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帰宅後の急変|4.15後編

2015年04月17日

老オン
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最後になった通院

獣医師のもとに朝の9時に預け、夕方の7時前に迎えに行くのは前回同様。
途中1度吐いたそうだが他に問題はなく、1日中点滴されて静かに過ごしていたらしい。
獣医師のご好意から「食べられたらあげてみて。」と、退院サポート用の高カロリー食の缶フードを1ついただき病院を後にする。
オリオン、自力で歩いて車へ。

帰宅直後からほぼ動けない状態

自宅に着いて旦那が車から降ろし、大量に出るであろうオシッコのため、雨上がりの道を外から裏庭へと連れて行く。
裏庭までは何とか自力で歩けたものの、オシッコをする場所を探しながら腰が抜けたようになり、そのまま崩れるようにへたり込んでしまった。
旦那が抱えて、軒下のオリオンの居場所まで連れて来る。
(後になって振り返ってみると、尿毒症で後ろ足が麻痺していたのだろう。もし病院でへたり込んでいたら、獣医師は「今日は入院で」と言ったに違いないが、それを悟られないよう、オリオン自身が家に帰りたいと望み、獣医師にも元気と思わせるよう、自らがんばって歩いて病院を後にしたのだと思う。)

元気になるため点滴治療に行かせたのに、朝よりも悪い状態で帰宅したことに、家族一同、嫌な雰囲気を感じる。
再び自力で立ち上がり、ハウスに入ったのを見届けつつ、私たちは夕食になった。

食事をしている部屋のガラス越しに、オリオンの様子が全て見えるのだが、ハウスに入って暫くすると、普段殆ど声を出さない子が、心細そうな声で誰かを呼ぶように鳴いているのだ。。。
再び、嫌な空気が食卓に流れる。
当時、まだ生まれていなかったちび子を除いて、17~8年前にも皆で同じような光景を記憶しているからだ。
明け方に亡くなった先住犬が、その前夜から、同じように家族を呼ぶように悲しい声でずっと鳴いていた遠い記憶…。

食事を止め、旦那が傍で撫でながら見守っている。その間は大人しくしている。
旦那が食事に戻って来て自分だけになると、また声を出す。
今度は私が撫でに行く。
「オリちゃん、桜が満開なんだよ。早く良くなって、また一緒に散歩しようよ。」
ダルくて辛そうなのだが、人に触れられていれば満足で、大人しく人のグチを聞いている姿を見ながら、急に涙が溢れてきた。
「お願いだから、元気になって…。」

結局のこの晩、オリオンがご飯を口にしなかったのは勿論のこと、私たち人間も、作った料理は半分以上が残ったままだった。

最後の団欒

夜に鳴いては近所迷惑にもなり、少しでも家族の近くにと、この日は早めに家の中に入れた。
この時、もう後ろ足に踏ん張る力は無く、自力で立って歩くことすら難しい。移動は常に旦那の抱っこだ。

点滴の針が刺さったままのオリオン

前回5日間、点滴の針が射されていた左腕に再び新しい針が刺さっている姿が痛々しい。

再び小さく声を出して誰かを呼んでいる。
そういえばオシッコがまだだったのだと、旦那が再び庭に連れ出してくれた。
庭に降ろすと自分で立って歩き、いつもオシッコをする場所を探しながら、結構な距離を移動したのだが、またオシッコが出る前に力尽きてへたり込んでしまった。
布団の上に戻って来たオリオンに「ここでオシッコしてもいいからね。」と言うだけ言い、気を使って洗い物を代わってくれると言った旦那を断り、いつものように夕飯の後片付け。何か作業でもしていないと、私も不安で仕方ないのだ。

奇跡の一枚

私が夕食の片付けをしている間、ずっと長女がオリオンの相手をしてくれていた。時間にして2時間弱。こんなに辛抱強く相手をしてくれるとは思っていなかった。
オリオンが来た時はすでに中学生で、日々忙しく、ゆっくりとオリオンの相手などした事の無い子だが、オリオンにとっては「近くて遠い」そんな存在の姉が大好きだ。

オリオン奇跡の一枚

散々相手をしてもらった午後9時過ぎ、長女に向かって見せたオリオンのこの表情。
まるで幼い頃のような顔で、長女のことをしっかり見つめていた。

普段、ドアの方を向いてここにいる子が、今日に限って、ずっと家の中を向いて休んでいる。

夜が深まるにしたがい、家族が休む時間だと悟ったのか、オリオンもいつの間にか静かに休んだと記憶している。
確かにそれまで、私も少し眠れたのだから。
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そふぃあ
Posted by そふぃあ
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