されていました。

ごへい茶屋さんの軒先の両側には、犬連れでも利用できる席があります。お店の人たちは犬好きで、犬連れで利用できるか確認していると、変わり万古にDawn太に声をかけては撫でて下さいます。それもそのはず、お店にはミニチュアダックスの看板犬がいるのだそうです。高齢犬のため、この日は連れてい来てはいるけれど車内待機だとのことで、看板犬さんには会えませんでした。

さて、山頂駐車場にお店は数軒あるのに、私がこちらへ引き寄せられたのは▲この看板!この他にも、山形の郷土料理などが用意されていましたので、躊躇なく、この日のランチ店に決定でした。

ごへい茶屋名物「やまぶし団子」(1串200円)
やまぶし団子は「醤油ダレ」と「味噌ダレ」の2種類あり、私たちは「味噌ダレ」で。焼きたて団子の伸び良い柔らかさ、甘じょっぱい味噌ダレが後引く美味しさで、山歩きの空腹感を優しく埋めてくれる、良き前菜役になってくれました。
出されたお茶は「出羽三山開運茶」。 松茸・舞茸・椎茸の3種のキノコに加え、山形県の花である紅花が入った、少し塩味もあって美味しく、珍しいご当地茶でした。

麦きり(700円)
庄内地方を中心とした山形の県民食「麦きり」に、小鉢2品がついたメニュー。気温が上がってひと汗かいたあとだったので、ツルンと歯応えある冷たいうどんで食がすすみます。

べんけい飯(700円)
こちらも庄内地域に古くから伝わる郷土料理「べんけい飯」。味噌を塗ったおにぎりを青菜漬けで包み、焦げ目がつくまで香ばしく炙ってあります。副菜の種類も豊富。お吸い物までついてこのお値段は嬉しい。

26℃にもなる日だったため、ごへい茶屋ではカキ氷を求めるお客さんも多く、氷を削る聞きなれないその音が苦手で、椅子の下に入ってしまったDawn太(笑)。Dawn太にはちょっと気の毒でしたが、旅先で思いがけず山形郷土料理の数々に出会え、予定変更で飛び込んだことがラッキーであった「ごへい茶屋」でした。ご馳走様でした。
羽黒山頂で「力餅」といったら(有)さいとう 斎藤商店

二軒目のお店は、向かって一番左側にあり、人懐っこい笑顔がチャーミングな看板お母さんのいるおみやげの店「さいとう」さん。

各種お土産物が揃う店内。

店先に置かれていたのは、山形の一大菓子メーカー「でん六豆」の季節商品「さくらんぼでん六豆」。「また今年も山形にサクランボの季節が来ますね。」なんて世間話をしていたら、試食用に少し出してくださいました。

さいとうさんは店内に食事席があるので、本来であればそちらを使うのが好ましいようです。我が家は犬連れであるのでその旨を告げると、快く店先のテーブル席を使わせていただけました。

さいとう商店さんでも、席に着いてサービスされるのは「出羽三山開運茶」でした。少し塩分のあるお茶ですが(薄めなシイタケ茶を想像してもらうと分かりやすい)山歩きで汗をかいたあとなので、何杯出されても美味しくいただけます。しかもこの若干の塩気が、このあと登場する餅の甘さにもよく合うんです!

さいとう商店提供の「力餅」(各500円)
さいとう商店さんで提供される「名物 力餅」は、餡餅・胡麻餅・黄粉餅・納豆餅・雑煮餅の計五種類。
奥は末っ娘の黄粉餅、手前は私の胡麻餅。一口サイズのお餅を想像していたら、ガッツリ大きなお餅が三つも入っていてビックリ!贅沢に使ったすり胡麻が香ばしく、胡麻ダレはとても濃厚!甘ったるくない胡麻ダレなので、トロンととろけるようなつきたて餅が、何の抵抗もなくどんどん入っていきます。添えられた沢庵の塩気、途中で飲む開運茶がまた旨い!
食べているとお店のお母さんが「何色の黄粉食べてる?」と、山形訛りの言葉で問いかけてきます。ウチの方は青大豆黄粉も大豆黄粉も共存しているので「青も黄色もどちらもあります。」と答えると、「ウチの方は青いのよ。」と。
あっ、確かに!
その後は、納豆に馴染みの薄い関西からお嫁に来た女性が納豆餅の大ファンになって、来る度に必ず納豆餅を食べて行くというお話とか。この前、新潟から来たという客が、会話の中で「はばける」という方言を使っていて、山形でも同じ方言を使うのよ…という嬉しいお話とか。
力餅が美味しいのは勿論のこと、とにかく明るくて、話好きなお母さんも名物のひとつになっているような、楽しいひと時が過ごせる「さいとう商店」でした。ご馳走様でした。
下山します

早めに昼食を終え、御朱印所に預けてあった御朱印帳を受け取り、三神合祭殿にもお別れを告げて羽黒山を下山します。

下山道の途中から私たちの少し前に、同じように下山する白装束の修験者の姿がありました。

こちらは三山の永代供養塔前ですが、参道脇のあちこちに立ち寄っては、手にしている法螺貝を吹いて奉納(?)邪気払い(?)しながら下山しているようでした。
この姿で歩いていらっしゃる時には気づきませんでしたが、後に茶屋でもご一緒し、笠を取ったお姿を拝見したら女性の修験者さんでした。
ご利益までいただけそう!?羽黒山の名物「二の坂茶屋」

魔除けの引綱がぶら下がる二の坂茶屋
下り道は呆気ない。あっという間に、行きの上り坂で「名物 力餅」が誘惑していた二の坂茶屋に到着です。
軒に吊るされている太い綱は「魔除けの引綱」といい、大晦日から元日にかけて行われる羽黒山の代表的な火祭り「松例祭(冬の峰)」の際、悪魔に擬したつつが虫を引張って焼き捨てるという、五穀豊穣の神事に使った引き綱です。この綱をかけると悪魔が近寄らないと伝えられているとかで、門前町の手向(とうげ)集落などでも玄関先や軒先に見られるものです。
二の坂茶屋は、江戸時代から続く老舗店です。茶屋は雪の無い4月下旬から11月上旬だけ営業していて、茶屋を営むご一家は、毎日ここまで石段を上ってきては営業されているといいます。しかも、名物「力餅」は江戸時代から変わらぬ杵つきの手作りというから、これはご利益ありそう!

力餅は、あんこ餅・きなこ餅・納豆餅の三種類から選ぶことができます。嬉しいことに「こどもの日」であったこの日は、力餅が特別に「草餅」で提供されていました。

ミックス餅2個抹茶付き(600円)
茶屋のオススメは、「きなこ」と「あんこ」の力餅にお抹茶が付いたミックスセット。さすがの私ももうたくさんは食べられそうになかったので、それぞれの味が楽しめればと、最小限の2個セットにしてみました。

羽黒山は何処のお店でいただいても、箸休めまで用意されて温かいサービス心を感じます。こちらは草餅でしたし、きな粉の味も山頂のお店とはまた違って、同じ力餅でも甲乙つけがたく、お店の個性もそれぞれに感じられて食べ比べが楽しかったです。

Dawn太からは、食べ過ぎダメダメサイン食らっちゃってますけどネ…(笑)

玉こんにゃく(150円)
「もうお餅いらない!」という末っ娘はところてん希望でしたが、昼時を過ぎた1時半ではすでに完売で、頼めば手渡しで提供される、山形名物の玉こんにゃくを選んでいました。

二の坂茶屋からは、庄内平野が一望できる抜群のロケーションが広がっています。ちょうど田んぼに水が入った時で、「陸の松島」に相応しい景色。これを眺めながらなので、何をいただいても美味しいに決まっています。
飲み物売り場担当のお姉さんが犬好きなようで、手が空いている時にDawn太を撫でに来てくださいました。これから上りで途中休憩だと思われていたようで、「ご馳走様でした!」と声を掛けて下り道へ向かうと、「もう帰りなんですね!」と、もうDawn太に会えないことがちょっと残念そうでした。
老舗店はやっぱり老舗!きっとまたいつかお邪魔します。ご馳走様でした。
おしまいに

急激に下る二の坂。行きはあんなにキツかったのに、帰りは食べればすぐエネルギーに変わる「餅パワー」のお陰で、胃にもたれることもなく、楽勝で麓まで戻ることができました。
帰って来てから思い返すと、この二の坂のキツさが妙に癖になる羽黒山でした。またいつか、改めてお参りに出掛けてみようと思います。
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