善光寺御開帳
2015年06月18日
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6年に一度の善光寺御開帳にて

今年は、6年に1度(数えで7年)の善光寺前立本尊さまの御開帳年でした。
6年前の今時期、ようやく遠出が出来るようになった私。当然のように善光寺御開帳にも行ってみたいと思いました。しかし、たまたま朝6時過ぎに点けたTVの画面に、回向柱に並ぶ行列の様子が生中継で映し出されていて、その様子を見て一気に行く気が失せました。
なのに、今年はチャレンジした!
その行列に並んでも、お参りして来たかったのです。
回向柱に触れるまで
ちび子の部活が完全休養日だというので、その日に合わせ朝5時起床、6時前出発。道中はスムーズで、8時半には高速を下りますが、すでに市内に駐車場待ちの行列が出来ていて、入れた境内北西の第一駐車場に停めた頃、渋滞の列に並んでからすでに1時間が経過していました。第一駐車場から本堂脇へと出て来ると、回向柱前はもうすでに凄い人の列。何処まで行けば最後尾!?

結局、回向柱を拝む行列の最後尾は仲見世を抜け、大門過ぎた辺りまで果てし無くできていました。

昨年秋に秩父霊場巡りを結願し、善光寺へとお礼参りに来たのが11月23日のこと。丁度、長野北部を震源とする震度6弱の地震が起こった翌朝のことでした。その日見た悲惨な光景。仁王様の足は繋ぎとめられてはありましたが、地震のことなどすっかり忘れてしまったように、その傷跡に気づく人も少ないようでした。

ゆっくり、ゆっくりと進む行列。
小一時間ほどかかり、ようやく山門の下まで来ました。ここまで殆どが日向でしたが、山門下だけ日陰なので、ちょっとホッとできます。

ここを抜ければようやく境内。回向柱はすぐそこですが、しかし、ここからが行列の進みがさらに遅いです。
振り返ってみれば、自分たちが歩んで来たのと同じく、ずっと、ずっと後ろまで、新たな行列が完成しています。
そろそろ10時半。これから各行列に並ぶ人もあり、参拝者の数は、益々増える一方でした。

ようやく回向柱の真下へ。我が家も、そのご縁にしっかりと触れました。回向柱に触れることで、仏さまのご慈悲を受け、極楽往生ができるといいます。また、回向柱は卒塔婆も意味し、先祖の供養にも繋がると。
そう、きっと私はここで、先祖や自分に関わったもの全ての(特にオリオンの)供養がしたかったのです。

善光寺では御本尊様は絶対秘仏なので、御開帳だからといってそのお姿が望めるわけではありません。開帳されているのは、前立本尊さま。ご縁の綱も、その前立本尊さまから結ばれています。こういう形式での御開帳は、全国でも珍しいと思いますが、各地からこれだけの参拝者が集まるのは、無宗派で、古くから多くの人々の願いを聞き入れ、救ってきた証でしょう。回向柱とハロー。神秘的な光景に出会えました。

回向柱に触れたあとは、そのまま外陣からお前立を拝みました。とにかく人、人、人で、遠くからちらっと眺められただけでしたが、ご本堂の同じ空間の中にいるのだと思うと、それだけでありがたい気持ちになりました。
御朱印を頂戴するまで
それが済んだら▼こちらの行列にも並ぶ!とにかく、並ぶのも修行なのです!!!御朱印はここ1箇所のみで、トグロを巻くように、日向に長蛇の列が出来ていました。
私は、善光寺さまで御朱印を頂戴するのも、今回で4回目になります。なので、御開帳に訪れたことがわかるよう、御本尊様の御朱印1つのみです。

善光寺 御朱印
お釈迦様の足跡に触れてみる

その後は、境内にある仏足跡の参拝に。
仏足跡は、お釈迦様の足跡を石に刻んだものです。仏像が造られる以前からお釈迦様を表す象徴としてあったもので、善光寺さまの仏足跡は、足腰の健全にご利益があるそうです。

直接触れてお参りできるので、私も「これからも元気に散歩できますように!」、「山登りできますように!」と、願いを込めで参拝してきました。
大勧進御開帳
さて大勧進まで来ると、護摩堂前にもご縁の柱が。こちらは回向柱ではなく、不動明王とのご縁を結ぶ「結縁柱」です。結縁柱がある期間は善光寺御開帳よりも長く、すでに2月末から建てられていて、9月末まで触れることができます。

こちらで御朱印を頂戴するのは2度目になりますが、せっかくなのでこちらでも。

大勧進 御朱印
大勧進の大門を出て、橋の上から見るこの景色。私が最も好きな善光寺スポットです。山門上の人も、回向柱も、この位置からも確認できます。

世尊院御開帳

善光寺前立本尊の回向柱に触れたら、さらにもう1箇所、共に触れたい、もう1つの回向柱が建つお寺がありました。それが、善光寺宿坊の1つである世尊院。
我が県にある「浜の善光寺」と呼ばれる十念寺ともゆかりの深いお寺さんなので、善光寺を訪れればお参りに行くお寺さん。もちろん、昨年秋の震災後も訪れています。

現在の善光寺ご本堂が建立される以前、現在の延命地蔵尊が建つ場所に、善光寺如来堂はありました。それに向かい合うようにあったのが、この世尊院です。世尊院釈迦堂には、我が国唯一といわれる、全長164cmの等身大銅像である「釈迦涅槃像」が安置されています。

世尊院のお釈迦さまは現世の仏さま、善光寺の阿弥陀如来さまは来世の仏さま。つまり、世尊院釈迦堂の前と善光寺本堂の前に建てられた2つの回向柱に触れて結縁することで、現世と来世、両方の幸せが約束されると信じられているのです。それを知っている人は、どれくらいいるでしょう?それでも仲見世辺りまで行列ができ、堂内入場制限をかけながらの参拝でした。震災後は少し白濁していた「花ヶ池」の跡の水も清らかに。

ここでは2度目になる御朱印を頂戴する間、風の通る木陰が心地よい境内でした。

世尊院 御朱印
おしまいに
11月の震災から、5ヶ月余りが経っての御開帳。見ると、その爪痕はまだ境内各所に見受けられます。しかし、再生できないものは、新しいものに置き換えられるなど、御開帳に間に合うよう、急ピッチでの復旧作業が行われたことと思います。
御開帳で賑わう境内を目の当たりにし、とても嬉しく思いました。

善子さん、光子さんの親子牛も、化粧直しで綺麗に塗り替えられていました。

--- Sunday, May 24, 2015 ---
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